小説『真剣でD×Dに恋しなさい!『完結』』
作者:ダーク・シリウス()

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九月九日(水)



―――2−F 人間学、授業中


「なぁ、ヒゲ。最近マロの奴がなんかうるさいんだけど」


「ホントホント。生活指導と言ってうるさいのよ」


「アタイなんて髪型が違反とか言われて少し切られたっつーの」


「うぉ!そこまでやってるのかよ」


「女の命である髪切られたらたまらねーって」


「そりゃあ、ちょっと困るわな」


「しかも逆らうと綾小路家が敵に回るとか言ってさ」


「なんでそこで、それが出てくるんだろうねー」


「ヒドイ先生だよね」


「平安時代しかしない教師なんて良くこの学校の教師になったと一度は思ったぐらいだ。というか、

あの顔で尊敬する奴なんていないだろう。顔が真っ白って白面貴公子のつもりか?」


「ぷっ、一誠さん・・・・・そ、それは無いって・・・・・」


「―――麻呂は白面貴公子でおじゃ。皆の者、麻呂を心から尊敬するでおじゃるよ」


「―――あっはっは!う、上手い!一誠さん、凄く先生に似ているよ!」


「おいおい、凄い特技を披露してくれるけど本人の前でやるなよ?それと松永、お前は笑い過ぎだ」


「で、でも・・・・・!み、皆も笑いを堪えていますよ・・・・・!」


「「「「「「「「「「・・・・・っ」」」」」」」」」」


「・・・・・ホントだ」


ガラッ!


「話は聞かせてもらったでおじゃる!」


「・・・・・綾小路先生、今は俺の授業中ですよ?」


「黙りゃ!麻呂の陰口を言うておったな!特に兵藤!お前は麻呂の陰口を言ったおろか、麻呂に許可も無く

麻呂の声を使うとは何事じゃ!」


「麻呂が麻呂の言葉を使って何が悪いでおじゃ?それに麻呂はただの声を同じ様にして

話しただけでおじゃる」


「麻呂の声で語るなでおじゃる!」


「ほっほっほ、親の七光りでしかない麻呂は親の威厳と権力を盾に他の生徒を

体罰を下しておるのじゃから、の」


「〜っ!」


「おや?白面貴公子の顔が真っ赤になったでおじゃるな。赤面貴公子にでも変わるのか、の?」


「兵藤!この紋所が目に入らぬか!」


麻呂が綾の御紋をどーんと、突き出した


「麻呂を誰と心得る。綾小路三十二代目、綾小路麻呂となるぞ!麻呂と対等に語れる家柄は不死川のみ!

国家権力の中枢に多大なコネクションを持つ麻呂の家がその気になればたかが生徒一人を退学し、

お前を捕まえる事は容易でおじゃる!」


「―――へぇ?天使より凄いって言いたいのか?」


席から立ち上がり大天使化となった


「天使の俺と三大名家の一つの綾小路家じゃあ天地、月とスッポンだと思うが?」


「ふざけるなでおじゃ!天使より綾小路家の方が名声も地位も上でおじゃる!」


「言っておくけど、俺って九鬼揚羽と婚約をしているぞ?」


「それがなんだでおじゃる!」


「つまりだ、綾小路家より上の九鬼家の長女、九鬼揚羽と結婚したと同時にお前は俺より下になるってことだ」


「―――っ!」


「更に付けくわえると俺は九鬼英雄と不死川心に気に入られている。俺は『ファントム・イリュージョン』の

料理長『F』であり天使。ドラゴンを従わせる存在。あっ、今気づけば俺って何気に名声が

世界一じゃないか?あはは、悪いな?綾小路。俺はお前より名声が高かったかも知れない。

地位も持っていたのならば九鬼家よりあるかもな?」


「ぐぬぬぬっ!」


「どうする?俺を退学させたら代わりに名声と権力、地位、富が全て無くなってお前の家が潰れて一家が

路頭に迷う事に成るかもしれないぞ。―――九鬼家と不死川家、世界各地にいる大統領達によってな。

それでも構わないのならどうぞ、俺を退学にしろよ」


不敵の笑みを浮かべて麻呂に向かって言葉を発した。対して麻呂は―――


「お、覚えておれでおじゃる!」


逃げた


「はっ、雑魚が言うセリフだな」


「兵藤・・・・・」


「なんだ」


「頼むからもう少し穏便で済ませてくれ。おじさんはもの凄く居心地が悪かったぞ。

ハラハラドキドキもした」


「―――宇佐美先生。大丈夫ですか?保健室にまでご一緒に付き添いますが」


「・・・・・声だけ小島先生になっても現実じゃあ男だからやめてくれ。自分が惨めになる」


「・・・・・苦労しているんだなぁ」


「ああ、色々とな」


「・・・・・尊敬するぜ」


「そう言ってくれたのは忠勝以来だ、ありがとうな・・・・・」


―――屋上


「まあ、こんな事があった」


「私達の方ではそんな事はありませんね?」


「というか、Sクラスだからと同時に英雄と不死川がいるからする必要が無いんだろう」


「あの人、腹の中じゃあ一誠さんの事で怒りが煮え立っていると思うよ?」


「ふん、勝手に怒っていればいいさ」


「一誠さんは胆が据わっているなぁ」


「それこそ一誠さんですから」


「カッコいいー!」


「えっ、何処でカッコいい要素があったか?」


「元から一誠さんはカッコいいですよ」


「そうで候」


「・・・・・お前等も綺麗だぞ」


「はは、嬉しい事を言ってくれるなぁー」


「それはそうと、準」


「なんだ?」


「えーと・・・・・あった、これだ」


空間を歪ませて亜空間から箱を取り出して準に渡した。受け取った準はその箱のネームを見て

目を大きく見開いた


「こ、これは・・・・・!?」


「外でも家でもできるように制作して作った上に改良を加えた『リアル人生ゲーム』だ」


「おおっ・・・・・!ありがとございます!」


「んっ?一誠、それは何だ?」


「ゲームだ、準は俺の家にあるゲームをやったらハマったようで準の家にでもできるように作ったんだ」


「一誠の家・・・・・?」


「あっ、百代ちゃんは一誠さんの家に遊びに行った事が無いんだったね?私達は夏休みに一誠さんの

家に遊びに行ったんだよん」


「なっ!?それはずるい!私も一誠の家に遊びに行きたいぞ!」


「今度の休みの日に連れて行ってやるよ」


「なら一誠さん、私もまた一誠さんの家にある図書室の本を読んでみたいです」


「僕もイッセーの家に遊びに行きたい!」


「んー、じゃあ、皆で俺の家に遊びに来るか?」


一誠が全員に問うと頷いた


「分かった。日曜日、集合場所は多馬川大橋で10時だ」


集合場所と時間を言い皆と遊ぶ約束を決めた一誠



―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――



九月十一日(金)


1年廊下を由紀江はずんずんと歩いていた。


「(いるかなー)」


由紀江は探し人がいる教室を覗くとそこには―――


「そういえば、大和田さんのネタでね、また面白いのを仕入れてきたわ」


武蔵小杉がクラスメートと大和田伊予の事に付いて語っていた


「(いました!しかも、既にイヨちゃんの悪い話を・・・・・、つまり普段どんだけ悪口言ってるかって

事ですよね・・・・・・)許せません!」


何時もの由紀江なら馬のストラップの松風と会話をしている。が、一誠の言葉に由紀江は決意し、

松風と別れを告げ現実と闘うと決心した。


「武蔵さん!」


「わ!?プレミアムにびっくりした。黛さん・・・・・どうしたの?」


「今、大和田さんの話をしてましたね」


「うん、過去の面白トーク」


「やめてください、大和田さん傷ついてます」


「えー。私はただ事実を言ってるだけだ・・・・・」


「―――武蔵さん」


「な、なによ?」


「兵藤先輩から聞きました。以前にも似たような話をして兵藤先輩に窘められていますよね?」


「うっ!?」


「大和田さんの過去を京先輩の過去と同じように面白おかしく楽しんで他の人に言い触らして

何が楽しいんですか?」


「わ、私は皆に面白い話をしているだけよ。それが一体何が悪いって言うのよ?」


「『―――言葉は時には人の心を傷つける事があるんだ。それをお前達は容易く、無自覚で、

自覚して言ってみろ。言われたそいつはどんな気持ちに成るか解っているのか?』」


「―――っ!」


「武蔵さん、貴女は兵藤先輩の言葉を聞いて何とも思っていないから今度は、大和田さんの過去を掘り返し

大和田さんを傷つけています。それが解らないのですか?」


「うっ・・・・・」


「もう一度言います。大和田さんの事を話さないでください!友達が悪口を言われているのは、

許せないんです!解っていただけますか、武蔵さん」


「な、なによ、何で黛さんがそんなに・・・・・貴女と大和田さん、関係無いじゃない」


「関係はあります。再度言いますが大和田さんとは友達です。友達だからです」


「け、携帯マスコットと話す痛い女とか。じ、自分の事を言われた訳じゃないのに?」


「・・・・・兵藤先輩の言葉を聞いてもうストラップと話すことはやめました。というか、まぁ自分の事は

別にいいです。友達が悪口を言われるのは、自分は言われるより腹が立つんです!―――許せません!」


「・・・・・ふ、ふふ・・・・・別に過去の話を言っただけじゃない。

それで悪口と言われても腹が立つわね」


「では、どうします?」


「決まっているじゃない・・・・・」


武蔵が自分のワッペンを叩きつける。―――決闘の申し込みだ


「素手で勝負よ!素手で!」


「いいでしょう」


由紀江も自分のワッペンをワッペンの上に置いて勝負に応じた


「(やりっ!素手ならいけるわ)私が勝ったら公衆の面前で非礼を詫びてもらうわ」


「いいですよ。その代わり私が勝てば、大和田さんの事を話さないでください」


「・・・・・ええ、勝てばね!」


「―――はいはい、通報されて来てみれば熱い展開じゃの」


「学長・・・・・」


「いいよ、ワシが了承する。今この場でやんなさい」


「分かりました」


「プレミアムに武器無しだからね!」


「だから構いません」


「本気でいくわよ!」


「それに応えます」


「それでは無制限一本勝負!はじめ!」


「は!」


「―――えっ!?」


勝負と同時に武蔵は驚愕した。既に自分の肉体に拳がめり込んでいる。強いとかそんな問題じゃない。

レベルがあまりにも違い過ぎた。一誠と同じように―――


「・・・・・プレミアムな私が、公衆の面前で・・・・・っ!」


武蔵は吐血し、そのまま気絶した


「勝者、黛!武蔵は医務室に運んでいくぞ。全治一ヶ月ってとこかのぅ」


「・・・・・ふぅ」


由紀江は気を緩ませて周囲に顔を向けると同時に周囲の人間が目をそらす。全員、由紀江に畏怖していた


「・・・・・あ」


吐血させた血が、周囲に。自分の力を恐れられていた。


「・・・・・そっか」


全力でやってしまった。相手の本気に応えているので悪くは無いが。これで敬遠されていたのに。


「また、逆戻りなのかな・・・・・」


一誠達や風間ファミリーのような集団にならともかく一般人に自分は・・・・・。

ただ一点、前と違っていたものは。


「―――まゆっち!」


「イヨちゃん!?」


パチパチッ


「素手での由紀江の本気は凄いな」


「イッセー先輩!?」


「ありがとう、ありがとう私の為に」


大和田伊予が、兵藤一誠が現れ、由紀江は大和田伊予に抱きつかれる。一誠も由紀江に近づく


「イヨちゃん・・・・・私が怖くないんですか?」


「全然?」


「そ、そうですか」


「まゆっちが友達って言ってくれて嬉しかった。ありがとうね・・・・・」


「いいんですよ」


「まゆっちー!」


「イヨちゃんっ!」


「まゆっち・・・・・」


「イヨちゃん・・・・・」


「由紀江、良かったな」


「イッセー先輩・・・・・」


「一人で自分から進んでいるようで俺は嬉しいぞ」


「あ、ありがとうございます・・・・・」


「さてと、俺は武蔵のところに行ってくる。―――人の話を聞いていない奴にお仕置きをしないとな」


「あっ、あの!もういいです!」


「・・・・・何でだ?」


「もう終わった事ですし、私は満足しましたから!」


「・・・・・お前がそう言うのなら解った。だが、この事は矢場弓子に伝えておくぞ。

仮に弓道部の部員だからな」


「は、はい・・・・・」


「それじゃあ、俺は退散させてもらう。じゃあな」


一誠は二人から離れて自分の教室へと戻って行った


「まゆっち」


「イヨちゃん?」


「これからもずっと私達は友達だよ!」


「―――はい!ずっと友達です!イヨちゃん!」


黛由紀江、大和田伊予。二人の絆がより深まった。切るに切れないほどに・・・・・

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