小説『真剣でD×Dに恋しなさい!『完結』』
作者:ダーク・シリウス()

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九月十五日(火)


―――カナダ、ナイアガラの滝


世界有数の観光地に川神学園の学生は来ていた。この世界三大瀑布の一つ、ナイアガラの滝を自由に

見学する。―――が


「天使!サインをください!」


「握手をしてくださーい!」


「『F』!私もお願いします!」


一誠だけが自由に見学する事も出来ずに観光客や地元の住民達に写真や握手、サインを強請られて

それどころじゃなかった


「(一誠さん・・・・・)」


「(悪い、抜け出れそうにもない)」


「(ぅぅぅ・・・・・。残念です)」


「(取り敢えずそこで待っていろ)」


「(・・・・・?解りました)」


燕は不思議そうに一誠の言う通りに待つと


バサッ!


「「「「「「「「「「おおっ!」」」」」」」」」」


一誠が大天使化となって翼を広げて燕に近づき


「サインは此処に置いていく。―――じゃあな」


地面に何時の間にか一誠が大量に書いたサインが置かれてそのサインに目を奪われている隙に一誠は燕を

抱えてその場から姿を消した


―――滝の裏側


カウンターに荷物と靴を預けかっぱを借りて、トンネルを進んでいく。


「わっ、凄い迫力だね!大瀑布の裏側って!」


「水しぶきも半端ないな」


「それにしても一誠さんはホント人気者ですね」


「ゆっくりもできないぞ。ものの数秒で寄って集ってきたし」


「そうですねー、でも、此処は暗くて人数少なくて丁度いいですね」


「なにが丁度いいんだ?」


「一誠さんと二人きりになれることですよ」


「なるほどね」


「ふふ、一誠さん♪」


「燕」


「んんっ・・・・・」


「んふっ・・・・・」


二人は抱擁し、熱いキスをした。歯をなぞり、舌を絡め合い、唾液を交換と、二人は夢中になって

キスをし続けた。唇を離すとツゥーと銀の糸の橋ができた


「・・・・・一誠さん」


「・・・・・燕」


「ん・・・・・」


「んっ」


もう一度キスをすると燕は微笑んだ


「一誠さんってキスが上手ですね」


「燕も上手いじゃないか。それに唾液が甘かった」


「じゃあ、もっとします?」


「ああ、と言いたいところだが此処はやっぱり人が来る。完全に二人きりになれる場所でしたい上に今は

修学旅行だ。時間も有限だからな」


「・・・・・そうですね。じゃあ、次に行きましょう」


二人は歩を進めて次の場所に移動した。一誠と燕はナイアガラの滝の下流では流れが渦巻いていた。

その激しさを楽しむジェットボートツアー。一誠と燕はそれに乗って楽しむ事にした


バッシャアアアアアアアアンッ!


「きゃっ!」


「ははは、凄い迫力だ」


「一誠さんの言う通りにタオルを持って来て正解だったよん」


「これが30分も続くからな」


「そーれ!もっと加速ー!」


その時ボートが思いきり揺れた。


「お?」


「あ」


先端にいた一誠がボートから投げ出された。誰もが下流に呑みこまれると思っただろうが―――


「よっと」


一誠は体勢を立て直して翼を出し水面に着地するとそのまま滑りだした


「オー!エンジェル&ニンジャ!」


「水の上に滑るとはエンジェルは凄いデース!」


「あはは、一誠さんは凄いですねー」


「ついでだ」


そう呟いた瞬間、一誠がいる水面が一気に盛り上がって一誠が水に高く上げられると水が龍の形へと変貌した


「「「「「「「「「「オオーッ!」」」」」」」」」」


「燕!」


「うん!」


燕はボートから跳躍して一誠の隣に飛び乗った


「もっと派手にやるか!」


ザッパァアアアアアアアアアアアアアアアアン


ボートの周囲に水でできた龍が複数も現れるとボートと一緒に進み、パフォーマンスでボートが進む先に

水の龍が上空に大量の水しぶきを上げるとキラキラと虹の輪が出来上がってボートがその輪を進んだ


「アンビリーバボー!」


「ワオー!」


「ビューティーホー!」


そのパフォーマンスに観客達は拍手喝采、大歓声を上げた。一誠と燕は水の龍に乗ったままボートと共に

パフォーマンスを続けながら進んだ


―――ヘリコプターツアー


ナイアガラ大瀑布の上を何回も旋回し、滝の全貌と雄大さを十分に満喫できる。2−Sの多くがこれに

乗っていた。当然、冬馬達もそれに搭乗していた


「おお、見よ。兵藤が凄い事をしておる!」


「いいなー!僕もイッセーのところに行きたーい!」


「一誠さん達は楽しそうで良いですね」


「派手にやっているなー」


「フハハハハ!一誠殿のやることは姉上と同じで大胆であるな!流石だ!」


「あのような事をできるのは彼しか出来ませんね☆」


「彼は人を楽しませる才能があるようだ、私も思わず興奮してしまう」


「うー、イッセーの所に行く!」


「ちょっ、ユキィィィィィィ!?」


「あははー!」


ヘリコプターの扉を開け放ちユキは飛び降りて一誠のところに向かった


「なっ、彼女は何をしているのですか!?」


「はっ、はよ、扉を閉めるのじゃ!」


「まーったく!あのヤンチャには困ったもんだぜ!」


「しょうがないですね、私達もユキについていきますよ」


「あ、葵冬馬に井上準!?」


「って、あの二人も降りてしまったのじゃ!」


「あずみ!救助せよ!」


「・・・・・いえ、英雄様。どうやら彼があの三人を助けました」


英雄の専属メイド忍足あずみの視界には一誠が空中でユキ達を翼で捕まえたところだった


「まったく、ヤンチャなのは葵君も同じじゃ」


「そうですね☆」


「地上であの三人と合流をしよう」


「集合時間が近づいていると認識しなさい」


「そうじゃのう。では、戻るとするのじゃ。が、F組などの無類集団はどうせ集合時間も遅刻しまくり

なのじゃ。葵君と高貴な兵藤達以外にのう」



―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――



―――案の定、そうだった。


「まったく遅いぞ、お前達は!情けない!」


一誠達は時間通りに着いただが、観光船組が遅れた。担任への恐怖心から成るべく時刻に間に

合おうとしたが、気が緩み数分遅れたのである。


「例え数分でも遅刻は遅刻。気の緩みは許さないぞ!もう自分を管理できる年齢だろうが!

情けない・・・・・罰としてF組は夜の自由行動は無し」


F組の担当教師、小島梅子の発言にF組の生徒達はブーイングの嵐を巻き起こした


「貴様等、自分のした事を棚に上げるな!」


バシィッ!と鞭を打たれて場が静まり返る


「・・・・・すみませんでした」


「甘粕は船で酔った熊飼を介護していたのだろう。お前個人を怒る気はないが連帯責任だ」


「ええっ、俺達せっかく間に合ったのに連帯?(まぁいいや、外出禁止でも意地でも抜け出そう)」


「小島、連帯責任は仕方無いと思うが、時間通りに集合した俺達も巻き込まれたらたまったもんじゃないぞ」


「そうそうっ!せっかくの旅行ですから私達にチャンスを下さい!梅先生も楽しい修学旅行を

満喫したいでしょう?」


「・・・・・ふむ、そうだな。折角の旅行だしな。―――ではお前達、学生チームと私でゲームをしよう」


「ゲーム?」


「お前達が勝てば、夜に自由時間を与えよう。だが、負ければ大人しく自室待機だ」


「どんなゲーム何ですか?」


「ふむ、皆が知っているものがいいな」


「缶蹴りとかか?手に持っているし」


「うん、ではそれにしようか」


小島梅子は自分が飲んでいた缶を地面に置いた


「なんか、懐かしい遊びが出たわね」


「今から3分間、この間を誰かが蹴る事ができたらお前達の勝ち。蹴られなかったら私の勝ち、どうだ」


「え、それってクラス全員対梅先生ですよね」


「そうだ・・・・・ルールは無し。時間内に缶を蹴られるか阻止できるか・・・・・ただそれだけだ」


「どうするも何も・・・・・自由時間解消されるなんて絶対いや」


「ああ、この勝負をやるしかないな」


「俺様もいるし。ワン子やクリス、京、松永先輩までいる。・・・・・ムカつくが兵藤もいる。

生徒側の圧勝だろう、普通に考えれば」


「ああ、確かにそうだな」


「ナイアガラで生徒遊ぶのも悪くはないな」


「話は全部聞かせてもらったネ!熱くて羨ましイ。ワタシがつつがなく、この決闘を取り仕切るヨ!」


そこに体育教師のルーが現れて審判を務める事になった


「よろしくお願いします」


「俺がやったら1分も掛からずに終わっちまうんだけど・・・・・」


「でも、夜の自由行動が無く成るのは嫌ですよ」


「・・・・・しょうがない」


「頑張りましょう!」


「あるからには真剣だ、来るがいい」


「缶蹴り決闘はじメ!」


カーンッ!


「「「「「「「「「「・・・・・えっ?」」」」」」」」」」


「はい、終わりっと」


勝負が始まったと同時に一誠の足が缶を蹴った。―――1秒で


「い、1秒で決着。しょ、勝者2−F学生側・・・・・」


「つまらない遊びだな、俺がやると勝負でも遊びでも無く成る」


小島梅子の前に立つ一誠が短く息を吐いた


「はあ、やはりお前をこのゲームには参加させるべきではなかったな」


「というか、ゲームと勝負全般をやらせない方がいいぞ。一方的に俺が勝つ」



―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――



―――ホテル


「・・・・・」


一誠の部屋は個室。小島梅子と川神鉄心の計らいで一誠だけ一人部屋となっている


コンコンッ


「どうぞ」


「失礼する」


「小島か、何のようだ?」


「なに、此処でせんべいを食べようと思ってきたんだ」


「食うなら自分の部屋で食えよ」


「良いじゃないか。ほら、お前も食え」


「・・・・・」


突き出されたせんべいを一誠は受け取りバリッ!とせんべいを食べる


「私のお勧めの草花せんべいはどうだ?」


「さいたまのせんべいか。美味いな、それに感触も味も良い」


「ふふ、そこまで分かってくれるか」


「『ファントム・イリュージョン』の料理長を務めている俺に解らない訳が無いだろう?」


「そう言えばそうだったな・・・・・一誠」


「なんだ?」


「その・・・・・あれだ。わ、私達は生徒と教師だ。だから・・・・・やっぱり」


「・・・・・」


「―――でもやっぱり、私はこの気持ちが抑える事ができない・・・・・」


「梅子・・・・・」


「一誠・・・・・!」


小島梅子は一誠を押し倒してキスをした。一誠も小島梅子の頭と身体に腕を回してキスを応じた


「・・・・・ちゅ、ちゅ、む、一誠」


「ちゅ、れろ」


二人はキスをかわしていく


「好きだ、一誠。私はお前が好きだ」


「梅子・・・・・」


「あの時のように私を愛してくれ・・・・・」


「いいのか?今は修学旅行中だろ」


「今は男と女だ。だから・・・・・」


「い、一誠さん・・・・・」


「燕・・・・・」


一誠の部屋に遊びに来た燕が小島梅子に押し倒されている場面に出くわした


「ま、松永・・・・・!?」


「えっ、これってどういうこと・・・・・?」


「押し倒されている」


「うん、そうみたいだね」


「で、襲われそうになっている」


「わっ、先生。生徒を襲っているんですか?」


「ちっ、ちが―――」


「ふふっ、先生も一誠さんの事が好きなんですね」


「なっ・・・・・!」


「燕・・・・・」


「うん・・・・・?」


「優しくお前も愛してやる」


「そ、それって・・・・・」


「お前が欲しい。お前の体に俺のものだと刻みつけたい」


「・・・・・」


「来い、燕・・・・・」


「・・・・・はい」


顔を赤らめて燕は一誠に近づいた。―――そして、3人の夜は長く続いた。

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