小説『真剣でD×Dに恋しなさい!『完結』』
作者:ダーク・シリウス()

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九月十六日(水)



―――カナダ旅行は続いている。ナイアガラの近くの歳はカジノで有名だった。

今日は全員でカジノに来ている。


「わぁぁ、カジノなんて初めて来たぁ・・・・・」


「俺の家にもこういうカジノ部屋もあるけどな」


カジノは4階建ての、24時間営業


「っしゃー!ついに来たぜ、来たぜ、来たぜ!」


「全員、初期金額以上は賭けないようにな。ここで賭けの恐ろしさを知っておくといい」


「ここでは勝ち金を日本円に還元できないヨー。帰りの空港でやるからネー!」


「儲けが一定以上にすればその金額は学校側への寄付とする。設けてギャンブル狂いにならない為の粋な

配慮であるな。感謝せい」


「誰かがどかんと勝つと今日の夕飯がグレードアップするネ!」


「ほーまじか、んじゃ、張り切るかねぇ」


「賭けすぎて負けた生徒はマジ責任とらねーからな。よし、じゃあ金の魔力に振り回らされて来い」


「一誠さん、何をしますか?」


「ルーレットだな」


「いきなりギャンブラーな所に行くんですね・・・・・」


「スロットだと百発百中でスリーセブンを狙えてつまらない。ブラックジャックだと何時も

俺の手元に強いカードばかりが来るからつまらない」


「豪運・・・・・」


「風間達も行ったようだし俺達も行くとしよう」


「はい!」


一誠の腕に燕は抱きついて一緒にルーレットの方へ向かって行った


―――十数分後


「すっ、凄い・・・・・」


「こんなもんだろう」


一誠の前に膨大な賭け金が置かれていた。一度も一誠は外す事もなく全額で賭けをしてきた

膨大な賭け金を手に入れられた


「さてと」


不意に一誠が立ち上がり、賭け金を少しだけ残して、同じルーレットをしている人物達に

強引に渡していった


「えっ、どうして渡しちゃうんですか?」


「俺は楽しむ方だ。金なんていらない」


「でも、一万ドル以上の賭け金を渡しちゃう人なんて初めて見ましたよ」


「まっ、またやったら元に戻るさ」


―――結果


「なっ?」


「・・・・・言葉も出ないよ」


再び一誠の前に膨大な賭け金が置かれていた


「えっと3万ドルがあるから日本円だと300万か」


「た、大金じゃないですかぁ・・・・・」


「兵藤!もうそこまでにしろ!」


「あっ、梅先生」


「いや、もう止めるつもりだったし」


「さっきから見てればお前はどれだけ豪運だよ?他の客に渡していた賭け金を合わせると

6万ドル以上は稼いでいたぞ」


「その儲けた賭け金を他の人に渡してお前は一体何をしたいんだ・・・・・」


「だって、かなり儲けた賭け金を持ったら小島達が駈けつけてくるだろうから他の人に渡して

一定以下の賭け金に戻してまた―――」


「わかった、わかった。ほら回収回収」


「お前はどれだけ凄いんだ・・・・・」


「そうですねぇー」


小島梅子と燕が一誠の能力に短く息を吐いた



―――夕食時



「ん、美味い」


一人で夕食を食べている一誠。一人で一室にいるので静かに黙々と食べていた。そう―――


「一誠さーん!一緒に食べよう!」


「Sの食事を豪華にしてくれてありがとうございます。一緒に食べましょう」


「イッセー!一緒に食べよー!」


「一誠さん、ゴチになるぜ」


「我々教師の食事も豪華にしてくれた礼だ。一緒に食べよう」


「おじさん達の食事も豪華にしてくれてありがとうな」


「フハハハ!一誠殿!一人で食事ではつまらないだろう!共に食事をしようではないか!」


「きゃる〜ん☆ありがとうございまーす☆」


「にょほほ、高貴な兵藤に豪華な食事を提供してくれて感謝じゃ。特別に今夜は一緒に食べようではないか」


「感謝します」


―――燕と担任の小島梅子と2−Sの主要メンバーとその担任の宇佐美巨人が来るまでは


「・・・・・(一気に賑やかになったな)」


旅行の夜は賑やかに更けていく・・・・・。



――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――



―――そして夜、学生達の自由時間。カナダの宿といっても九鬼系列のホテルだ。

内装は世界共通で何処でも一緒だった。



―――露天風呂


「うーん、良い気持ちいい・・・・・」


「身も心も温かく成るな」


現在、露天風呂には2−Fの女子が入っていた。と言っても松永燕、小島梅子、小笠原千花、

甘粕真与しかいない


「カナダの温泉も日本の温泉には負けていないよん」


「そうだな。・・・・・で、小笠原達はどうして離れて入っているのだ?

もっとこっちにきて入ればいいだろう」


「あっ、いえ、私とマヨはここで先生達の話を聞いているので・・・・・」


「チ、チカちゃん・・・・・」


「そうか」


「・・・・・(きっと私が一誠さんと仲良くしているから近寄りがたいのかもしれないね。一誠さん、

相当クラスメート達と仲が悪いみたいだね。私も一誠さんと同じだと認識されているかもしれないよん)」


「―――と、私が納得するとでも思ったか?教師命令だ、こっちに来い」


「・・・・・分かりました」


小島梅子にそう言われて小笠原達は近づいてきた。


「うん、二人に率直な質問をしよう」


「はい?」


「お前達、兵藤の事をどう思っている?正直に言え」


「(先生?一体何を・・・・・)」


「―――嫌いです」


「ほう、何でだ?」


「だって、最初に会った時から印象が悪くて私やマヨに酷い事を言うばかりですよ。というか、

不気味で気味が悪い。最近は聞かなくなりましたけど『人形』ってその通りだと思っていました」


「・・・・・」


「それにあいつはきっと心の中で私達を嘲笑っていると思います。Sクラスのように私達を馬鹿にはしない

けど、自分が『ファントム・イリュージョン』の料理長に『天使』だとずっと隠し続けていたんだから」


「・・・・・甘粕は?」


「わ、私は別に兵藤ちゃんに『チビ』なんて言われているだけで後は特にないです。好きか嫌いかと

言われても・・・・・分かりません」


「マヨ!散々あいつに『チビ』って言われているのよ!ムカつくとは思わないの!?」


「身長を指摘されても私はこんな感じだから仕方がないですよぉ。

それに・・・・・兵藤ちゃんに助けられた事があるんです」


「えっ!?」


「そうなのか?」


「はい、変な人に強引に車に乗せられそうな事がありまして、

そこに兵藤ちゃんが現れて助けてもらったんですよ」


「その変な人はどうなった?」


「えっと、兵藤ちゃんが捕まえてくれました」


「・・・・・一誠さん」


「でも、お礼を言おうとしたのですが中々タイミングが・・・・・」


「あいつが・・・・・」


「―――小笠原ちゃん」


「・・・・・」


「一誠さんがクラスメート達に酷い事を言ったり仲を悪くしたりしたのは訳があるの」


「訳・・・・・ですって?」


「うん、だけど私の口からは言えない。一誠さんから聞かないとダメ。でも、別に知ってほしいとは思っても

いないし知らなくても良いと思っている。一誠さんの抱えているものは貴女が思っている以上―――重いの」


「・・・・・」


「今更、一誠さんと仲良くなってもらいたいと私は思っていない。本当の一誠さんを知らない人には特に・・・・・ね」


真剣な表情で燕は小笠原に向かって言った


「先輩は、先輩はあいつの事が好きなんですか?」


「大好き」


「・・・・・」


「私も一誠さんに助けてもらった事があるんだよん。一誠さんと常に一緒にいると段々、

一誠さんの事が解って最後は好きになった。―――私は一誠さんとどこまでもついていく気だよ」


「あんな奴の何処が良いのよ」


「ふふ、全部だよ」


シャアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアッ!


「「「「―――っ!」」」」


突如、燕達がいる露天風呂の周囲に超巨大な大蛇が姿を現わした。何かを追っているようだった


「兵藤の奴、もう少し穏便にできないのか・・・・・」


「せ、先生・・・・・?」


「兵藤に頼んでもらっているんだ。『覗く者がいるかもしれないから警備をしてくれ』とな。案の定、

私達を覗こうとした奴がいたそうだ」


「まっ、一誠さんのやり方ですから仕方ないですよ」


「まったく、覗こうとした男子には制裁が必要だ。出て直ぐにしなくては」


「絶対に猿がいるわ!とっちめてやらないと気が済まない!」


「はわわ、チカちゃんが燃えていますぅー!」


「さてと、一誠さんの部屋に遊びに行こうかな!」


「むっ、松永。不純異性交遊は認めんぞ」


「じゃあ、先生も来て監視すればいいじゃないですか」


「ああ、そうしよう。監視させてもらうぞ」


「(ふふ、先生。ミイラ取りがミイラになったね)他にも井上君達も誘おっと」


燕と小島梅子は風呂から上がり、着替えて準達を誘い一誠がいる部屋へと赴いた。その後、

一誠達は帰国するまでカナダ旅行を満喫した

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