小説『真剣でD×Dに恋しなさい!『完結』』
作者:ダーク・シリウス()

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九月二十五日(金)



カナダ旅行から一週間が過ぎている。一誠は何時も通りに昼は屋上で燕達と食べ、放課後はたまに弓道部の

部員達に指導をすると日常を繰り返していた。


―――弓道部。


「・・・・・とうりゃ、兵藤先輩の真似!」


俺が弓道部に入ると武蔵小杉が俺の弓を構える真似をしていた


「あははは、さらに似てきたね」


「先輩の弓を射る構えって私達が弓を構えている仕草と色々と違うよね」


「弓を横にして射る時もありますよね」


「あれってかなり難しいよね。一度やってみたけど全然ダメだった」


「・・・・・そんなの当たり前だろうが」


「あっ、先輩!」


「「「「「「「「「「今日も指導よろしくお願いします!」」」」」」」」」」


「ああ、今日も指導してやるぞ。それと俺の真似をするなんてまだまだ早いぞ」


「でも、先輩にしっかり教わったら命中率も上がったし・・・・・もっともっと先輩に近づけば

さらに技量も上がるかなって」


「相手の技を盗む事も悪くはない。それで己の実力も上がるからな」


「はい!その通りですよね!」


「だがな?所詮は、真似は真似だ。相手のやり方を真似るだけで技量が上がるとは思わない。

自分自身の本当の実力で上達しないと、本当の自分の力が上がらなくなるぞ」


「・・・・・でもやっぱり早く上達したいじゃないですか」


「うん、武蔵は上達するぞ。弓の腕前も以前のお前と比べるまでもないほどにな」


「わ、お墨付き」


「だから変に焦らずじっくりと実力を上げていけばいい。時間はまだあるが道は長いぞ」


「はい!って事は兵藤先輩レベルも夢じゃないと!」


「ははは、そこまではいかないな。というか、無理だ」


「あっ、ひどい、絶対にいってみます!」


「俺を目標にするのは止めておけ、無理ゲーみたいなもんだ」


「じゃあ、誰を目標にすればいいんですか?」


「取り敢えずは天下五弓になる目標ぐらいでいいじゃないか?」


「天下五弓・・・・・」


「まっ、俺はその天下五弓のレベルだしお前達が自分に負けないで頑張っていけば天下五弓になる

可能性ぐらいまでなるだろう」


「「「「「「「「「「おおー・・・・・」」」」」」」」」」


「ほら、弓を構えて射ていろ。見てやるから」


「「「「「「「「「「はい!」」」」」」」」」」


一誠が手を叩きそう指示する。部員達もそれに応えて弓を構え射りはじめた。


「あいつが弓道部の部員達に指導してから数ヶ月か・・・・・」


「ええ、その数ヶ月の間に一誠さん自身も変わってくれました」


「今じゃあ、弓道部に必要不可欠な存在になった」


「はい!部員達も腕が上達してきて全国大会レベルぐらいになっていると私は思いますよ!」


「本当にな」


「うー、一誠さんが弓道部に入ってくれると嬉しんだけどなぁー」


「あいつは縛られる事は嫌う奴だからお前のその欲は叶う事はないだろう」


「残念です・・・・・ところでウメ先生」


「ん?なんだ」


「なんか、一誠さんを見る目が熱いような気がしますが・・・・・」


「・・・・・そうか?私は普通に見ているだけなんだが」


「・・・・・カナダ旅行中に何かありました?燕ちゃんも何か違いましたし」


「具体的に言うと?」


「んー、雰囲気が少し変わっているんですよねぇ。子供から女になったって感じです」


「・・・・・」


「・・・・・えっ?」


ユミは小島梅子の異変に気付いた。女の勘や鋭さはどんな女も持っている。ユミも例外ではなかった


「えっと・・・・・先生?まさかですが・・・・・」


「ちょっと、こっちに来て話をしようか」


小島梅子はユミを人気の居ない場所に連れて行き、カナダ旅行であった事を全て話した


「・・・・・」


「そう言う訳だ。・・・・・すまない」


「いえ、でも・・・・・ウメ先生も一誠さんを好きになっていたなんてびっくりしました」


「今じゃあ私は虜になっている。学園にいる間は教師と生徒として接しているがプライベートだと

どうしても男と女になってしまう」


「あはは・・・・・、一誠さんの魅力は凄いですからね」


「・・・・・怒らないのか?」


「なにがですか?」


「彼氏を奪ったようなことをしたんだぞ?」


「私は一誠さんの気持ちを尊重するつもりです。それに私も愛してくれるのなら私は構いません」


「・・・・・愛は偉大だな」


「はい?」


「いや、何でもないさ」


「それでウメ先生」


「ん?」


「その・・・・・一誠さんとシてどうでしたか?」


「―――っ」


顔を赤らめるユミの言葉に小島梅子の表情が固まった。


「・・・・・」


「その・・・・・な?」


「・・・・・はい」


「・・・・・凄かった」


「―――っ!?」


「私と松永を相手にしてもあいつは疲れも見せず甘く、熱く、激しく、

 時には優しく私達を何度も愛してくれた」


「・・・・・っ」


顔から火が出そうなぐらいユミの顔が耳まで真っ赤に染まった。

教えている小島梅子自身も顔を真っ赤に染めている


「矢場、お前はあいつと・・・・・シたか?」


「いっ、いいえ・・・・・まだです」


「・・・・・そうか、なら―――」


小島梅子がユミの耳元で声を殺して何かを言った。



――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――



「遅いな」


「先輩、主将と先生がいないんですが・・・・・」


「・・・・・しょーもない、迎えに行くとするか」


「お願いします」


二人が中々戻らない事に一誠は二人の気を探知して探そうと弓道部から出ようとしたが


ガラッ


「あっ、戻ってきた」


「うん?どうしたんだ?」


「二人が戻らないから迎えに行こうとしただけだ」


「そうか、それは悪かったな。少し話をしていただけだ」


「どんな話だ?」


「ひ・み・つ」


「・・・・・分かった」


「ん、よろしい」


「・・・・・」


「ユミ、どうして顔を赤くしているんだ?風邪か?」


「ち、違います・・・・・」


「・・・・・?」


「お前達!今日はもうあがっていいぞ!」


「えっ?でも、まだ部活動の時間では・・・・・」


「たまにはそんな事も良いだろう。兵藤のお陰でお前達の腕は上達しているんだ。褒美とまではいかないが

私からのささやかな褒美だ。だから早くあがって良いぞ」


「・・・・・先生がそこまで言うのなら」


「分かりました」


「うむ!・・・・・んん!兵藤、お前は残ってくれ話がある」


「・・・・・?わかった」


首を傾げながら一誠は了承した。十数分後、弓道場には小島梅子、ユミ、一誠しかいなかった


「それで、話って何だ?」


「陽が落ちるのが早く成ってきたな」


「まあ・・・・・そうだな」


「一誠」


「なんだ?」


「すまない、矢場に話してしまった」


「・・・・・何をだ?」


「その・・・・・カナダ旅行の時の夜の事だ」


「・・・・・」


「でだ、私からお願いがあるんだ」


「なにを・・・・・?」


「―――矢場を抱け」


「・・・・・はっ?」


教師とは思えない発言に一誠は目をパチクリとした


「私と松永だけ抱いて矢場を抱かないのは不公平だろう?」


「いやいや!何言っているんだ!?お前は!教師が言うセリフじゃないだろう!?」


「嫌なのか?」


「嫌じゃないに決まっている!って、違う!どうしてそんな話になるんだ!?」


「教師として生徒の恋を応援するのが当然だろう?」


「いや、確かにそうなのかもしれないが・・・・・」


「私からは以上だ。それじゃあな」


「おい!それだけ言って帰るのか!?」


踵返して弓道場から出ていく小島梅子。後に残されたのは沈黙しているユミと当惑している一誠。

場が何とも言えない空気に支配されていた


「・・・・・一誠さん」


「・・・・・」


「私達、付き合っていますよね・・・・・?」


「ああ、そうだ」


「・・・・・なら、私も燕ちゃんと同じ事をしてください」


「ユミ・・・・・急いでいないか?」


「・・・・・急いでいる、かもしれませんね。同じ人を好きになっている別の人が

一歩私達より進んでいますから」


「・・・・・」


「それに一誠さんは言いましたよね?『平等に愛する』って」


「ああ、言ったな。勿論そうするつもりだ」


「―――じゃあ、私も平等に愛して下さい」


「・・・・・ここは学校だぞ?しかも弓道部だ。仮に抱くのならここじゃなくて―――」


「・・・・・先生の話を聞いていたら身体が熱くて仕方が無いんです」


ユミは一誠に近づいて抱きついた。弓道着の上から伝わる温もりが何時もより熱かったのを一誠は肌で感じた


「私、いま一誠さんに抱いてもらわないとどうにかなりそうなんです」


「ユミ・・・・・」


「はしたない女でごめんなさい・・・・。嫌いにならないで・・・・・」


「・・・・・」


一誠はギュッとユミを抱きしめた


「嫌いになる訳無いだろう」


「一誠さん・・・・・?」


「ユミがそう望むのであれば抱いてやる。燕達と同じように」


「嬉しい・・・・・!」


ユミは一誠の首に腕を回して顔を近づけた。


「愛している。ユミ・・・・・」


「私もです。愛しています。一誠さん・・・・・」


二人は愛が籠もったキスをした。―――その後は一誠とユミは弓道場でありながら二人は情熱的に

愛し合った。(弓道場の周りに人がこないように結界と防音の結界を張ったので誰も気づかれなかった)

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