小説『真剣でD×Dに恋しなさい!『完結』』
作者:ダーク・シリウス()

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十月二日(金)



『・・・・・もうすぐだ』


・・・・・?


『もうすぐ、もうすぐお前に会える』


・・・・・懐かしい声だ・・・・・。


『待っていろ―――。我等はお前を迎えに行く―――』


お前は・・・・・!


『我等は―――』


ジリリリリリリリッ!


深い眠りの最中、セットしていた目覚まし時計が鳴り、一誠は目を覚ました


「今の夢・・・・・」


手で顔を覆い指の間に覗けるその瞳は戸惑いが乗っていた


「まさか・・・・・な」


有り得ないと一誠は首を横に振る。だが、心のどこかで喜んでいる自分がいた


「・・・・・はは、どう思う?」


ポツリと呟く一誠の問いに誰も答えなかった。


「・・・・・ああ、そうだった。あいつらはもう・・・・・」


突然、嘲笑を浮かべた。


「ゾラード・・・・・メリア・・・・・サマエル・・・・・ブラフマー・・・・・。―――今頃、『何処に』

いるんだろうなぁ・・・・・?」


「んん・・・・・」


「・・・・・おはよう、辰」


「・・・・・ふぁ、おはよ〜」


一誠の隣で寝ていた板垣辰子が目を覚ました。――−全裸で



「どうかしたの?」


「何でだ?」


「涙を流しているからだよ〜」


「・・・・・」


「怖い夢でも見たのかな〜?」


「・・・・・いや、懐かしい夢を見た」


「そっか、じゃあ嬉しかったんだね」


「・・・・・ああ」


力なく小さく頷いた



―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――



―――川神学園 屋上


「・・・・・」


「「「「「「「「・・・・・」」」」」」」」


何時も賑やかな筈の昼食が一人の存在によって静かな昼食に進んでいた


「(一誠さん、どうしたのでしょう・・・・・)」


「(なんか、昔の一誠さんに戻っていないか?)」


「(うん、戻っちゃっているよー)」


「(燕、何か知らないか?)」


「(私だって知りたいよん!教室でもあんな感じだったよ!)」


「(ここは直接聞いた方が良いで候?)」


「(で、でも、かなり聞き辛いですよ!)」


「(あわわ、ど、どうすれば・・・・・)」


「うむ。やはり揃っているな。お前達」


「梅先生?」


「私も一緒に良いか?」


「ど、どうぞ・・・・・」


屋上に現れた小島梅子が一誠達と共に昼食を食べ始める


「珍しいですね?ここで食べようだなんて」


「なに、生徒達と一緒に食べるのも悪くないと思ってな。同時に、気になっている奴もいる」


「それって・・・・・」


「―――兵藤、どうして元気が無いんだ?何か、悩み事でもあるのか?」


「「「「「(ス、ストレートに聞いたあああああああああ!?)」」」」」


「(私達がし辛い事をこの先生は・・・・・)」


「(凄いねー)」


「(さて、一誠の奴は何を思い詰めているんだ?)」


「・・・・・夢を見たんだ」


「夢?」


「・・・・・家族の夢だ」


「「「「「「「「「―――っ!」」」」」」」」」


「しかも迎えに来るとそう言っていた・・・・・」


ポツリと夢の内容を一誠は漏らすと燕達は戸惑いの色を浮かべた


「兵藤、その夢は正夢だと信じたいか?」


「・・・・・半信半疑だ。夢だからなと切り捨てる事も出来ない」


「家族が本当に迎えに来たらお前はどうする?」


「「「「「「「「・・・・・」」」」」」」」


「家族がこの世界に現れてくるのなら俺がいた世界に帰れる方法があるものを使って来ている筈だ。

というか、『アレ』使って来ているのなら納得する」


「『アレ』?」


「――――宇宙船」


「「「「「「「「・・・・・」」」」」」」」


一誠から出た言葉にポカンと唖然となった百代達


「凄い物を造っているんですね。一誠さんとその家族は・・・・・」


「元々は宇宙旅行をする為に開発しようと決めていた物なんだ。宇宙船は既に

俺がいた時に完成した物でもある」


「次元を超えて来たって事ですか?」


「そうだと思う。後にワープする機能を付け加えたのか・・・・・?

元々そんな機能を付けていない筈だからな・・・・・」


「だが、良かったではないか。家族に会えるのだからな」


「・・・・・ああ、そうだな。実に何十年振りに会える。仮の話だがな・・・・・」


「一誠、お前は帰るのか?仮の話でだ」


「・・・・・」


キーンコーンカーンコーン・・・・・


「・・・・・寝る」


給水塔の上に飛び乗って一誠は寝転がって空を眺め始めた。百代達はこれ以上聞けないと判断して

自分の教室に戻っていった


「(ねえ、夢が本当になったら私達はどうすればいい?)」


「(出送るのが当然かと)」


「(まあ、それが普通なんだけどな・・・・・)」


「(僕はやだ!イッセーと離れたくない!ずっと一緒に傍にいるって約束したんだから!)」


「(あいつがいなくなったら私は今度こそ世界のレベルに絶望するぞ)」


「(私達に一誠さんは必要不可欠です)」


「(まだイッセー先輩と一緒にいたいです!)」


「(あうあう、イッセー先輩ともう一度勝負したいです!)」


「(・・・・・うん、私も一誠さんと永遠の別れをしたくない!)」


「(と、なると私達はやることが絞られますね)」


「(一誠さんの家族にここに残ってもらう説得)」


「(拒否されたら家族と決闘して私達が勝てば一誠さんをこの世界に暮らすようにする)」


「(それでもダメなら家族を全員、倒して一誠を奪う!)」


「(この三つの選択が今の私達が選ぶ事ができます。前者は当然ですが後者は最終手段です)」


「(そんな事になった場合はモモ先輩の活躍がカギとなるな)」


「(私達も決闘に参加するで候!)」


「(うん!イッセーと暮らす為にも僕達が戦わなきゃダメ!)」


「(私達にはドラゴンの力がある!辰ちゃんにもこの事を伝えて協力してもらおうよ!)」


「(念には念を、そうしましょう。一誠さんと共に歩む為にも・・・・・)」



―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――



―――宇宙


「どのぐらいで着く?」


「もう少しですよ〜!」


「・・・・・そうか」


「彼が所有している物を頼りに探知してやっと此処に到着したからね」


「ああ、ずっと持っていてくれたようだ」


「『アレ』の準備は?」


「問題ない。既に整っている」


「ふふっ、楽しみだわ」


「・・・・・色々とあったな」


「・・・・・ええ」


「だが、それはもう少しで報われる」


「あそこに近くづくにつれて皆はワクワクしていますからねぇ〜!」


「・・・・・・早く、早く会いたいぞ・・・・・!」


一誠・・・・・!

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