小説『真剣でD×Dに恋しなさい!『完結』』
作者:ダーク・シリウス()

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十月十三日(月)


―――アメリカ


「・・・・・よし、これで一先ずは終わったな」


「大統領、お疲れ様です」


「うむ。・・・・・それにしても最近、エンジェルの話題が無くなったな」


「はい、一時はカナダでKAWAKAMI学園の生徒達と修学旅行に来ていた時に

遭遇したと聞き及んでいます」


「エンジェル―――彼とは一度、会談の場を用意して話しあってみたいものだ」


「そうですね、エンジェルは第二次世界大戦時に我がアメリカ人達と戦争を終戦に

導いた功績がありますから」


「その通りだ、我が国の英雄達の墓も行ってみたいものだ」


「日本の総理に頼んでみてはどうでしょうか?」


「そうだな、では至急に総理と繋げてくれてくれるかな?」


「はい、かしこまり―――」


バタンッ!


「しっ、失礼します大統領!」


「どうした?慌ただしい」


「N、NASAが宇宙でとんでもないものを人工衛星で発見したとの報告が!」


「・・・・・なに?」


「いま、その事で報道をしようとしています!テレビをご覧ください!」


「分かった。キミ、テレビを―――」



―――ドイツ



『我々NASAが独自の衛星で発見したものです、ご覧ください』


「・・・・・なんという事だ」


『この巨大な物体は間違いなく宇宙船だと我々は認識しております。巨大な隕石ではありません。紛れもなく

人為的に造られた物であります。この宇宙船は真っ直ぐ、この地球に向かっています。

目的や真意などは未だ、判明されておりません』


「・・・・・」


『なお、この宇宙船と地球と接触する時間は―――この速度でなら四日後にこの地球に辿りつくでしょう』


「意外と早いものだな・・・・・」


『なお、我々は―――』


「こうしてはおれん。直ぐにマルギッテに連絡をせねば。私の可愛いクリスの身に危険が及ぶかもしれん」



―――日本



「おいおい、こりゃあ、えれぇ事になっているなぁ」


「総理!どうしましょうか!?」


「国際連合議会会議を開くに決まっているだろうよ。んで、あの宇宙船をどうするかだな」


「で、では直ぐに手配を!」


「ああ、そうだな。善は急げだ」


『我々はこの宇宙船にコンタクトを試みます。もし成功したらこれは歴史的初めて宇宙から

来た者との交流を持つ事になります』



―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――



―――川神学園


既に全校の生徒と教師は未確認生物が乗っているであろう宇宙船について話が盛り上がっていた。

各教室も似たような話題が広がっている


2−S


「フハハハハ!宇宙船か!どこの星から来た生物であろうな!」


「何の目的で来たのか未だ、政府は確認取れていないようです英雄様!」


「この地球に来て害な行動を起こす可能性は無くないでしょう」


「宇宙から来た生物など考えたくもないわ。どうせタコみたいな宇宙人じゃろうにのう」


「それはそれで面白い。是非、勝負してみたいものだ」


「我とては、能力があれば九鬼家に働いてみないか誘ってみよう!」


「九鬼は宇宙人でも誘う気なのか!?正気とは思えないのじゃ!」


「九鬼財閥は人材不足ですから能力が高ければ身分なんて関係ないんです☆」


「・・・・・ところで葵君と井上と榊原が元気ないようじゃが、どうしたのじゃ?」


「うむ。さっきから一言も喋っておらぬな?我が友、トーマよ」


「いえ、何でもないですよ」


「うー・・・・・」


「そう言う事だ、だからできればこっちに話し掛けて来ないでくれ」


「何か悩みごとなら話してみなさい。私が聞きましょう」


「そうだな。ハゲ、聞いてやらんでもないぞ」


「・・・・・すいません、少し気分が悪いので外の空気を吸ってきます」


「僕もー」


「俺もだ」


「ちょ、もう直ぐ授業が始まるのじゃぞ!」


「一体あの三人になにが・・・・・?」


―――2−F


「うっはー!宇宙船がこっちに来るんだってよ!」


「うん、その話は誰でも知っているよ」


「あの宇宙船に乗れねぇかなぁー!宇宙人に会って宇宙に連れて行ってくれるように頼むぞ!」


「ちょっ!どんな宇宙人なのか分からないのよ!?というか、会話が成立するとは思えないわ!」


「そんなの、話してみなければ分からないじゃないか!」


「どんな体型と容姿をしているのだろう・・・・・、実に興味深い」


「きっとタコみたいな奴なんだろう?普通に考えるとさ」


「いーや!俺は熊のようなデカイ奴だと思うね!モロ、お前はどう思う?」


「えっ?うーん、恐ろしい顔をした化物じゃないかな?夢にまで出てきそうな」


「うわっ、それは会いたくないわね・・・・・」


「同感だな」


「京はどう思う?」


「興味無い」


「あはっ、だよね。大和は?」


「意外とヤドカリみたいな奴だったりしてな。頭には貝殻を被っている!」


「ヤドカリだったら俺は嬉しいけどヤドカリ人みたいな奴だったら嫌だ!」


「・・・・・ところでさぁー、松永さんと兵藤達が可笑しくない?」


「ああ、松永さんの場合はあいつの腕に抱きついているからなぁ」


「なーんか、絶対に放さないって感じに握っているよな」


「あの二人は付き合っているのか?」


「そうじゃねぇーの?何時も二人でいるほうが多いからなぁー」


「屋上じゃあ2−Sの奴等とモモ先輩、まゆっちと同じクラスの奴等と一緒に飯を食べていると聞くよね」


「モモ先輩はともかく、どうしてまゆっちまで一緒にあいつと食べるのか理解不能だ」


「というか、お姉さまと一緒に兵藤の話ばかりしているよね」


「・・・・・まさかだと思うが、まゆっちまであいつの事が好きだったりして」


「KOS大会で堂々と告白したもんね。ビックリしちゃったよ」


「ん?ではモモ先輩は兵藤と付き合っているのか?」


「さあ、そこまでは解らないな。付き合っている風には見えねぇし、かといって振られた出もなさそうだし」


「・・・・・では、今の今までモモ先輩の告白を放っておいて松永先輩と

遊んでいると言う訳だな?・・・・・許せん!」


「クリス、兵藤に突っかかるのは止めた方がいいよ。口も実力も返り討ちになるよ?」


「だが!このまま放っておいたらモモ先輩が可哀想ではないか!」


「まー、その話は今日、臨時集会してモモ先輩に聞いてみようぜ?」


「キャップに賛成だ」


「僕もそうだね。本人に聞く方が早いよ」


「と言う訳でクリス、席に座りなよ」


「ぐぬぬぬ・・・・・!」



――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――



―――屋上


「正夢となった・・・・・」


「「「「「「「「・・・・・」」」」」」」」


「あいつらは俺を迎えにこの世界にやってくる。それが目的だろう」


「一誠さん、帰っちゃうんですか?」


「・・・・・俺が元々いた世界には両親や、友人、仲間や愛している女達がいる。そいつらはきっと

俺の帰りを待っている筈だ」


「嫌だ!イッセー、帰っちゃダメだよ!」


「ユキ・・・・・」


「僕たちとずっと一緒にいるって約束はどうなっちゃうの!?」


「・・・・・っ」


「ねえ、ずっと此処にいてよ!それがダメなら僕達も連れて行ってよ!」


「それは・・・・・」


「一誠さん!」


「燕・・・・・?」


「私、一誠さんの家族と説得する!この世界にずっといてもらうように!」


「はっ―――?」


「というより、既にそう決めているんですよ。私達は」


「仮にダメだったとしてもお前の家族と勝負して私達が勝ってお前を此処に住んでもらう様にするがな」


「俺達は一誠さんに鍛え上げられているんだ。何が何でも―――」


「無理だ」


「・・・・・え?」


「断言するぞ。お前等の力じゃあ絶対に勝てない」


「なっ、どうしてで候?」


「それは―――俺より強い奴がいるからだ」


「「「「「「「「―――っ!?」」」」」」」」


「不動と最強の存在が俺の家族の中にいる。そいつらだけじゃない。お前らより強い奴が殆ど

俺の家族にいる」


「待て!じゃあ、私より強い奴もいるのか!?」


「ああ、例え武神といえでもお前は負けるぞ」


「―――っ!?」


「話し合いはともかく、実力行使だけはするな。お前達は負ける」


「辰さんでもですか・・・・・?」


「そうだな。勝てる相手もいるだろうが最終的に負ける。俺と俺の家族はこの世界じゃあ無敵と言っても

過言じゃないんだ」


「そ、そんな・・・・・」


燕達は愕然とした。自分達の力でも一誠の家族の足下にも及ばないと一誠にはっきりと言われたからだ。


「お前等の気持ちは嬉しい。俺だってお前等とずっと一緒にいたい。だけど、それ以上に大切なものが

俺にあるんだ。だから―――」


「それでも・・・・・!」


「・・・・・」


「それでも私は諦めない!一誠さんとずっと一緒に暮らすんだよん!だから私は一誠さんと

同じ存在になったんだ!」


「私も同感ですね。話し合う余地があるのなら退く訳にはいきません」


「言っただろう?何処までも一緒についていく。傍にいるって。俺達、諦めが悪いんだ」


「私は、一誠さんを手放さないと決めているで候」


「うん!そうだよー!」


「はははっ!私より強い奴が一誠以外いるのなら大歓迎だ!一誠を奪ってでも私は戦うぞ!」


「わ、私もイッセー先輩ともっと一緒にいたいです!ですから、そんな事を言わないでください!」


「私は戦う事はできないけど、イッセー先輩。私に何かできる事があれば何でも言って下さい!」


「お前等・・・・・」


自分を想う愛しい少女と友人達に呆れた。だが、同時に嬉しい気持ちで一杯だった。もしかしたら―――と

一誠は期待と希望を少しだけ抱き始めた


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