小説『真剣でD×Dに恋しなさい!『完結』』
作者:ダーク・シリウス()

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十月十七日(金)



―――宇宙


「いよいよ着きましたぁ〜!もう一つの世界の地球へ!」


「私達がいた地球と全く同じだね。丸くて青い星・・・・・」


「既にこの星に住む存在は我々の存在に気づいている筈」


「そして、―――彼も気づいている」


「元気にしているよね!」


「また強い奴を家族にしているかもね」


「有り得るな」


「この地球に住む存在は一体どんな奴ら何だろう。会うのが楽しみだ!」


「私達のような存在はいないでしょうね」


「誰がいようと関係無い。私達は彼を探しに来ただけだ」


「そうね、私達はそれだけの為にこの地球に来たのだから」


「―――では、大気圏に突入し地球に到着次第、あいつがいる場所へ向かうぞ!」


―――洞窟


『・・・・・この魔力の波動』


『まさか・・・・・!』


『皆が・・・・・来た!?』


『だが、我等は・・・・・主を見捨てた』


『そんな我等が今更ながら主の許へ帰るのは・・・・・』


『そうだよね・・・・・』


『あの時の主の顔はまだ脳裏に焼き付いている』


『泣いていたよね・・・・・』


『我々があんな事を言わず、そして主の許から去らねば良かったんですよね・・・・・』


『ブラフマー、僕達はこのままひっそりこの洞窟で暮らしていた方がいいのかな?』


『・・・・・何故、私に話を振るう』


『だって、ずっと一緒にイッセーといた仲じゃないか』


『・・・・・』


『僕、皆のところに帰りたい・・・・・』


『『『・・・・・』』』


『ゾラード達だってそう思っているでしょう?僕、皆とまたあの楽しい暮らしに戻りたいよぉ・・・・・』


『・・・・・我も戻りたい。だが、一度離反した我等が戻れるわけが・・・・・』


『・・・・・すみません、主・・・・・』


『ぅぅぅ・・・・・』


『・・・・・』



――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――



――――多馬川大橋



「何時も通り、学校はやるんだな・・・・・」


「うん、てっきり休校になるかと思ったよ」


「あの宇宙船はどうなっている?」


「大気圏に突入して地球に着いた途端に姿を消したって。ステルス機能もあるようだね」


「・・・・・同時に探知されないように施してあるだろう。そうなったら探すにも探しようが無い」


「じゃあ、こっちに来るんだね?」


「確実に俺の気と魔力を探知して探しに来る」


「・・・・・あの宇宙船が来た途端にもの凄い力が今でも全身に感じ続けているよ」


「相変わらず離れていてもプレッシャーだけは感じさせる」


「凄いね・・・・・」


「おはようございます、一誠さん」


「イッセー、おはよー」


「おはようさん」


「おはようで候」


「皆、おはよう」


「ユキちゃん達、おはよう!」


「一誠さん、気づいていますよね?」


「当然だ」


「すんげぇ、ピリピリ感じるぞ。武闘家でもない俺でも感じるプレッシャーだぜ」


「うん、しかも少しずつ強く成ってくるよ」


「近づいているという事で候」


「私も感じてしょうがないですよ」


「ああ、その通りだな」


「あっ、百代ちゃん。おはよう」


「おはよう。あの宇宙船が地球に突入した途端にこんな強い闘気が感じ続けさせている。ジジイと師範代が

もの凄い真剣な表情を浮かべていたほどだ」


「武闘に心得がある奴は全員、感じている筈だ」


「ワクワクするな・・・・・!これほどハッキリと闘気を感じさせる奴に早く会ってみたいぞ!」


百代は不敵に口の端を吊り上げて笑みを浮かべた。そんな彼女を一誠は「直ぐに会えるさ」と口から漏らした



――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――



―――川神学園



「・・・・・」


授業はいま4時間目に入っていた。珍しく一誠は授業に参加していた。


「(一誠さん、闘気が・・・・・)」


「(感じられなくなるほどに近づいて来ているだろうな)」


「(一誠さんも感じられなくなりましたか?)」


「(いや、まだ感じられる)」


「(じゃあ、いまはどの辺りにいるか解りますか?)」


「(―――直ぐそこまで来ている)」


「えっ・・・・・?」


―――刹那


ゾクリッ!


「「「「「「「「「「―――っ!?」」」」」」」」」」


2−Fの生徒達が突如、プレッシャーを感じた。武闘の心得もない人間でもだ


「なっ、何なんだ・・・・・。この嫌に背筋が凍るほどの不快な感じは・・・・・!」


「こ、怖いです・・・・・!」


「マヨ!大丈夫よ。私がついているから・・・・・!」


「この闘気・・・・・・!闘気がしなくなったと思えば直ぐ近くに来ているというの・・・・・!?」


「お前等!静かにしろ!」


授業の担当をしていた小島梅子が騒ぎだすFクラスを喝破するが収まる気配が無かった。更に―――


ドッゴオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオンッ!


グラウンドから巨大な何かが直撃して轟音が発生した。


「きゃあああああああああああああああ!」


「なっ、何なんだぁー!?」


もはや騒ぎは、波紋のように広がり2−Fだけではなく、全校生徒と教師にまで騒ぎ始めた


「・・・・・派手な登場をしてくれる」


オオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオンッ!


オオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオンッ!


オオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオンッ!


刹那、狼のような声がグラウンドに舞い上がった土煙を吹き飛ばした。そして―――


「一誠!」


「一誠さん!」


「一誠君!」


「「「「「「「「迎えに来たぁあああああああああああああ!」」」」」」」」


「・・・・・ああ、懐かしい」


一誠の視線の先に大勢の男女の姿がいた。


「・・・・・あれが、一誠さんの家族・・・・・」


「・・・・・そうだ、俺の愛しい家族、仲間、友、女達だ」


「―――イッセー!」


「えっ!?」


不意に一誠を呼ぶ声が聞こえた燕は声がした方へ顔を向けると―――天井から水色の髪の少女が現れて

一誠に抱きついた


「―――セイン!」


「うん!久しぶり!本当に・・・・・久しぶりだよ・・・・・!」


「ああ、本当に久しぶりだ・・・・・!」


一誠もセインと呼んだ水色の髪の少女を抱擁した


「い、一誠さん・・・・・今、天井からその子が出てきましたよね・・・・・?」


「セインの能力だ」


「私はナンバーズのセイン!六番目って意味なんだけどさ・・・・・と、自己紹介している暇じゃなかった。

イッセー!皆のところに行こう!」


セインが一誠の腕を掴んで窓に飛び出そうとしたが


「待て!」


「わっ!」


小島梅子の鞭により阻まれた


「お前、何者だ!どうして兵藤を連れて行こうとする!」


「・・・・・イッセー、教えていないの?」


「この松永燕っていう少女と他のクラスにいる数名の奴らしか教えていない」


「そっか、じゃあ教えてあげるよ。私達は『幽幻龍騎士団』という組織だよ。イッセー・・・・・兵藤一誠は

その『幽幻龍騎士団』の『王』なんだよ」


「「「「「「「「なっ―――!?」」」」」」」」


「それにしてもイッセー、変わっているね。特に髪型が!伸ばし続けたんだ?」


「理由はないんだけどな」


「「一誠さん!」」


「イッセー!」


「一誠さん!」


「一誠!」


「「イッセー先輩!」」


突如、2−Fに葵冬馬、井上準、榊原小雪、矢場弓子、川神百代、黛由紀江、大和田伊予が入ってきた


「お前等・・・・・」


「・・・・・結構、強い人達がいるっていうかドラゴンの気配を感じるけど一体どういう事?」


「『ムゲンの駒』で何人かドラゴンに転生させた」


「へぇ、じゃあ、強い気配をする訳だよ。―――じゃあね!」


セインはそう言って一誠を押し倒すとそのまま一緒に無機物の壁に通り抜けて外に出た



―――2−F



一誠がセインにグラウンドに連れて行かれた後にF組の生徒達は窓を開けてグラウンドを見る。


「・・・・・あれが宇宙人・・・・・?どう見ても人間だぞ・・・・・」


「しかも美少女、美女、美人が多いじゃねぇか!誰だよ、宇宙人はタコみたいな奴だって言った奴は!」


「それはガクトでしょう?」


「ぬはっ、そうだった・・・・・!」


「うわー、イケメンが多い!あれが宇宙人なら大歓迎よ!」


「エレガンテ・クアットロよりマジカッコいい系!直ぐに食べたい系!」


「宇宙人さんは私達と同じ人間だったなんて驚きですねぇ!」


「うおおおおおお!あの巫女服を着ている女を見てみろよ!でけぇ!マジ胸がでけぇ!金髪に巨乳なんて

反則だろぉぉぉ!?」


「あの黒髪の女性なんて見ろよ!露出狂なのか!?白い肌を惜しみもなくさらけ出しているぜ!

尻も丸出しも良いところだ!」


「なんか、魔法使いのようなローブを着ている奴もいるな・・・・・」


「というか、あの三匹の狼がデカイわ!見られている訳でもないのにもの凄いプレッシャーを感じるわよ!」


「あんな生物がいるのか?信じられんな・・・・・」


「でも、私達より強いのは分かるよ。戦ったら一瞬で負けちゃうね」


「一誠さんの家族を見るのは初めて・・・・・、あんなにいるんだね」


「ロリが・・・・・!幼女が・・・・・!あんなにいる・・・・・!」


「一誠さん、あなたは色んな人を家族にしているんですね。凄い人です・・・・・」


「あいつらが一誠の家族。―――強い、それもかなりの実力者だらけだ。

私とまゆまゆ並みの実力者もいるな」


「はい、それもかなりの人数です」


「むっ、学長が出てきたで候」


「僕達もイッセーの所に行こう!」


―――グラウンド


「月歩」


ドンッ!


爆発的な脚力で空を蹴ると一気に『幽幻龍騎士団』が集まっているグラウンドに到着した


「一誠!」


「イッセー!」


「―――ガイア!オーフィス!」


「良かった!やっと、一誠と再会ができたぞ!長かった・・・・・!長かった・・・・・!

お前がいない日々が我をどれだけ苦しめた事やら・・・・・!」


「イッセー!イッセー!我、イッセーとやっと会えた!イッセー!イッセー!」


「「一誠!」」


「「一誠くん!」」


「ルシファー!ベルゼブブ!アスモデウス!レヴィアタン!」


「良かった!やっと会えた!」


「ああ!ようやくお前と再開できたぞ!」


「この時をずーっと待っていたんだよ!」


「私も!もう絶対に放さない!」


「イッセー!」


「メイビス!」


「ああ、この声・・・・・!本当にイッセーです・・・・・!」


「ごめんな・・・・・こっちもそっちに帰える手掛りを探していたんだけど見つからなかったんだ」


「それはもういいよ!こうしてようやく親友と再会できたんだから!」


「和樹・・・・・!」


「はい!これでようやく『幽幻龍騎士団』が完全復活ですよ!」


「龍牙・・・・・!」


「イッセー!」


「イッセー先輩!」


「黒歌・・・・・小猫!?どうして、グレモリー眷属のお前が・・・・・!」


「ふふ、小猫だけじゃないぞ」


「私達もいますよ」


「うんうん!そうだよ!」


「ゼノヴィア!?ロスヴァイセもイリナも!」


「イッセー!」


「ガ、ガブリエルまで!」


「ようやく、ようやく貴方と会えた・・・・・!貴方の声を聞けた・・・・・!

貴方の温もりを感じれた・・・・・!」


「ガブリエル・・・・・」


「イッセーさまぁぁぁぁぁ!」


「レイヴェル!」


「お会いしたかったですわぁぁああああああああああ!」


「ああ、俺もだよ・・・・・!」


「「イッセー!」」


「イッセーくん!」


「ソーナ!ヴァイラ!椿姫!」


「この野郎!ずっと俺達は探していたんだぞぉぉぉぉおおおおおおお!」


「匙!お前も探しにきてくれたのか・・・・・!」


「当り前だ!バカ野郎ぉぉおおおお!」


「いっくん!」


「悠璃!」


「うわああああああああああああああん!」


「ごめんなぁ、寂しい思いをさせて」


「いっくん!いっくん!いっくん!」


「ご主人様ぁ!」


「イッセーくん!」


「恋!ジャンヌ!」


「もう・・・・・!もう・・・・・!何処に行かないで・・・・・!」


「本当よ・・・・・!本当にもう何処にも行かないでちょうだい・・・・・!」


「ああ、ああ、もうお前等と離れる気はないよ・・・・・!」


「「一誠」」


「ヴァーリ、曹操」


「ようやく巡り合えたな」


「友よ。元気で何よりだ」


「お前達も元気そうだな」


オオオオオオオオン


オオオオン


オオオオン


「ははっ、フェンリル、ハティ、スコル」


「「イッセー!」」


「八坂!九重!」


「ようやっとお前と会えたのじゃ!」


「イッセーの温もりをまた感じれる・・・・・!嬉しいのじゃ・・・・・!」


「イッセーさま!」


「レイナーレ!」


「ふふ、やっと見つけました!もう放しませんよ!」


「―――全く、まさか俺まで此処まで来るとは思わなかったぜ」


「ア、アザゼル!?」


「よぉ!ハハハ、久しぶりじゃねぇか!」


「おま、堕天使の総督が何で此処にいるんだ!?」


「ああ、総督を辞めた」


「さらっととんでもない事を言うなよ!?」


「いやだって、お前を探しに宇宙に行くんだぜ?面白そうじゃねぇかよ。俺も便乗して来たって訳だ」


「・・・・・確か、お前はそういう奴だったな」


「ハハハ!まあ、良いじゃねえか!結果、お前を見つけたんだ!」


「そう言う事だよ。イッセーくん!」


「この展開からして次にくるとすればサーゼクスしかいない!」


「勿論、私もいるよー!」


「セラフォルー!お前もかぁ!」


「ははっ!うん!イッセーくんは変わっていなかったね!」


「・・・・・お互い様だろうが」


「イッセー!」


「主!」


「シヴァ!セルベリア!」


「やっと会えたぁあああああああああああああ!」


「主!ようやく貴方の許に・・・・・!」


「俺も二人の許に戻れたよ・・・・・!」


「「一誠!」」


「信長、信奈」


「やっと会えたわ!」


「ああ、お前がいないとつまらないからな!」


「悪かったな。俺だってお前等がいない生活は凄く辛かったんだぞ」


「―――だが、その生活はもう終わりだ!我等、『幽幻龍騎士団』は『王』兵藤一誠を見つけた事でいま、

ここに復活したのだからな!」


「「「「「「「「「「うおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおっ!」」」」」」」」」」


「「「「「「「「「「おっしゃああああああああああああああああああ!」」」」」」」」」」


「「「「「「「「「「やったああああああああああああああああ!」」」」」」」」」」


ドッガアアアアンッ!ドッガアアアアアアアアンッ!ドッガアアアアアアンッ!


一誠達の真上に盛大に大量の花火が綺麗に咲いた


「さあ!この世界の一誠の家に戻り!盛大に一誠との再会を祝おう!」


真紅の長髪の少女、ガイアの一言に『幽幻龍騎士団』は頷き宇宙船へ―――


「―――待てい!」


「「「「「「「「「「・・・・・?」」」」」」」」」」


気迫がある声音により『幽幻龍騎士団』は動きを停めた。全員、振り返ると数十人の教師と学生が

グラウンドにいた


「話は全て聞かせてもらったぞぃ」


「・・・・・鉄心」


「誰だ?」


「ふぉふぉふぉ、ワシはこの学園の学長をやっとる川神鉄心じゃ」


「その学長が何の用だ?」


「お主等の目的は兵藤一誠を迎えに来た事じゃな?」


「そうだ、我等の『王』を、我等が愛する男を別世界から探しそして、一誠が此処にいる事が解り

迎えに来た」


「ほう、別世界・・・・・パラレルワールドから此処まで探しに来たとは驚きじゃ」


「この世界と我等がいた世界とは違うのは確かだ、闘気が満ち溢れている。我等が住んでいた世界とは

全くの別の世界だ」


「お主達は何者じゃ?」


「愚問な質問をする。我等は我等だ、それ以外何者でもない」


「ふぉふぉふぉ、なるほどのう」


「帰っても良いか?我等はこれから一誠との再会を記念して宴をしたいのだ」


「兵藤一誠を置いて先に帰ってはくれんかのう?兵藤はまだ授業を受けていたのじゃからな」


「一誠に授業なんて必要はない」


「学友を増やすには必要じゃと思わないか?」


「一誠の友はどれぐらいいる?」


「あそこにいる眼鏡を掛けている男の葵冬馬、スキーンヘッドの井上準、髪が真っ白な榊原小雪、金の服を

着ている九鬼英雄、髪が長くて赤い瞳の川神百代とその隣に眼鏡を掛けている少女の矢場弓子、

腰の装備品を巻いている松永燕の七人だけだ」


「・・・・・あまり学友がいないようだが?」


「むぅ・・・・・本人が学友を増やすどころか周りを遠ざけるような事をしたからじゃよ」


「何でそんな事を?」


一誠はガイアの疑問を解消する為に全て話した


「・・・・・そうか、お前は我ら以上に辛く、寂しい思いをさせてしまったのだな」


ガイアは一誠を優しく抱きしめた。


「ガイア・・・・・」


「大丈夫だ・・・・・。我は、我等はずっとお前と一緒にいる・・・・・・!

今まで離れた分もこれから取り戻すぞ・・・・・!」


「―――ガイアッ」


一誠はガイアの言葉にようやく愛しい者達と過ごせる時間が再びできると歓喜の涙を流し始めた。

そこへ燕がガイアと一誠の前に移動した


「あの!」


「ん?」


「私、松永燕と言います!一誠さんとこれからどうするんですか!?宴が終わった後にです!」


「我等が住んでいた世界に帰る。我等は一誠を迎えに来たのだからな」


「―――お願いがあります!」


「なんだ?」


「一誠さんを連れて帰らないで下さい!」


「燕・・・・・」


「・・・・・何故だ」


「一誠さんの事を愛しているからです!」


「―――ほう」


「私だけじゃないです!」


燕の一言に川神百代、矢場弓子、榊原小雪、黛由紀江、大和田伊予も出て―――


「―――我も一誠を愛しているぞ!」


ドッゴオオオオオンッ!


上空から翼を生やした九鬼揚羽もグラウンドに降りてきた


「揚羽・・・・・!?」


「・・・・・その翼は、ドラゴンに転生した元人間だな?」


「フハハハ!ああ、その通りだ!愛しい一誠と長く常に一緒に傍で暮らす為に永遠の命を得た!」


「・・・・・ふふ、一誠はこの世界でも家族を増やしていたようだな?」


「まあな・・・・・・」


「そう言う訳ですから一誠さんを連れて行かないでくれますかね?」


「私達は一誠さんに恩があるんです。ですから―――」


「―――断わる」


「・・・・・どうしてもダメですか?」


「当然だ、見た限り。この世界はレベルが低そうだ。こんな世界に一誠をこれから先も住まわしたら

一誠自身の力も激減してしまう。というより、一誠は既に力が衰えているではないか・・・・・可哀想に。

我等と何十年も離れてこの世界で暮らしていたから心も以前と比べてかなり弱まっている。

―――何故か、一誠の中にいる筈のゾラード達とブラフマーがいないのが不思議でしょうがない」


「―――なら、最終手段を使うしかないですね」


冬馬の声音が真剣なものになった。冬馬の言葉と同時に燕、準、ユキ、ユミが戦闘態勢に入った。

由紀江も刀を鞘から抜いて百代と同じように闘気を纏い始めた


「・・・・・我等と戦い、我等から一誠を奪うつもりか?」


「ええ、それしかないのでね」


「我も手伝おう!一誠を連れて行かれては困るからな!」


「お前等!こいつらと戦うのは―――」


「―――フハハハハハ!」


突然、哄笑するガイア。暫くすると大声で言葉を発した。


「馬鹿め!いくらドラゴンの力を得ていようとも我等に敵う訳がなかろう!一誠からそんな事も

聞いていないのか?」


「聞きましたよ。無敵の勢力だって」


「ふっ、なら知って尚も何故にそこまで一誠にこだわる?」


「一誠さんが大好きだからです!」


「イッセーとずっと一緒にいるって約束したから!」


「一誠さんと傍にいたいからで候!」


「一誠以外の男がいないからだ!」


「イッセー先輩と一緒にいたいからです!」


「・・・・・では、一誠を賭けた決闘でも―――」


ドォオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオンッ!


突然、青いビームが『幽幻龍騎士団』に直撃した。その光景を見て燕達は空を見上げ目を見開いた


「た、辰さん!?」


「って、どうして此処に?というか、鎧を着込んでキレている!?今の攻撃で一誠さんが―――」


「―――まったく、いきなり攻撃をしてくるとは・・・・・」


「えっ・・・・・」


『幽幻龍騎士団』の周りに金色の魔方陣が展開していた。辰の攻撃は結界によって防がれていた


「しかも、あの鎧は・・・・・禁手かではないか?どういうことだ、この世界に『神のシステム』が

存在しているのか?」


「いえ、そんな事はない筈です。あるのは私達が住んでいた世界のみだけです」


「あっ、一誠さんもその事で気になってはいました。で、あの鎧に『青龍の逆鱗』って名付けました」


「燕の言う通りだ、理由は名前と青い髪にキレるからだ」


「なるほど、まさしくその名に相応しいな」


「返せ!一誠君を返せぇ!」


「―――龍牙」


「はい」


ジャラジャラッ!


龍牙が金色のコインを辰に投げるとコインが鎖と化となって辰を縛り上げると辰が纏っていた鎧が強制的に

解除されてグラウンドに叩きつけられた


「辰さん!」


「だ、大丈夫〜」


「今のコイン型の鎖は一体・・・・・」


「教えてあげますよ。このコインは神器なんだ、名前は『バブルルート』。相手を捕らえ、武器型の神器の

能力を解く力があります」


「だから辰さんの鎧が解かれた訳なんだ・・・・・」


「そう言う事です。にしても丈夫ですね?怪我の一つぐらいはするかと思いましたが」


「ぐぅ・・・・・ぐぅ・・・・・」


「えっ、寝ました・・・・・?」


「あはは、辰さんは寝る事が大好きなんですよ」


「そうですか・・・・・なんか調子を狂わせる人ですね」


「で、一誠を賭けた決闘を望む者は何人だ?」


ガイアの問いに燕と揚羽に百代、準、冬馬、ユキ、ユミ、由紀江、目が覚めた辰、―――マルギッテ、

あずみ、一子、クリス、心、ガクトまでもが参戦した


「・・・・・明らかに違う目的で参加した人間がいるな。どういうつもりだ?」


「自分は兵藤の事なんか関係なく純粋にお前達と勝負してみたいだけだ、宇宙人」


「俺様もだぜ!」


「にょほほ♪此方の柔術を宇宙人に味あわせたいのじゃ!」


「英雄様からのご命令です☆」


「さぁ!勝負よ!」


「私は兵藤一誠に恩があります。その恩を返す時が今だと判断したまでです」


「・・・・・まあいい、15人なら一人除いてタッグマッチだ。時間は無制限、武器は何でも有り。真剣を

使用しても構わない」


「むっ、真剣はダメじゃ。この学園の敷地内はワシが取り仕切る事になっておる」


「では、そっちはレプリカでも使うがいい。我等は真剣でやらせてもらうからな」


「それでは勝負にならないではないか!」


「ただ刃が潰れているか潰れていないかの差ではないか。それと我に対等に戦わせようと思わない方がいい。

我等の戦いは常に死と隣り合わせの戦いだからな」


「「「「「「「「「「―――っ!?」」」」」」」」」」」


「さあ、最初は誰だ?我等は『幽幻龍騎士団』。―――負けはしないぞ」

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真剣で私に恋しなさい! Original Sound Track ~真剣演舞~
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