小説『真剣でD×Dに恋しなさい!『完結』』
作者:ダーク・シリウス()

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『幽幻龍騎士団』と川神学園を代表して戦う燕達はこれから一誠を賭けた決闘を行おうとした。―――だが、


グゥー・・・・・


「・・・・・お腹が空いた」


「我も空いた」


二人の少女の言葉に決闘は一時中断して昼食をする事になった


「イッセー!イッセーの料理を食べたい!」


「作って!」


「ああ、そうだな。一誠の料理を久しぶりに食べたいぞ」


「ああ、勿論だ!それじゃあ、調理器具と食材の用意を頼む。燕達も一緒で良いよな?」


「「「「「「「「「「了解!」」」」」」」」」」


「えっ?」


「構わん、大勢で食べる料理は美味いからな」


「・・・・・なんか、穏やかな人みたいだね」


「ガイアは基本的に穏やかで優しいしぞ?」


「ふふ、一誠にそう言われると嬉しいぞ!」


ガイアは嬉しそうに笑みを浮かべて一誠に抱きつく。―――そこに一誠の容姿が似ている男女が近づいてきた


「「一誠」」


「―――お父さん、お母さん」


「良かった、お前が無事でいて俺は嬉しいぞ」


「貴方が消えて私達はどれだけ心配したか・・・・・」


「・・・・・ごめんなさい」


「なに謝っているんだ?」


「一誠、最初に言う事が違うわ。他にあるでしょう?」


「・・・・・うん、ただいま。お父さん、お母さん」


「「お帰り、一誠」」


一誠は両親である兵藤誠、兵藤一香との再会を果たす。一誠は誠達に抱きつき誠達も一誠を抱きしめて

抱擁を交わす


「一誠さん・・・・・の家族ですか?」


「ああ、そうだ。息子が世話になったようだね」


「初めまして、私は松永燕と言います」


「僕は榊原小雪!」


「井上準です」


「葵冬馬と言います。私達は一誠さんには色々と助けてもらいました」


「矢場弓子で候」


「川神百代です」


「九鬼揚羽と申します」


「ま、黛由紀江です!」


「は、初めまして!大和田伊予です!」


「板垣辰子だよ〜」


「初めまして、俺は兵藤誠。一誠の父親だ」


「私は兵藤一香。一誠の母親です」


「失礼ですが、一誠さんのご両親は人間ですか・・・・・?」


「まあ・・・・・、あの船で来たから怪しさ満載だよな。俺達は歴とした人間だよ。流れる血はキミ達と同じ

赤いけど見てみるかい?」


「い、いえ!大丈夫です!」


「はは、冗談だ。それとキミ達の話を聞かせてもらった。一誠の事が好きなんだね?」


「あっ・・・・・」


一誠に好意を抱く燕達は途端に顔を赤くした。一誠の両親がいると知らずに一誠に好意を抱いていると

公言したからだ。同時に不安を抱く。もしここで交際を認めてくれなかったら―――


「私達は一誠との交際を認めても良いと思っているわ。一誠を幸せにしてくれるのなら誰でも良いし何人でも

良いの。実際に貴女達は一誠の傍にずっといてくれたようだわね。―――ありがとう。この子は心が脆く

繊細だから常に誰かと一緒に本当の自分を知っている人達といないと心が壊れやすいの。強くて脆い。

この子はそういう子・・・・・」


「・・・・・一誠の母上は寛大ですね。感服致します」


「だけど、私達の友と一誠の家族達は一誠を迎えに来たの。再び私達が暮らしていたあの世界に戻る為に」


「はい、存じています」


「本気?私達の友と一誠の家族は無敵と称されているほどの勢力で個人個人の強さはあるけれど、それでも

貴女達が勝てる見込みはないのよ?それを承知してこの子の為に戦うと言うのかしら?無謀もいいところよ」


「―――無謀でも何でも、一誠さんとずっと一緒にいたいんです。暮らしたいんです!」


「約束をしました。『ずっと傍にいる。一誠さんが行く所に私達も一緒についていく』と」


「俺達は一誠さんに幼い頃から助けてくれているんです。そんな一誠さんに俺達は尊敬し、憧れ、

『家族』として常に一緒にいたいんですよ」


「僕はイッセーが大好き!小さい時に僕を助けてくれたあの時からイッセーの事が好きなんだ!だから、

イッセーの家族に勝たないと僕達はイッセーと離れ離れになっちゃうんだ!」


「一誠さんと二度と会えなくなるのは嫌で候!」


「うむ。私は一誠以外の男と結婚する気はない!此処で引き止めなければならぬのだ!」


「ああ、一誠がいないと私は困る!好きな相手と戦う事ができなくなるからな!」


「私もイッセー先輩をお慕い致しています。友達ができない事に悩んでいた私にイッセー先輩は、

大和田伊予ちゃんという掛け替えのない友達を紹介してくれました。他にもイッセー先輩のお陰で

大勢の友達を作る事ができました」


「私もまゆっち―――黛さんと出会えたのはイッセー先輩のお陰です。それに私も困っていた時に

イッセー先輩に助けてもらった事があります。そんな困っていた時に手を差し伸べてくれる

先輩が大好きなんです!」


「お前等・・・・・」


「ふふ、一誠。こんなに慕われているなんて母親として自慢の息子で良かったわ」


「その想いをこれから先も抱くといい。何時かきっとその想いは『力』となる」


「想いが・・・・・」


「力となる・・・・・?」


「人を想う気持ち、人を愛する想いの気持ち、人を守る気持ち、人は誰もがその想いを抱いている」


「一誠の強さはね?『想い』の力が殆どなのよ。神器もまた、『想い』の力で覚醒して力を解放する」


一香はそう言いながら燕達の胸―――心にトンと突いた。すると、調理器具と大量の食材を

持ってきた一誠の家族が叫び出す。


「イッセー!持って来たよー!」


「イッセーが何時も使っている調理器具も!」


「これで一杯作ってくれよなぁー!」


「―――じゃあ、作りに行ってくる」


「ええ、楽しみにしているわよ!」


「息子の手料理は久々だ!存分に食べるぞぉー!」


二人は一誠と共に移動し始める。その様子を燕達は呟く


「一誠さんの両親ってなんか凄いね・・・・・」


「想いが強さに成るなんてな・・・・・」


「私は修行や鍛練すれば強く成ると思っていたが」


「違う方法でも強くなれるものがあるのだな。1つ、彼等に教わったな。『想いの力』を・・・・・」


「あの方達も相当の実力者です」


「それは『想い』の力で強く成っているんだろうな」


「ええ、そうでしょう」


「一誠さんの家族もまた『想い』の力があるから無敵の勢力と称されているはずで候」


「準とトーマとイッセーとずっと一緒にいたいって気持ちも想いなのかなぁー?」


「きっとそうですよ。私達もその想いが抱いている限りイッセー先輩の家族を倒すことが

できるかもしれません」


両手をグッと握り、そう言う大和田伊予だが、首を傾げ不思議そうにユキは問う。


「でもキミは戦えないよねー?」


「はうっ!?」


「ユキ、彼女も彼女成りで戦っている時があるんですよ。そう言ってはいけません」


「そうだぜ?」


「はーい」


「イヨちゃん。私達の応援をよろしくお願いします!」


「まゆっち・・・・・うん!頑張って応援するよ!」


由紀江と伊予は笑いあう。そこ一人の青年が近づく


「えっと、お前等?」


「あっ、はい」


「飯の準備ができたから来いって一誠が言っているぞ」


「えっ、もうですか!?」


「ああ、もうだ」


「早いですね・・・・・」


「まあ、あいつは何時もあんな感じだ。と、俺は匙元士郎だ。一応よろしく」


「よ、よろしくお願いします」


「・・・・・」


「ん〜?」


「ヴリトラ、この子の中にドラゴンはいるか?」


「ヴリトラ?」


冬馬が怪訝な顔をした途端に匙の影から一匹の大蛇が現れた。


「わっ、蛇だ!一誠さんと同じ・・・・・」


「ああ、こいつは『六大龍王』の一匹、『黒邪の龍王』ヴリトラだ」


『よろしく頼む』


「蛇なのにドラゴン・・・・・?」


「そこは気にしないでくれ。で、ヴリトラ、いるのか?」


『いや、おらぬよ。セミの抜け殻のようで中身は空っぽだ』


「あの、何の話ですか?」


「青い龍の鎧を纏っていただろう?龍の鎧は何かしらの神器にドラゴンの魂が封じられているんだ。

それで、彼女の中にドラゴンがいるのかなって気になったからさ」


「なるほど、一誠さんの中にいるゾラード、メリア、サマエルのような存在の事ですね?」


「おっ、あいつらと会った事がある物言いだな?」


「うん!一緒に遊んだ事もあるよー!」


「そっか、じゃあお前達も既に認められているんだな」


「認められているっていうか・・・・・なぁ、若?」


「ですね、水の弾を当てようとしたのですが、全然当らない上に馬鹿にもされましたよ」


「いま思い出すと腹が立って来たな・・・・・」


「へぇ、お前等もそんな事を―――」


ゴンッ!


懐かしそうに口を開いた瞬間の匙の頭に大きな氷の塊が落ちて当った


「〜〜〜っ!?」


「サジ、彼女達を呼びに行くだけでどうして遅く成るのですか」


「ソ、ソーナさん・・・・・!」


「えっと・・・・・大丈夫ですか?」


「ご心配無用です」


クイッと眼鏡を直すクールな黒の長髪の少女が匙の背後にいた


「でも、もの凄く痛そうですよ・・・・・?」


「私の眷属はこのぐらいの痛さで根を上げる事はないのです」


「眷属・・・・・?」


「・・・・・いえ、何でもありません。イッセーが待っています。私についてきてください」


「あっ、はい・・・・・」


「サジ、行きますよ」


「わ、分かりました・・・・・」


匙の代わりに燕達を一誠のところへ案内する匙がソーナと呼んだ少女。少し離れたところで数々のテーブルが

置いてありその上に様々な料理が乗っていた。高級な物もあれば一般的な物もあった。


「匙さん、彼女は?」


「ソーナ・シトリーさんだ。一誠が好きな一人でもあるんだ」


「ソーナ・シトリー・・・・・」


「そう言う事です。松永燕さん、1つ聞いてもよろしいでしょうか」


「ど、どうぞ」


「―――イッセーはこの世界を暮らして幸せそうでしたか?」


前を向いたままソーナは燕に訊いた


「・・・・・いえ、最初は辛そうでした。一誠さんは」


「・・・・・そうですか」


「でも、今は違います!一誠さんは私達と常に傍にいて笑ったり遊んだりして一緒に空を飛ぶ時なんかは

心の底から楽しそうにしていました!」


「一緒に空を・・・・・そうですか」


「ソーナと言ったか?」


「ええ、そうですが?」


「一誠が住んでいた世界でも一誠は幸せだったのか?」


「はいそうでした。―――彼が謎の穴に吸い込まれて私達と引き離され、この世界に飛ばされるまでは」


「・・・・・」


「ですが、私達はようやく彼と再会した。これほど喜ばしい事はありません。これからはイッセーと私達は

もう一度あの時のように楽しく、騒がしく、賑やかで幸せな暮らしをするのです・・・・・!

・・・・・ふふっ!」


ソーナの声音に歓喜が含まれているのが明らかだった。それを聞いて燕達は複雑そうな表情を浮かべた。


「ようやく来たか」


「ごめんなさい、サジが親しげに話していたもので」


「「親しげに・・・・・?」」


「げっ・・・・・」


「元ちゃん・・・・・?」


「元士郎先輩・・・・・?」


「桃!留流子!別に俺は浮気なんてしていないぞ!?」


「ふふ」


「「・・・・・?」」


「好きだって告白されちゃいました。だから私、匙君と付き合う事に成ったよん」


ブチッ!


「うおおおおおおおおおおおおおい!?嘘言うんじゃねえよぉおおおおおおおおおおおおおお!」


「元ちゃん!やっぱり浮気していたのね!?」


「酷いです!私達だけじゃあ不満なんですか!?こんなに尽くしているのに!」


燕の嘘の言葉に匙に好意を抱いている二人の少女が匙に問い詰めると匙は必死に弁解する。

その光景を見て燕達は笑みを、苦笑を浮かべた。


「―――そうか、燕は匙と付き合うのか・・・・・おめでとう」


「・・・・・えっ?」


「俺との恋は遊びだったんだな?そうか、それは凄く残念だな・・・・・」


そこに何時の間にか燕の目の前にズーンと暗く、落ち込んでいる一誠がいた。

そんな一誠に燕は慌てて弁解する


「ち、違いますよ!私は一誠さん一筋です!いまのは嘘です!」


「「えっ、嘘・・・・・?」」


「そ、そうだ!彼女の嘘だって何度も言っているだろう!」


「「うっ、ごめんなさい・・・・・」」


「全く・・・・・二人以外の女なんていらないから安心しろ」


「「―――っ!」」


苦笑を浮かべながら匙は二人の少女の頭を撫でると少女達は匙に抱きつく。こちらは明るくなった―――が


「・・・・・」


「い、一誠さん・・・・・」


「燕・・・・・いまのはお前が悪いぞ」


「燕、いけないんだー」


「冗談でもそれは言っちゃあいかんでしょうに」


一方の一誠達の方は未だ、重い空気を漂わせていた。


「ご、ごめんなさい・・・・・」


「・・・・・」


「・・・・・ぅぅぅ・・・・・」


「・・・・・はあ、もう二度々あんな事を言うんじゃないぞ」


「うん、もう言いません・・・・・」


「ならいい」


一誠は嘆息し燕の頭を撫でて許した。


「―――で、意地悪するのは終わったか?」


「・・・・・へ?」


「バレたか?」


「バレバレだ、我が見抜けぬとでも思ったか?」


「いや、思ってはいないさ。でも、半分は本当だったぞ」


「むっ、そうだったのか」


「もしかして、からかっていた・・・・・?」


「半分な?」


イタズラが成功した子供のように笑う一誠に頬を膨らました燕。


「酷い!本気で後悔したんですよ!?あんな事を言わなければって!」


「あははは!悪い!悪い!」


「もう、そんな人にはこうです!」


そう言って一誠の腕に抱きついた


「・・・・・ん?」


「ずっと一誠さんとこうしてひっつきます!この腕は松永燕専用ですよ!」


「「「「「「「「「「―――っ!?」」」」」」」」」」


一誠に好意を抱いている者達に雷が落ちたような衝撃が走った


「おい、松永燕」


「・・・・・何ですか」


「一誠は我の男だ。貴様にはやらんぞ」


「いいえ、私の一誠さんです!だって―――あんなに愛してくれたんですから!身も心も全て一誠さんに

奪われて私の身体を知りつくす程に!」


「「「「「「「「「「なっ!?」」」」」」」」」」


「・・・・・」


再び一誠に好意を抱いている者達に雷が落ちたような衝撃が襲った。そんな中、百代が声を震わせて問うた


「い、一誠・・・・・燕の言っている事は・・・・・本当なのか・・・・・?」


「・・・・・事実です」


嘘偽りもなく正直に一誠は肯定の言葉を発した


「・・・・一誠」


「揚羽・・・・・?」


「決闘が終わったら真っ直ぐ我と家に戻ろう」


「・・・・・何故?」


「フハハハハ!決まっているであろう!お前と愛し合う為にだ!」


「―――ちょっとまて!先に私と一誠がやるんだ!揚羽さんは最後だ!」


「百代、此処は先輩に譲るものだぞ?」


「揚羽さん、此処は後輩に譲るものですよ?」


「「・・・・・」」


百代と揚羽が火花を散らした。そんな二人をよそに、


「一誠?」


「はい」


「この決闘が終わったら直ぐに我の部屋に来い。―――久々にお前と激しくお互いを求めるぐらいに

愛し合おうではないか」


「ちょっと待ちなさいガイア!一誠と抱き合うのは私からよ!」


「それこそ違うよ!最初は私だよ!」


「私が先だ」


「私よ!」


「いえ、私です」


『幽幻龍騎士団』の大半の女性達も一誠と最初に愛し合うのか揉め始めた。肝心の一誠は―――


「お前等、飯にしよう」


「そうだね!お腹が空いたよ!」


「一誠さんの手料理を早く食べたい!」


「二名ほど、既に食べて入るがな」


「イッセーの料理、美味しい」


「ご主人様の料理、もっと食べる」


「あっ、本当だ。まあいいや、俺達も食べよう」


「って、百代ちゃん達を放っておいて良いんですか!?」


「「「「「「「「「「あれは何時もの事だから放っておいても大丈夫」」」」」」」」」」


「というか、この元凶のお前が言う事か?」


「うっ・・・・・!」


「腹が減れば直ぐに収まる。ほら、お前も食べろ。冬馬達もだ」


「わはーい!いただきまーす!」


「一誠さんの手料理は久々です」


「うん、全くだ」


「頂くで候」


「「い、いただきます!」」


一誠達は昼食を食べ始める。少ししてガイア達も腹が空くとさっきの揉め事が嘘のように治まって一誠の

料理を懐かしそうに味わいながら食べ始めた



―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――



―――グラウンド



一時間後、一誠の料理を完食して幸せそうに食べた『幽幻龍騎士団』と百代達。だが、決闘の時間に成ると

真剣な表情に空気をピリピリと緊張感が漂わせてグラウンドの中央に対峙した


「そっちが三勝すれば貴様達の勝ちだ。一試合目に出す奴が決まったら前に出せ。

我等からは―――ヘラクレスと小猫だ」


「おう!」


「・・・・・頑張ります」


「あの、質問して良いですか?」


「なんだ?」


「ヘラクレスって本名ですか?偽名かなって思っちゃうんですけど」


「―――1つ言っておこう、松永燕」


「は、はい」


「一誠から聞いたと思うが、我等の中に英雄の子孫、末裔、魂を受け継いだ者達がいる。全員、

正真正銘だ。このヘラクレスもギリシア神話に出る英雄ヘラクレスの魂を受け継いだ者だ」


「「「「「「「「「「―――っ!?」」」」」」」」」」


「まっ、そう言う訳だ。だからさっさと俺達の相手を出せよ。この後の宴が楽しみで仕方が無いんだからよ」


「・・・・・そう言う事です」


「―――なら、俺様が出るぜ!」


「にょほほ♪なら、あのチビには此方が相手をしてやるのじゃ!」


「・・・・・チビ?」


「あーあ、あの女。タブーを言いやがった。知らないとは言え、気の毒になぁ・・・・・」


「それじゃあ、審判はワシがするぞい」


「何時の間にか全校生徒、教師の他にもテレビ関係者も来ているネ」


『ご覧ください!いま、宇宙船に乗ってきたと思われる宇宙人達が川神学園の生徒達と決闘をしようとして

いるところです!宇宙人の実力は一体どのぐらいの力を―――』


「さっきから宇宙人って言われているけど俺達は人間だ!そこを修正しとけババア!」


『バ!?』


「ほいほい、では、決闘を始めるぞぃ。両者、名乗りを上げながら前に出なさい」


「『幽玄龍騎士団』のヘラクレスだ」


「・・・・・『幽玄龍騎士団』兼グレモリー眷属、搭城小猫」


「2−F島津岳人!」


「2−S不死川心じゃ」


「うむ。ルールを言うぞい。制限時間は無制限、刃物はしょうがなく真剣じゃ。勝利条件は相手の二人を

気絶、または戦闘不能にした時点で勝利となる。よいな?」


「問題ねぇ」


「・・・・・無いです」


「構わねぇぜ!」


「問題ないのじゃ」


「それでは試合・・・・・開始じゃ!」


「はっはぁー!てめぇは俺が相手にしてやるよ!」


「最初からそのつもりだ!」


「此方の柔術を味わうがいい!」


「・・・・・負けない」


ヘラクレスがガクト、小猫が心と向かって言った


「食らえ!ハンサムラリアッート!」


「何処がハンサムだ!ただのラリアットじゃねえかよ!」


と、言いながらもヘラクレスも腕を横に伸ばしてラリアットの構えをした。二人の腕が互いの胸に腕の

内側部分に打ち当った


ドッガアアアアアアアアンッ!


―――が


「がっは・・・・・!?」


「はっ!対した力じゃねえな!」


ガクトの胸にヘラクレスの腕が当った瞬間、爆発が発生した。その衝撃にガクトはグラウンドに倒れた。

しかし、ガクトはユラユラと起き上がった


「テッ、テメェ・・・・・腕に何か仕込んでいやがるのか・・・・・!?」


「そんなチンケな事を俺がする訳無いだ・・・・・ろっ!」


ドッガアァアアアアアアアアアアアアアアンッ!


「ぐっはああああああああああああああああああ!」


ヘラクレスの拳がガクトの腹部に突き刺さり爆発が生じた


「あはははは!弱いなぁ!いや、俺が強いだけか!」


「ぐっ・・・・・」


「へぇ?まだ立ち上がるか。生身の人間でよく頑張るな」


「ひ、卑怯な手を・・・・・使っているお前なんか・・・・・負けてたまるか」


「―――卑怯だと?」


ドッガアアアアアアンッ!


「があああああああああああああああ!」


「ただ俺が拳で殴った際に爆発がするだけの何処が卑怯だと言うんだ?」


ドサッ!


「島津岳人!戦闘不能により勝者、ヘラクレス!」


「ちっ、呆気ねぇなー。こんな世界にあいつは何十年も過ごしていたのかよ?俺だったら暴れっぱなしだぜ」


ヘラクレスはつまらなさそうに小猫の戦いを見ることにした


「このっ・・・・・!」


「・・・・・接近戦なら私は負けない」


「とか言いながら此方に指一本も触れてないではないか!」


「・・・・・じゃあ、倒す」


ドドッ!


「にょああ!?」


眉間、腹部に素早いストレートパンチを放った。小猫はそれを一瞥すると踵を返した


「まっ、待つのじゃ!此方はまだ―――」


「・・・・・もうお終いです」


「えっ・・・・・」


ドサッ!


小猫がそう呟いた瞬間に心が突然、倒れてしまった。体育教師のルーが心の容体を確認すると


「不死川心、戦闘不能により勝者、塔城小猫!」


「・・・・・弱かったですね」


「だなぁ」


「ちょっと待て!今の試合は無効だ!」


「はっ?何でだよ、ちゃんと勝っただろう?」


「ガクトを殴った際に爆発するなんて可笑しいだろう!身体に何か仕込んでいる筈だ!」


「おいおい、なに言っているんだ?あの金髪、俺の腕と拳に何にも着いていないじゃないか」


「だが、爆発するのが可笑しい!」


「言い掛かりするのもいい加減にしろよ?これが俺の戦い方なんだ。なあ、爺さんよ?俺の身体に何も

付けてはいないだろう?」


「ふむ・・・・・。確かにヘラクレスの身体には爆発物のようなものは着いておらん。

よって不正ではないぞ」


「ぐっ・・・・・!」


「金髪、他人の事より自分の身に心配しとけよ」


「・・・・・私達より強い人がまだいますからね」

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真剣で私に恋しなさい!S 大判マウスパッド 川神百代
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