「一体何が・・・・・？」
「あの人の言う通り、爆弾を持っていませんでしたし・・・・・」
「爆発したら自分の身体も巻き込まれて木端微塵に成る筈なんだが、
五体満足に拳と腕が吹っ飛ばされていない」
「考えられるのは『神器』ですね」
「・・・・・やっぱりそうか」
「魂とも言える神器だからどちらにしろ、反則じゃないね」
「あんな物を一誠の家族が全員持っているとなるとかなり厳しいな」
「様々な能力があるんですよね？」
「一誠さんからそう聞いているよん。一誠さんが知っているだろうけど教えてくれそうにもないね」
「仮に教えてくれたとしてもあいつらの実力は四天王クラスとそれ以上の奴らばかりだ」
「どちらにせよ、これは崖っぷちに立たされたような戦いに成るぞ」
「お姉様！次は私が出るわ！」
「ワン子・・・・・」
百代達が『幽幻龍騎士団』の事で真剣に話しあっている所に何も知らない川神一子がやってきた
「宇宙人と戦えるなんてかなり貴重な事だから此処で悔いの無い勝負をして勝つわ！」
「・・・・・そうか、頑張れよ」
「はい！」
敢えて絶対に負けると思っても言わない百代。言ったところで一子が止まらないと解って行かせた。
これで一子の実力が試される。もしダメだった場合は―――
「では、第二試合目を始めるぞぃ。試合に出る選手は名乗りを上げながら前へ」
「２−Ｓ忍足あずみです☆」
「２−Ｆの川神一子よ！」
「『幽玄龍騎士団』兼シトリー眷属の真羅椿姫」
「『幽玄龍騎士団』・・・・・兵藤悠璃」
「えっ？兵藤・・・・・？」
「姉弟か従姉弟か？」
「では、試合開始じゃ！」
「同じ薙刀使いとして勝負を申し込むわ！」
「掛かってきなさい」
「さーて、宇宙神の実力はどのぐらいなんだろうなぁ？・・・・・って！」
「・・・・・」
「何時の間にそんなバカでかい大鎌を持っていやがった！？」
「・・・・・早く倒す。いっくんの為に」
何時の間にかあずみの背後に回って大鎌を振った。あずみが振り返るよりも先に鎌の刃があずみの
身体を切り裂いた
「―――っ！？」
ズバンッ！
「があああああああああああああああああ！？」
強烈な痛みの感覚が脳に届く。しかし、身体を見ると傷どころか服が裂けた痕も無かった
「ふふ、大丈夫だよ？これ、斬れないけど―――」
ザシュッ！
「ああああああああああああああああああああああああああっ！」
「魂を斬る事ができるの。肉体が傷つくよりかなり痛いでしょ？―――ふふ」
ザンッ！ズバッ！ズザッ！
「ぎゃああああああああああああああああああああああああああああっ！」
―――ドサッ！
余りにも激痛に耐えきれずに地面に倒れ意識を失った
「・・・・・もう、終わり？魂を抜き取って直接傷つけようと思ったのに―――あはは、あはははは！」
「「「「「「「「「「―――っ！？」」」」」」」」」」
悠璃の言動に『幽玄龍騎士団』以外の全員は恐ろしいものを見てしまったと恐怖を抱いた。
「あずみいいい！」
一方、椿姫対一子
ガキンッ！ガガガガガッ！
「そ、その長刀！普通じゃないよね！」
「―――『冥琳』、この長刀の名前です」
禍々しい形の長刀に一子は抗議する
「そんな薙刀はある訳無いじゃない！」
「この『世界』ではそうでしょう。しかし、私達の世界では普通に販売されています。
共に成長する為の相棒として」
「相棒・・・・・！？」
「貴女は何のために武器を、薙刀を振るうのですか？」
「お姉様のようになる為！輝く為！」
「―――はあ、貴女に一言を言います」
「なによ！」
ガキンッ！
「貴女は武道には向いていない。更に言えば武道の才能すら無い」
「なっ―――！？」
「薙刀の扱い方も雑過ぎる。力も速さも鋭さもない。スピードタイプのようですが、ただ速いだけの力では
勝てないですよ。貴女の目標とする人物には絶対に」
「言うじゃないの！努力をすれば何時か報われる！私はそう信じて今まで努力して
頑張ってきているんだから！」
「私もその意見には賛成です。ですが、報われない努力もある事もあるんです」
「そんな事ない！私は絶対に信じる！誰が何を言おうとも―――」
「―――『顎』」
ガッ！バキッ！
「はっ―――！？」
「これで終わりです」
椿姫が瞬時で長刀を上下に振った。薙刀を上下に振った際に一子が持っていた薙刀と一子自身を
砕く姿がまるで獣が噛み砕くような感じだった。
「（むっ、あれは薙刀流術、『顎』！川神院でしか知らされていない技をあの少女はいとも
簡単に使いこなすとは・・・・・！）」
「（鋭く、それでいて薙刀を上下に振った瞬間が速イ！私の目でも速過ぎて追えないネ！）」
「薙刀はただ振り回したり払ったりするものではないのです。貴女は長刀の使い手として失格です」
「・・・・・」
ドサッ！
「勝者！真羅椿姫！至急に川神一子を治療するのじゃ！」
「安心して下さい、みねうちでやりましたから」