小説『真剣でD×Dに恋しなさい!『完結』』
作者:ダーク・シリウス()

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十一月十七日(火)


―――屋上



「・・・・・」


あのプレッシャーと闘気がもう感じなくなってもう一ヶ月・・・・・。一誠さんがこうして給水塔で寝る姿を

見る事ができなくなってもう一ヶ月・・・・・。一誠さんの顔を見なくなって、

会話する事も出来なくなってもう一ヶ月・・・・・。


「・・・・・」


もうお昼かぁ・・・・・。なんか、一誠さんと同じ事をしているよん。

一誠さんもあの頃はこんな気分で過ごしていたんだね・・・・・


キーンコーンカーンコーン・・・・・


授業が終わった。でも、あの一件以来から井上君達はこの場所に来なくなった。井上君、ユキちゃん、葵君の

三人は何時も通り過ごしている。でも、それは表面だけでユキちゃんなんかは特に三人の中で元気が無い。

表情も無くなってあの二人だけしか反応しなくなった。クラスメートに話しかけられても無視してあの二人に

縋り付くように常に一緒にいる。百代ちゃんとユミちゃんは相変わらず。だけど、ユミちゃんは部活の主将を

辞めた。「あの空間にいると一誠さんと過ごしたあの日々を思い出して辛く成るから」と理由で・・・・・。

百代ちゃんに今まで以上の挑戦者が次々と現れた。『武神が地に平伏す』『別世界から来た人類に一撃で

敗北』『川神百代、四天王の称号剥奪』とニュースが報道されているから百代ちゃんが弱体した。なら、

今なら勝てると踏んでの挑戦なんだろうね。その考えは百代ちゃんに倒されて儚く散ったけど。そして、同じ

四天王の揚羽さんも四天王の称号を剥奪された。時々、私に会う事がある。話を聞くと今まで以上に修行と

鍛練をしているようだった。―――何かに憑かれているように。それは百代ちゃんも同じだった。

まゆっちも似たようなものかな、あんなに友達が欲しいって言っていたのに闘気を授業中でも纏っている事が

感じる。逆に友達ができなくなっているよ。でも、そんな彼女にイヨちゃんはずっと傍にいる。辰さんは

解らない・・・・・、一誠さんがいなくなった後でもあの『天使達の聖域』に暮らしているようだけど

私がたまにあの家に行くと何時も居ない 


『タツ姉はこの家にほとんどいないんだ。飯の時間だけ帰ってきてくれるけどさ』


『あの一件以来、辰は起きる事が多く成ったさね。まるで寝るのを拒んでいるかのように・・・・・』


未だ、あの家に住んでいる辰さんの家族からそう教えてくれた。竜兵くんは相変わらずの親不孝通りで

暴れているみたい


「・・・・・食べよ」


鞄から『二つ』の弁等を取り出した。・・・・・また、作ってきちゃった。あの日は私が一誠さんの

弁等を作る日だったから・・・・・


「いただきます・・・・・」



――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――



―――榊原家


「さあ、今日は鍋だよー!一杯食べてね!」


「はい、ありがとうございます」


「今日は鍋なんて冷える夜にはありがたい料理だ」


「今日は具材が安かったから一杯買って来ちゃったんだよねー」


「おや、そうだったんですか」


「ウェーイ、そうなんですよー」


「その言葉、ユキと同じだな」


「ずっと一緒に暮らしてきたから私に似たんだろうねぇ」


「ふふ、ですね」


「・・・・・ユキちゃんは相変わらず部屋にいるのね」


「・・・・・ええ、あの一件以来ずっと」


「兵藤さんが天使に『ファントム・イリュージョン』の料理長だって事実を知って驚いたけど、

まさか別世界に住んでいた人だとは度肝を抜いたわー」


「私達も最初はそうでしたよ」


「ああ、でも一誠さんの事が解って嬉しかったな・・・・・」


「あっ・・・・・ごめんなさい」


「・・・・・いえ、気にしないでください」


「俺達の力不足でなったことだから貴女が気負う事はないですよ」


「・・・・・私、ユキちゃんを呼んでくるね?」


「はい、お願いします」


ユキの養母である女性がユキの部屋に向かった


「ああ、俺達の力不足でこんな状況に成っているんだ・・・・・」


「あの歌声が夢の中でも出てくるものですからたまったもんじゃありませんよ」


「というか、あの歌声を聞いた奴等が殆どそんな感じだぜ」


「・・・・・止めましょう。傷を広げるだけです」


「だな。何か清楚がある歌を聞こうぜ、今日はミュージックの番組が二時間スペシャルだ」


「そうしましょう、心が清められるものがいいです」


「そんじゃ・・・・・ん?」


「どうしました?」


「若、テレビを付けてもノイズだらけだ」


「・・・・・故障ですかね?」


「失礼な!まだ使って数年のテレビだよー!」


「どうしたのー?」


「歌番組を見ようとテレビを付けたんだけどノイズばかりなんだ。しかもどのチャンネルもだ」


ユキとユキの養母がノイズばかりのテレビに近づいてきた


「むぅー、準君。その頭で壊した?」


「どういう意味ですか!?」


「あっ、何か声がするよ?」


「どうやら直ったようですね」


「良かったぁー、直らなかったら準君に弁償してもらうところだったよ」


「ヒドッ!?弁償できるけど酷いわ!」


「準、静かに」


『・・・・・い』


「・・・・・え?」


『俺・・・・・だ』


「・・・・・この声は」


『お・・・・・い、ちゃ・・・・・て・・・・・か?』


「・・・・・まさか」


ノイズだらけだった画面が少しずつ正常を取り戻し―――完全に画面はとある人物を映しだした。


「―――イッセー・・・・・・?」


『やっとか、全ての放送局とテレビ局のハッキングお疲れ様』


「ハッキング・・・・・ふふ、一誠さん。相変わらずですね・・・・・」


「イッセー!イッセー!」


「こらユキ!テレビをそんな揺らしたらダメ!準君を揺らしなさい!」


「俺ですか!?って、本当に俺を揺らしてはいけません!」


『―――俺は『幽幻龍騎士団』『王』の兵藤一誠。一ヶ月前までは天使、または

『ファントム・イリュージョン』の料理長『F』だった男だ』


映像に映っている一人の人物―――装飾が凝った漆黒のローブ姿の兵藤一誠。


『さて、俺がこうして再びお前等の前に姿を現わしたのはある事を伝える為だ』


「・・・・・またドでかい事を言うんだろうな」


「あり得ますね。一誠さんですから」


『先月は俺の家族の登場に世界を騒がした。そのお詫びに俺達とゲームをしよう』


「ゲーム?」


『そう、ゲームだ。それも俺達がいた―――別世界で行っていたゲームをお前達にも知ってもらおうと

一ヶ月前から準備をしてきた』


「兵藤さんが居た世界のゲームなんて気に成るわねぇ」


『名は「レーティングゲーム」。元々は俺達が住んでいた世界の異世界に住む悪魔が構築したゲーム。

まあ、悪魔のゲームだと思えばいい。恐怖のゲームじゃないがな』


「レーティングゲーム・・・・・興味深いですね」


『「レーティングゲーム」とはチェスの特性を取り入れた少数精鋭で行うゲームだ。知っているだろうが

チェスに「王」、「女王」、「戦車」、「僧侶」、「騎士」、「兵士」の6種類の駒に役割があるな?』


「ええ、知っていますよ」


『だが、「レーティングゲーム」でチェスの特性を取り入れたゲームはお前達が考えている様な

ゲームではない。―――自らチェスの駒として戦場に立ち対戦相手の駒と戦うゲームだ』


「自らをチェスの駒として戦う・・・・・?」


『このゲームは本来、戦争で激減した悪魔が勢力を立て直そうと様々な種族を悪魔に転生させ自分の

眷属にする理由で作られたものでもある。この駒を使ってな』


映像に映る一誠はチェスの駒を見せた


『「悪魔の駒」または「イーヴィル・ピース」とも呼ぶ。この駒には違う種族を悪魔に転生するように

 プログラムが施されている。そして、この駒を受け入れ悪魔に転生した種族は一万年という半永久的に

生き続ける事ができる上に身体能力が人間だった頃の数倍にも上昇するという特典付きだ。だが、

悪魔に転生したからには二度と人間には戻れないデメリットもある。

―――既に何人かが似たような事になっているがな』


「・・・・・私達の事を言っているんですね」


「悪魔ではないけどドラゴンに転生した俺達の事だろうな」


「悪魔じゃなくて良かったー!」


『さて、そろそろゲームの内容を説明に入ろうか。ルールはチェスと大体同じで違いは駒が

人間であることだけ。俺の家族にも「レーティングゲーム」に参加している悪魔がいる』


一誠が手招きすると十数人の男女が映像に現れてきた。既に何人か接した冬馬達は驚く


「あっ、あの時の人達だ」


「というか、あの人達が悪魔!?信じられない!私達と同じ姿をしている人間だよ!」


『・・・・・信じられない奴もいるだろうか証拠を見せよう』


映像に映る十数人の男女の背中から―――蝙蝠のような翼を出した


『どうだ、こいつらが悪魔だという証拠だ』


「ベルゼブブという女性だけではなかったんですね・・・・・」


『更に言えば俺の家族は悪魔と魔王、神と天使、妖怪に英雄の子孫や末裔、英雄の意志

―――魂を受け継ぐ者もいる。そして―――俺と同じ強い人間がいればドラゴンもいる』


『はぁーい!貂蝉ちゃんですよー!』


『がっはっは!皆の巫女、卑弥呼じゃ!』


「のああああああああああああああああああああああああ!?」


「あ、あああ・・・・・」


「いやああああああああああああああああああ!?」


「おおー、またあの人達だー」


ドッガアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアンッ!


一誠の姿を映らないほど出てきた貂蝉と卑弥呼がメイドの蹴りで映像から消えた


『・・・・・すまない。汚い物を見せた』


「し、心臓が止まるかと思ったぞ・・・・・」


「ほ、本当です・・・・・」


「ううう・・・・・っ。怖かったよー」


「よしよし、もうあの人達はいないよー」


『まあ、あんな奴等でも良い奴等だ。少しキャラが濃いだけで―――』


「少しじゃない!かなり濃いですよ!?」


『突っ込まれているかもしれないが流して話を戻すぞ。「レーティングゲーム」はチェスの特性を

取り入れ駒の代わりに自ら戦場に立って相手の駒と戦うと説明したな?「レーティングゲーム」の場合、

「兵士」の駒は相手の重要な場所、つまりは本陣に辿りつけば「王」以外の「女王」「戦車」

「僧侶」「騎士」の駒に「プロモーション」できる。だが、この特性は「兵士」の駒のみのものだ』


「チェスと変わらないですね」


「他の駒の特性は何だろうな」


『「戦車」の駒の特性は防御力と攻撃力重視。攻撃力が上がると同時に防御力が上がる駒。「騎士」の駒の

特性はスピード、つまりは速さを重視した駒だ。足の速い奴は更に速く成るだろうな、

風のように素早くにな』


「風間だったら間違いなく選びそうだ」


「どうでしょう、『王』の駒を選ぶ可能性もありますよ」


『「僧侶」は魔法、魔術に関する能力を上げる特製の駒なんだが・・・・・、この世界はそういった

源となる魔力を持っている人間がいない』


「まあ、その通りですね」


「マジシャンとかいるけどあれはどうなの?」


「仕掛けがあるからできる事ですよ。あれは」


『まあ、「僧侶」の駒は「魔法」が使える特性に構築しよう。良かったな、魔法使いとか

魔法少女になれるぞ。「僧侶」の駒を選んだら』


「そう言う人にとっては夢が叶いますね―――少しの間ですけれど」


『そして「女王」の駒の特性は「兵士」と「騎士」と「僧侶」と「戦車」、全ての力を兼ね備える駒だ』


「最強の駒と言えるでしょうね」


「あの駒を選んだモモ先輩は鬼に金棒だぜ?絶対に負ける」


『最後に残った「王」の駒の特性は―――特にない』


「ないのかよ!?」


『まあ、「王」はその眷属―――チームの象徴になれると思えばいいさ』


「そうと思うしかありませんね」


『チェスは「王」、「女王」、「戦車」、「僧侶」、「騎士」、「兵士」の6種類の駒、計16の駒で

相手と戦う。しかし、「レーティングゲーム」は人間が戦場に戦う。つまりは1つのチームに16人まで参加

できる訳だ。因みに参加しても悪魔に転生しないようにプログラムを施してあるから気兼ねなく

参加できるぞ』


「16人・・・・・」


「慎重に考えてチームを作らないといけないねぇー」


『そして、このゲームに参加して優勝したチームには―――。優勝チーム一人につき賞金一兆円の

授与をしよう』


「いっ、一兆円!?・・・・・はぁ」


「あっ、気絶しちゃった」


「・・・・・一誠さん、スケールがデカ過ぎだろ」


「優勝したその瞬間に億万長者以上になれますね」


『と、言いたいところだが賞金だけではKOS大会と同じでつまらないから賞金の他にもこちらで用意した』


二人のメイドが一誠の傍に様々なものが置いてある台車を持って来た


『用意した物は「若返りの薬」俺の翼の羽で作った「布団一式」と』


『ご主人様のお世話をする僕達が待っているニャー!』


『ニャー!』


「あっ!アイルーだ!」


「・・・・・久しぶりに見たなぁ」


「あれは賞金と賞品より欲しいですね」


冬馬達は一誠が用意した数々の商品を耳に傾けながらテレビを見続ける


『と、これらが俺達から用意した商品なんだが・・・・・最後に二つだけまだ賞品がある』


「何だろうねー?」


「そうですね」


『1つ、優勝したチームには「幽幻龍騎士団」と勝負する権利』


「モモ先輩が張り切る権利だな」


『2つ、俺達「幽幻龍騎士団」が優勝したチームに3つだけ願いを叶えさせる事。叶えられない

願い事をしてきたら拒否してその時点でその1つの願いを帳消しだから慎重に考えて願いを言う事だな』


「・・・・・えっ」


『おっと、参加人数の他にまだ言っていなかったルールがあったな。KOS大会のように戦闘ではルールが

無いルールだ。重火器の使用は勿論、真剣の武器、兵器、何でも使っても良い。ただ、このゲームを参加して

仮に死んだら自己責任。俺達は、責任を取るつもりはないからそのつもりで、

―――生命保険に入る事を勧めるぞ?』


「「「・・・・・」」」


『ゲームは予選、本選と分けて戦ってもらう。トーナメント式で16チームまで参加チームを予選で絞らせて

もらう。エントリーしたい者は世界各国の全ての駅に用意する。チーム名と参加者の名前、そのチームの

メンバーが成る駒とは別に同意書を同時に記せ。それで正式に「レーティングゲーム」の参加を得る』


一誠は短く息を吐き一拍する


『最後にこれは個人的な事だから聞き流してくれ。―――冬馬、準、ユキ、ユミ、燕、百代、揚羽、辰、

由紀江、伊予、皆。この一ヶ月間、お前達は俺がいなくなった後の学校生活にどんな気持を抱いて

過ごしているのか理解しているつもりだ。泣いただろう、力が無い事に悔やんだろう、

寂しい思いをしただろう・・・・・本当にすまなかった。俺はその事に心から申し訳が無いと思っている』


「「一誠さん・・・・・」」


「イッセー・・・・・」


『今度会うときは「レーティングゲーム」の本選だ』


「「「―――っ」」」


『さあ!この大会に参加し優勝すれば名声、富は勿論。そのチームの参加者の名が全世界に広がり誰も

知らない程の存在になるのは間違いない!死ぬ覚悟がある者達よ!死を恐れない者達よ!または、

己の欲望の為に参加する者達よ!己の誇りと威厳を賭けて参加する者達よ!己の夢の為に参加する者達よ!

―――参加せよ!周りの敵を吹っ飛ばせ!薙ぎ払え!踏みつぶせ!そして―――勝ち上がれ!それが

「レーティングゲーム」でもある!』


一誠の言葉に冬馬達は一言一句も聞き逃さなかった


『なお、俺の家族も参加させよう。悪魔と魔王、神と天使、妖怪に英雄の子孫と末裔と戦う又ともない

機会をお前達に与える。俺の家族と戦い己の力を知り向き合うがいいさ。―――以上だ』


ブツンッ!


テレビの映像が音を立てて消えた。何気なく準がリモコンを操作させるとニュースが放送されていた。

『レーティングゲーム』の事について


「・・・・・ユキ、準」


「・・・・・ああ」


「うん・・・・・」


「「「レーティングゲームを参加しよう!」」」


『『((皆!))』』


『(おい!)』


『(お前達)』


『(み、皆さん!)』


『(皆〜)』


冬馬達がレーティングゲームに参加すると決めた瞬間、三人の頭の中に声が聞こえた。―――松永燕、

矢場弓子、川神百代、九鬼揚羽、黛由紀江、板垣辰子の声であった


『(私達も参加するよ!レーティングゲームに!)』


『(うむ!リベンジのチャンスが来たのだからな!)』


『(ああ、今度は負けないぞ!)』


『(一誠君を取り戻すんだぁー!)』


『(はい!頑張りましょう!)』


『(この最大の機会を逃す訳が無いで候!)』


「「「・・・・・」」」


冬馬達は燕達の声を聞いて笑う。―――彼を想う気持ちは自分達だけでは無いと改めて知ったからだ。


「(ええ、私達も今そう思っていましたよ)」


「(一緒にイッセーを取り戻すんだ!)」


「(今度は全員で一誠さんを迎えに行こう!)」


『(相手は無敵、我等は弱者)』


『(でも、一誠さんを想う気持ちは無限大!)』


『(想う心を忘れられなければ勝てない敵はいません!)』


『(その通りだぁー!)』


「(では、このメンバーでチームという事で良いですね?)」


『(・・・・・やっ、もうちょっと待ってみようよ。チーム名を付けてさ)』


『(ん?どうしてだ、私達だけでいいだろう)』


『(んー、私自身もそう思うんだけど・・・・・なんか、とてつもなく心強いメンバーが現れる

予感がするんだよね)』


「(それってイッセーのような勘?)」


『(うん、そうだよん)』


「(・・・・・なるほど、私達がチームでも9名では相手16人と戦うのは少しきついですね。

予選もどんな方法で16チームにするのか考えもつきませんから)」


『(いきなり一誠の家族とぶつかったらそれでこそ私達は本当の意味で一誠と二度と会えなくなる)』


『(それは絶対にいやぁああああああああああああ!)』


『(辰さん!仮の話ですからキレないで!)』


「(燕先輩の言う通りに名前だけを決めて起きましょう)」


『(だな、ふざけた名前だったら私が考えた名前にするぞ。また決めていないけどな)』


「(じゃあ、僕が思いついた名前を言っても良いかなぁー?)」


『(言ってみろ)』


「(川神・F・ドラゴンズ!)」


『(えっと、それはどういう意味なのかな?)』


「(学校と一誠が働いていた時の名前と僕達がドラゴンだから!)」


『(全てイッセー先輩が絡んでいますね)』


『(ああ、これ以上ないほどにな)』


『(ふふ、面白い名だ。我は構わないぞ、何より一誠が絡んでいる名に我等と一誠が共に戦うようで

良いではないか)』


『(私も賛成で候)』


『(私も!文句なんて無いよ!)』


「(では、私達のチーム名は川神・F・ドラゴンズでよろしいですね?)」


冬馬の問いに誰も反論はしなかった


『(仮に参加したいって誰かに言われたらどうする?)』


「(私達の行動理由は一誠さんの為です。私達と共感する人以外は入れる気はないですよ)」


『(あ、あの!イヨちゃんも入れてはくれませんでしょうか!イヨちゃんも参加をしたいと思いますし!)』


「(彼女ですか・・・・・。他に誰かいますか?)」


『(小島梅子先生を入れたいで候)』


『(あっ、私も賛成!何より鞭の攻撃が凄いからね!)』


「(・・・・・)」


「(トーマ、どうするー?)」


「(百代先輩、揚羽さん、燕先輩は近・中・遠距離の攻撃が可能な万能型。私はどちらかというと弓矢で

戦う弓子先輩と同じ遠距離で、ユキと準は近距離でしょう。黛さんもまた刀で戦う近距離タイプ。空いている

中距離に小島先生を入れて私達のサポートとなってくれると良いかもしれません。しかし、

大和田さんは戦う事ができませんからかなり厳しい・・・・・)」


『(葵先輩!)』


「(この声は・・・・・大和田さん?)」


『(私も仲間に入れて下さい!戦う事ができませんけど私も皆さんと一緒に戦いたいです!

イッセー先輩の為に!)』


『(イヨちゃん・・・・・)』


『(お願いします!)』


新たな声、大和田伊予が冬馬に懇願するような声音を発する。すると、準は冬馬に口を開いた


「若、俺達の行動理由は一誠さんが主なんだろ?いいじゃないか、入れてやっても」


「うん!僕もそう思う!」


「・・・・・そうですね、彼女もまた一誠さんに好意を抱いていますしね」


「(大和田、一緒に一誠さんを迎えに行こうぜ)」


「(僕達は仲間ー!)」


『(・・・・・はい!よろしくお願いします!)』


川神・F・ドラゴンズ。十人目の参加メンバーが増えた瞬間だった。


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真剣で私に恋しなさい! Original Sound Track ~真剣演舞~
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