小説『真剣でD×Dに恋しなさい!『完結』』
作者:ダーク・シリウス()

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「あの歌以来から全然なほどに魔物が出なくなったねー」


「それはそれで好都合で候」


「それにしても他の参加者とは会わないね」


「先に頂上に進んでいるか魔物に倒されているかの二つですね」


「どうせなら我等が一番に頂上に着くのも良いではないか?」


「あれから数十分は経過しています。既に何チームか辿りついていると思いますよ」


「むぅ、それもそうだな」


「・・・・・おっ」


「モモ先輩?」


「お前等、迷宮に入って初めてのチーム戦だ。ここに来てやっと気を感じた」


「ということは、相手チームがいるってことですね?」


「あの通路の先にな」


「―――じゃあ、先陣は由紀江さん、百代先輩、揚羽さん。お願いします」


「はい!」


「ああ」


「うむ」


前に元、四天王二人と時期四天王が先に進み通路の先の空間にゆっくりと音を出さないように出ると。


「くそっ!完全に迷っちまった!」


「ゲイツ!頂上に行く為の地図は完成できましたか?」


「もうちょっと情報が必要そうだよ兄さん。ここの迷宮は天地をひっくり変えて進んだり扉の先が元にいた

場所に戻ったりと滅茶苦茶だからね」


「「・・・・・」」


全米格闘王者のカラカル兄弟が率いるフリーダム・アメリカンが逆さまの状態で当惑していた


「・・・・・カラカル兄弟とワンとツーがいるチームか。ダメだ、弱くて話に成らん」


「・・・・・あっ、良いこと思いついた」


「どうしましたか、ユキ?」


「パソコンを持っている人に協力してもらうのはどうかなー?先生の地図と合わせてさ」


「・・・・・それは危険ではないでしょうか?」


「分からない時は人に聞く!」


「・・・・・確かに私達も迷宮に迷ってはいますが・・・・・」


「おーい!」


「って、声をかけちゃったし!」


「まあ、攻撃して来たらその時点で戦闘開始という事で」


「異論はない」


「むっ・・・・・!?あそこにいるのは川神百代ではないですか!」


「兄さん!いま、彼女等と戦うのは120%危険だよ!」


「では、避けるというのですか?」


「・・・・・何故か1%の確率が出たよ。きっと避けたら残りの99%は死ぬ確率なんだろうね・・・・・」


「僕達、この迷路の地図を作っているんだけどー!そっちの地図と合わせて一緒にゴールしないー?」


「・・・・・兄さん、彼女の言葉に200%の確率が出たよ。事実、僕も賛成だけどね」


「ゲイツがそういうのなら、きっとそうなのでしょうね」


「それじゃあ、僕達は彼女達と組むという事で良いですねぇー?」


「まあ、元とはいえ武神がいる。彼女達と共に進めばゴールも近づけるか」


「でーは、賛成という事で良いですね?」


「「・・・・・」」


「OKですよー!すぐ、そちらに向かいます!攻撃をしてこないでくださいねー!」


「ありがとうー!」


「・・・・・すんなり話が進めましたね」


「―――なるほど、この予選の大体の趣向が解ってきたぞ」


「他のチームと組んでゴールをしてはいけないとあのメイドは言っていないで候」


「そして、相手から地図を奪う事も有りなわけだな?」


「運が良かったですね。天才的な頭脳を持つカラカル・ゲイツと出会えた事が」


通路の向こうからカラカル兄弟達が近づいてくるのを視界に入れながら冬馬は漏らした


「でーは、そちらの地図を見せて下さい。すぐに私達の地図を合わせますので」



―――エンペラーズ



ドサッ!


「撃退」


一方、九鬼英雄達は相手チームと遭遇、瞬殺をしていた。


「ようやく他のチームと出会ったな」


「既にボロボロであったがな」


「それにしても地理が滅茶苦茶だ、義経達は一体何処にいるのだ?」


「歩きっぱなしで疲れた・・・・・」


「・・・・・ふむ?」


ココ押してはならぬ⇒◎


「・・・・・」


―――カチッ!ココ押してはならぬ⇒○


・・・・・ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴッ・・・・・!


「むっ!この地響きは一体・・・・・!?」


「クラウディオ」


「・・・・・はい、何でしょうか」


「お前、何か押したな?」


「・・・・・」


ヒュームから少し顔を背け冷汗を流すクラウディオ。


『罠の起動を確認しました。これより罠が作動します』


何処からかリーラの声が聞こえた。―――刹那


ガゴンッ!ガゴンッ!ゴンッ!ドゴンッ!


迷宮が分離して違う形に変化していった


「こ、これは―――!」



―――風間ファミリー


「あら、卑弥呼。罠が作動しているわよ?」


「むっ、意外と早かったのう」


「「「「「「「「「「・・・・・」」」」」」」」」」


瀕死の状態の風間ファミリー


「残念ねぇー、罠が作動したら私達は行かなくちゃいけないわ〜ん」


「ちょっと待ってぇ!お前達のご褒美とやらは貰っていないぞぅ!」


「すまんのう、ワシらは忙しい身で次のステージに行かなくてはならぬ」


「次のステージ?」


「現在生き残っているチームは87チーム。まだまだ16チームに絞るのは時間が掛かるの」


「よって、罠が作動するとこの迷宮は次のステージへと変化する」


「な、何ですって!?」


「次のステージはさらに過酷な戦いに成るでしょうね」


貂蝉と卑弥呼の身体が光輝く。足下に魔方陣が展開していた


「そうそう、ご褒美をあげるわん♪」


貂蝉がビキニに手を突っ込んで何かを取り出してガクトに渡した


「うげっ!そんなところから出した物を俺様に渡すなぁー!?」


「ぐふふ、私の大切なお守りを本選まで大事に持っていてね?役に立つと思うわぁん」


「では、さらばじゃ!」


魔方陣の光が弾けたと同時に二人の姿がいなかった


「・・・・・これ、どうすればいいんだよ」


「島津、お前が持っておるがいい。学長命令じゃ」


「職権乱用だな!このクソジジイー!」


心からの叫びと思わせるほどのガクトの声が変化していく宮殿に響いた



―――川神・F・ドラゴンズ&フリーダム・アメリカン


ガッゴオオオオオオオオン・・・・・ッ


「・・・・・収まったみたいだね」


「皆、大丈夫か?」


「危うく下敷きに成るところでした」


「何なんだ?いきなり床や壁が分離して形が変わったぞ」


「仕掛けではないようですね、・・・・・罠?」


「ふぁ〜・・・・・」


「辰さん、緊張感が無さ過ぎ」


「あはは、ごめんねぇ?眠くてさぁー」


「しかし、これでは今まで調べた地図の意味が無くなってしまったな」


「予想不可能ですねぇー、外から迷宮を見る事ができれば良いんですが」


「でも、頂上がゴールなのは変わっていませんよね?」


「多分その通りでしょう。ジャパニーズガール」


「あっ、あれ?あそこに扉があるよ。さっきまでなかったのに」


「本当だねー」


「さっきの変化の際に扉が来たのでしょう。―――開けてみますか?」


「じゃあ、私が開けるよー」


「良いんですか?」


「うん、特に何もしていないしね」


辰が自ら扉を開けに行った。扉を開け放つと風が入りこんできた


「風・・・・・?」


「わぁー、海が見えるよー?」


「海・・・・・だと?」


辰の言葉に百代達は扉へ近寄った。―――そして、百代達の視界に青い大海原が映った


「本当だ、海が見えるぞ」


「しかも、此処から出られるみたいだよ。道がある」


「ほう、それは好都合ですねー」


「中より外の方が私は進みやすいと思いますよー?」


「うむ。では、警戒しながら外から頂上に進むぞ」


川神・F・ドラゴンズとフリーダム・アメリカンチームは外に出た。外の道もまた、天地ひっくり変えて

道が続いていた。


「ふむ、中で仕掛けか罠が作動した所為なのか、最初の頃の形状が変わっていますねー」


「まるでダイヤみたいになっているねー」


「ですがぁー、これで内部の構造も解りやすくなったという訳です」


「だな、この道は頂上に続いている訳でもなさそうだ」


「あそこが頂上・・・・・」


二チームの視線の先に形が変わったバンデモニウム・ラビリンスの上空にある巨大な建造物が存在していた


「ねえ、此処から飛んで行っちゃダメだよねー?」


「モモ先輩なことをしたら今度こそあの二人が来るから止めなさい!」


「この道はあそこにある扉に向かっているようだ、どうする?」


梅子が指す指の先にはバンデモニウム・ラビリンスの壁にある扉。


「ウメ先生、決まっているで候」


「はい、先に進まないとゴールができません!」


「ふっ、そうだったな。では―――」


「―――いたぞ!」


梅子が口を開いた瞬間、二チームがいる道の離れた場所に他のチームが姿を現わした


「むっ、外に出られたな」


「ここは・・・・・」


更に遠くで他のチームが続々と別々の道に歩いて来ながら現れた


「・・・・・急いだほうが良さそうですね」


「ああ、―――こうやってな!」


百代が他のチームに気のエネルギー波を放った。他のチームはなすすべもなく攻撃に当って吹っ飛ばされ海へ

真っ逆さまに落ちていく


『おわあああああああああああああああああああっ!?』


『ご愁傷様』


落ちていくチームに十字を切った。


「さーて、残りの奴等も落とすとするかなぁー?」


不敵の笑みを浮かべて手のひらに気を集束している百代は―――


ドッゴオオオオオォォォォォォォンッ!ドッガアアアアアアアアアアアンッ!


外にいる他のチーム達を次々と落としていった


―――エンペラーズ


「クラウディオめ・・・・・」


罠が作動し、エンペラーズのメンバーヒュームが他のメンバーと離れ離れとなった


「紋様達の所にお戻りになった際にお前を叱ってやらねばならぬな」


広大な迷路の中、一人で彷徨う事になってしまったヒューム。


ズ・・・・・ン、ズ・・・・・ン


「・・・・・」


背後に重い足音が聞こえる。だが、ヒュームは気にせず紋白達のところへ向かう。―――刹那


ゴアアアアアアアアアアアアアッ!


五メートルはある巨大な魔物が咆哮を上げながら拳をヒュームに振り下ろした。


「その程度か」


―――ズンッ!


が、巨大な拳をかわし、斬撃の籠もった一閃で魔物の首を蹴る。その一撃により魔物は絶命した。


「・・・・・兵藤め、もっとマシな魔物を用意するのだな。成るべく紋様に被害が

合わないようなレベルでだ」


『矛盾しているぞ、ヒューム』


「・・・・・高みの見物はどんな気分だ?」


『つまらないな。俺も参加したいくらいだ』


突如、迷宮に一誠の声が響く


『因みに紋白達がいる場所は目の前の通路を1キロ進んで横に3キロ進み左に2キロ進んだ場所にいる』


「主催者が贔屓をしてもいいのか?」


『贔屓?何の事だ、俺はただお前と話しているだけだ』


「―――ふっ、確かにいまはお前と話しているな」


『まっ、魔物に関しては我慢しろ。お前と鉄心、百代クラスの魔物を出したら他のチームが簡単に

負けるからな。これも紋白の為でもあるぞ?』


「ふん、なら仕方が無いな」


『―――まあ、本選まで頑張れ。じゃあな』


それだけ言うと一誠の声が途絶えた。


―――風間ファミリー


「あー、全然どこに行けばいいのか解らないぞぅ?」


「もう、歩くのが飽きてきたわぁー」


「何処に進んでも似たような構造物ばかり・・・・・本当に頂上なんてあるものなのか?」


「魔物も出なくなくなったね。安心だけど」


「・・・・・む」


「マルさん?」


「甘い匂いがします」


「甘い?この迷宮にでか?」


「ええ、どうします?」


「確認しに行こう。虎穴に入らずんば虎子を得ずと言うからな」


「なんか、危険な予感しかしないわ」


「それでも行かないといけない冒険もある!」


「キャップ、これは冒険じゃないからね?」


「分かっているって!それじゃあ、その甘い臭いがする所に行くぞぉ!」


風間ファミリーは甘い匂いがする場所へとマルギッテの案内の許に赴く。しばらくして

とある扉の前に辿り着いた


「此処から甘い匂いがしますね」


「では、ワシが開けてみようかのう」


鉄心がそう言いながら扉に近づき開け放った。


カッ!


一瞬の閃光が風間ファミリーを包み込む。閃光が止むと風間ファミリーの視界には―――


「・・・・・何でこんな場所に大量のケーキがあるんだ?」


様々な種類のケーキが大量にテーブルの上に置かれていた。


「わっ!美味しそう!」


「うむ、美味しそうなケーキが一杯だな!」


「おいおい、ゲーム中なのにケーキがあるなんて可笑し過ぎるだろうが」


「うん、そうだね。これって罠かもしれないよ?」


「お父様!食べてもいいですか!?」


「中将、私も罠だと思います。余りにも不自然過ぎます」


「うむ、私もそう思うな。クリス、食べてはダメだ」


「お父様・・・・・」


「・・・・・一つだけだぞ」


「中将!?」


「っ!ありがとうございます!」


「甘いものを食べて気合を入れるわ!」


一子とクリスは置かれている大量のケーキを美味しそうに食べ始めた


「・・・・・総代」


「うむ。確実に何か仕掛けておるぞ」


「ワン子、食べても平気なのかよ?」


「うん!寧ろ美味しくていくらでも食べれるわ!」


「そうなのか!?俺も食べるぞ!」


「大和、どうする?」


「様子見だな・・・・・」


ケーキを食べる者、警戒する者とチームは別れた。―――次の瞬間


ビーッ!ビーッ!ビーッ!


突然、どこからか警報が鳴りだした。すると―――


「「「か、辛あああああああああああああああああああっ!?」」」


ケーキを食べていたクリス、一子。キャップが口から火を噴いた。


「えっ?いきなりどうしたの!?」


「なんか、辛そうな表情をしているな」


「・・・・・あれ、このケーキ、甘くないよ?寧ろ私好みの辛さだよ」


「―――えっ」


「ど、どうなっているの?」


「ぐおおおおおおおおおおっ!水!水をくれええええええええええええ!?」


「ひいいいいいいいいっ!辛いよぉおおおおおおおおおおお!」


「お父様!マルさん!助けて下さい!お願いします!」


「・・・・・中将」


「・・・・・すまない。私の判断で娘が辛い思いをさせる事に成るなんて・・・・・自分が許せない」


風間ファミリーの一部が阿鼻叫喚となった。―――刹那


『罠が作動しました。欲望に負けた選手はゴールするまでその辛さと苦しみを味わい続けます』


「「「そっ、そんな!?」」」


『自業自得です』


冷やかなアナウンスの声に絶望する3人に対し―――。


「うん、美味しいね。確かにいくらでも食べれちゃうよ」


美味しそうに激辛のケーキを食べる京だった


『・・・・・有り得ません』


―――川神・F・ドラゴンズ&フリーダム・アメリカン


「さーて、ようやく扉に辿り着いたな」


2チームの前には少し大きな扉の前に佇んでいた


「大きい扉だね?」


「ねえねえ、何か書いてあるよ?」


「うん?どれだ」


「これー」


『この先は立ち入り禁止よ〜ん、貂蝉ちゃんより!』


「・・・・・どうする?」


「もの凄く、嫌な予感がしてきたぞ」


「貂蝉って・・・・・」


「入ったら俺達はどうなる?」


「歌を聞かされる・・・・・?」


「HEYどうしましたー?なぜ入らないのですかー?」


「いや、ゲイルさん達って貂蝉と卑弥呼を御存じじゃないんですか?」


「いえ、知っていますよー?とてもユニークな歌声をする人達ですねー」


「「「「「「「「「「「・・・・・HAI?」」」」」」」」」」」


「僕達、彼等の歌声を聞いて大ファンになったんだよ。アメリカじゃあ彼等は有名だよー?」


「HEY!迷宮であの歌声を聞いた瞬間は至福の時でしたー!」


フリーダム・アメリカンのチーム全員が頷いた。あのワンとツーまでもが頷くほどだった


「・・・・・私達が可笑しいの?それともアメリカ人が可笑しいの?」


「・・・・・何か心に通じる者がアメリカ人に伝わったのでしょうね」


「・・・・・しょうがない、歌を聞く覚悟を決めて入るぞ」


準がそう言って扉に触れて―――開け放った。


「「いらっしゃ〜い!」」


「「「「「「「「「「「NOOOOOOOOOOOOOOOっ!?」」」」」」」」」」」


扉の先は貂蝉と卑弥呼が待ち構えていた。その二人の登場に川神・F・ドラゴンズの

一部以外は絶望の声音を上げた


「ぐっふっふっ!もう、乙女の部屋に上がり込むなんて失礼な子達だわ〜」


「だが同時に―――お主等はゴールに辿り着いた!おめでとう!」


「「「「「「「「「「「・・・・・えっ?」」」」」」」」」」」


卑弥呼の言葉に川神・F・ドラゴンズは唖然とした。ココがゴール?この二人の部屋が?


「もう卑弥呼、ゴールはあの扉の先の事よ?ここはまだ通過点、間違ったらダメじゃない」


「むっ、そうだった。すまん、間違いじゃ」


「えっと、此処はゴールではないのですね?」


「ええ、ごめんなさい。まだゴールじゃないわ〜ん」


「そ、そうですか。では、私達は先に進みます」


「と、そうさせたいのだけれど、ダメよ」


「・・・・・何故ですか?」


「勿論―――私達の歌を聞いてから通ってもらうわん!」


その言葉と同時に扉が閉まった。―――刹那


「「「「「「「「「「「わああああああああああああああああああああっ!」」」」」」」」」」」


悲鳴と歓喜、2種類の声が扉の向こうから聞こえた

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真剣で私に恋しなさい!! 大判マウスパッド
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