小説『真剣でD×Dに恋しなさい!『完結』』
作者:ダーク・シリウス()

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『さあ!一回戦第13試合に出る両チームがステージに集結した!デビルチームと川神・F・ドラゴンズだ!』


『お互い、悔いのない試合をするんだな』


『では、バトルフィールドに移動してください!』


二つの魔法陣が二つのチームの前に現れた。デビルチームは悠然とした態度で移動用魔方陣の上に

移動して消えていく


「・・・・・一誠さん」


『・・・・・』


「私達は・・・・・負けないからね」


『それは俺の家族、デビルチームに打ち勝ち、決勝に進んで勝利して優勝してから言うんだ』


「うん、勿論だよ!」


「待っていろよ!一誠、私達は絶対に優勝するからな!」


「首を洗って待っているがいい!」


「イッセー!僕達は負けないんだからね!」


川神・F・ドラゴンズも移動用魔方陣の上に乗るとバトルフィールドへ向かって消えていった


『何やら想いの籠もった発言でしたな』


『あいつらも優勝を目指すチームだ』


『・・・・・ふふ、そう言う事にしておきましょう』


『・・・・・ふん』


―――川神・F・ドラゴンズ


「・・・・・ここは」


「紫色の空が見えますね」


「周りは建物があるな。何処かの都市か?」


「紫色の空がある場所なんて存在しませんよ?」


『デビルチームと川神・F・ドラゴンズのバトルフィールドは紫の空と異様な場所だ!』


『・・・・・懐かしい。あいつらのバトルフィールドは「冥界」だ。―――俺達が元々いた世界の異世界に

住んでいる堕天使と悪魔が住む世界だ』


「・・・・・ここが冥界。悪魔と堕天使が住んでいる世界・・・・・」


「町の構造は似ていますね。建物はコンクリートや木造で作られている物があります」


『兵藤一誠さん、冥界に行った事はあるんですか?』


『あるぞ。・・・・・だが、俺は冥界だけはあまり行きたくない世界だったな』


『おや、それはどうしてですかな?』


『・・・・・俺は冥界に呪われていると思うほど運が全くないんだ。赤ん坊の頃なんて両親が俺の誕生を

知らせる為に両親の友達が住んでいる冥界に連れて来られたんだけど、その度に様々な魔物に食べられそうに

なった事もあれば連れ去られそうになった。いや、実際に昔の映像を見せてくれた物では海の魔物である

リヴァイアサンに食べられた事があったな』


『・・・・・』


『仕舞いには二度も死んだんだ。冥界でな・・・・・』


『な、なんと・・・・・・』


『これがあまり冥界に行きたくない理由だ』


「い、一誠さん・・・・・なんか、可哀想に思ってきたよ・・・・・」


「というか、二度も死んだってマジかよ?」


「それで運が無いって片づけられますかね・・・・・」


「不運にも程があるぞ・・・・・」


『そ、それでは!試合に参りましょう!1回戦、第13試合の開始です!』


『はあ・・・・・憂鬱だ』


「一誠さん!元気出してください!」


「燕、此処からじゃあ聞こえないぞ。気持ちは解るけど・・・・・」


「うむ、我も同じだ」


「・・・・・さて、このフィールドは向こうが有利です。なにより悪魔ですから」


「悪魔の住んでいる世界だからな。俺達は全然知らない世界で地域、場所だ」


「百代ちゃん、気で相手と居場所を感じる?」


「感じる事は感じる。だが、一人だけ私でも感じない奴がいるな。・・・・・誰だ?」


「とにかく動かないか?じっとしていても仕方ない」


「僕もそう思うよー」


小島梅子とユキの言葉に川神・F・ドラゴンズは不慣れな都市の中を歩き始める。初めて冥界の都市を見る

川神・F・ドラゴンズはキョロキョロと周囲を見ながら歩く。


「ほう、色々なものがあるな」


「喫茶店にレストラン、ビルのような建物が遠くからでも見れますね」


「おっ、子供向けのおもちゃ屋まであるぞ?・・・・・えっと、おっぱいドラゴンとスイッチ姫?

これが冥界じゃあ人気の商品か?」


そんな最中、準が一角にある店に近づくと燕達も気になったのかおもちゃ屋らしき店に近づいた


「というより、この赤い鎧は何処となく一誠さんが一度だけ纏った鎧にそっくりだよ?」


「これ見てください。等身大までありますよ?『レーティングゲームランキング一位、

グレモリー眷属大集合!』」


「レーティングゲームランキング一位?グレモリー眷属?」


「そう言えば、この小さな子があの時の決闘で『グレモリー眷属』だって言っていたね?」


「この赤い髪の少女がグレモリー・・・・・」


「リアス・グレモリーって書いてあるよー?」


「こいつが『王』って事か、ん?サーゼクスって男の名前もグレモリーだったよな?」


「はい、妹さんがいるとおっしゃっていました」


「では、この少女がサーゼクス殿の妹、リアス・グレモリーと言う訳か」


「・・・・・そう言う事です」


―――刹那


ドゴオオオオオオオオオオオオオオオォォォォンッ!


『―――っ!?』


準が何者かに殴られ反対側の店に吹っ飛ばされた。


「準!?」


「・・・・・」


一つの等身大がゆっくりと動き出した。その様子を百代は苦虫を噛み潰したような表情を浮かべた


「そうか・・・・・お前だったのか、私の探知でも感じない『一人』は」


「・・・・・幽幻龍騎士団兼グレモリー眷属の『戦車』搭城小猫です。デビルーズとして『兵士』ですが」


不意に白い猫耳と二つの尻尾が小猫という白い髪の少女の体から出てきた


「・・・・・猫?」


「・・・・・正確には猫の妖怪、猫又です」


「可愛いですね・・・・・」


「・・・・・流石はイッセー先輩の友達ですね」


「なに?」


「・・・・・さっきの『一撃』を喰らっても倒れていませんから」


「準!準!」


「あー・・・・・まさか、いきなり殴られるとは思わなかったぜ」


小猫に吹っ飛ばされた準が店の中からゆっくりと出てきた


「準、大丈夫ですか?」


「なんとかな・・・・・しっかし、小さい女の子の上に猫の妖怪だったとは・・・・・」


澄んだ瞳で小猫を愛おしそうに見つめると嫌そうな表情を浮かべた小猫。


「・・・・・なんか、成神先輩に似た視線を感じてキモイです」


「成神?」


「・・・・・この人の事です」


指をリアス・グレモリーの隣に置いてある一人の男の等身大に指した


「・・・・・成神一成。赤龍帝と呼ばれ、二天龍の一匹の魂を宿しているおっぱいドラゴンです」


「二天龍・・・・・辰と戦っていたヴァーリも二天龍の魂を宿しているっと言っていたが・・・・・」


「・・・・・はい、白龍皇ヴァーリもまた二天龍の『赤い龍』、赤い龍帝のドライグと同じ存在である

二天龍の『白い龍』アルビオンというドラゴンの魂を宿した存在です。成神先輩とヴァーリはライバル

同士です。・・・・・負けましたけど」


「ヴァーリが勝ったんだな?」


「・・・・・その通りです」


「ねぇねぇ、おっぱいドラゴンってなに?」


「・・・・・女の人の胸が大好物なドラゴンで悪魔だからです。直ぐに女の人の胸に反応してしまう変態な

悪魔でドラゴン。でも、そんなおっぱいドラゴンが子供達に人気なのでおっぱいドラゴンのおもちゃを

発売すると大ブレイクでした」


「では、スイッチ姫とは何だ?」


「・・・・・私達の『王』であるリアス・グレモリーの乳首を押して赤龍帝の力を覚醒させたので

『スイッチ姫』と呼ばれるようになったんです」


「・・・・・色んな人がいるんですね。悪魔って・・・・・」


「私が思っていた悪魔の印象が今の言葉で変わっちゃったよ・・・・・」


「・・・・・ついでに言うと女の人の服を弾き飛ばして全裸にする技や女の人の胸を聞いて

胸の内の心を読む破廉恥な技があります」


「ユキ、もしその人に会う事があれば絶対に近づいてはいけませんし戦ってもいけません」


「ああ、絶対ダメだぞ」


「うん、分かったよ」


「強いんなら戦いたいけど、そんな技を持つ男と戦うのは・・・・・」


「我も避けたい相手だな」


「ふ、服を弾き飛ばす・・・・・」


「へ、変態・・・・・」


「教育的指導が必要な男だな」


「まさかだけど、一誠さんもその人と同じ技は無いよね?」


「・・・・・イッセー先輩が赤龍帝と同じ変態だと思いますか?」


『思わない』


「・・・・・大丈夫です。イッセー先輩も嫌っている技なので持っていません。寧ろ、

封印しろと言うぐらいですから」


『良かった・・・・・』


「・・・・・では、そろそろ戦いましょうか」


―――ザッパアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアッ!



小猫がそう言った瞬間、川神・F・ドラゴンズの目の前に膨大なオーラの大波が突然に現れて

建物ごと飲み込んだ


「・・・・・いきなりですか?」


「―――ああ、さっきから待っていたぞ」


「・・・・・もう少し彼の事を教えても良かったんですがね」


不意に小猫の目の前に緑のメッシュがある青髪の少女が何もない空間から出てきた。さらに建物の屋根から

銀髪の女性が現れた


「だが、初手で倒れる程イッセーの友人とイッセーの事が好きな女達ではないだろう?」


濛々と煙が上がる所に視線を向けた少女がそう問うと―――。


ゴウッ!


気のエネルギー波が青髪の少女の問いの返事だと言わんばかりに三人の方へ向かった


「ふっ」


笑みを浮かべ、持っていた剣を光輝かせると気のエネルギー波が宙に留まったと思えば逆方向に

戻って放たれた場所に戻っていた―――が、


バシュンッ!


と、突然に音を立てて消失した。同時に煙が晴れてゆく。その様子を見て青髪の少女が口を開いた


「―――私はゼノヴィア。グレモリー眷属の『騎士』だ、このゲームを参加する為に『兵士』として

参加させてもらっている」


「初めまして、ロスヴァイセと申します。私も小猫さんと同じグレモリー眷属の『戦車』で二人と同じ

デビルーズの『兵士』として参加させてもらっています。そして、よく耐えられましたね。お見事です」


「・・・・・それはどうもだな」


川神・F・ドラゴンズが一人も欠けずに佇んでいた。揚羽と百代が腕を突き出して手のひらを開いた状態で。


「不意打ちとはやってくれるな」


「この力が無ければ我等は負けていたかもしれん」


「ゾラードの無効化の力・・・・・」


「イッセーと同じ使い方だな」


「ふふ、それは嬉しいな。愛しい男と同じだと言われると嬉しくてしょうがない」


「さて・・・・・今度はこっちの番だ!」


百代が猛進と小猫達に近づいた。ゼノヴィアは悠然と剣を光輝かせると百代の動きが止まった


「なっ・・・・・!」


「甘いな、ただ闇雲に突っ込んでくるだけでは私には勝てないぞ?」


「―――だが、こうすれば良い話だ」


パキィンッ!


ガラスが砕けたような高い音が百代に触れた揚羽の手から鳴った際に百代が動けるようになった


「一人で行くではないぞ」


「すみません・・・・・」


「やはり、ゾラードの能力は厄介だな」


「お主のその剣も厄介だぞ。相手の動きおろか、攻撃も支配するようだからな」


「二回しか使っていないのに良く気がついた」


「悪いが、お前達に構っている暇はない。直ぐに片づけさせてもらうぞ」


「私達はそんな弱くなどありません。あなた達をここで止めます」


「それは無理な話だ。―――禁手化!」


「「「なっ!?」」」


カッ!


揚羽を中心に膨大な光が発光して小猫達や燕達を包み込みながら周囲に広がった。膨大な光が徐々に

小さくなって光は無くなった。そして、揚羽の姿は・・・・・


「ふっ、言ったであろう。直ぐに片付けると」


―――変わっていなかった。しかし、


「ぐ・・・・・っ」


「・・・・・そんな・・・・・!」


「・・・・・私達が手も足も出ないなんて・・・・・」


小猫達三人が地面に倒れていた


「我はゾラードの能力を借りているのだ。負ける訳が無い」


『悪いな、これも我等の願いの為』


「・・・・・やはり、イッセーは強いな」


「・・・・・だから、私達はその強さに惹かれイッセー先輩を好きになった」


「・・・・・皆さん、頑張ってください」


そう漏らした三人は光となってフィールドから消えた


『デビルーズの「兵士」3名、リタイアです』


「ふむ。お前の力が無ければ負けていたかもしれん」


『当たり前だ。小猫の仙術は相手の気を断ち、戦闘不能に至らしめる他にゼノヴィアの持つ剣は

七つの能力を備わっている。我の力を貸していなければ負けていたぞ』


「仙術・・・・・恐ろしい技だ」


「揚羽さん、大丈夫ですか?」


「心配ない。かすり傷もない」


「一瞬だけ禁手化になりましたね?」


「まだ見せる時ではないのでな。あの光の中で禁手化に成り倒した」


「揚羽さんのお陰で残りは13人に減りました。このまま行きましょう」



――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――


「モモ先輩、ここに・・・・・?」


「ああ、複数の気が一つに固まっているから間違いない」


「となると探すのが大変だねぇ」


「バラバラに探す手もありますが相手の思う壺になりそうです」


「まゆまゆ、お前の力であぶりだしてくれるか?」


「はい、分かりました」


由紀江が封龍刀「神滅龍一門」を鞘から抜き放ち闘気を纏う。


「はぁぁぁぁぁあああああああああああああああああっ!」


気合が籠もった声音を発しながら―――目の前にそびえ立つ巨大な建物を斬った。一拍して、

建物に何十もの斬撃の痕が浮かび上がった―――刹那


ドドドドドドドドドドドドドドドドオオオオオオオオオオオオオオオオンッ!


切り裂いた個所から建物が崩壊していった


「うわー、凄いねぇー?」


「ああ、でも『まだ』全力じゃないんだろ?」


「はい、少しだけ本気を出しましたけど全力ではないです」


「まゆっち、前より凄く成ったんじゃない?」


「うむ。時期四天王はお前で決まりだな」


「そそそそ、そんな大層な称号をわわわ、私が・・・・・!?」


「強く成ってもまゆまゆはまゆまゆだな」


「ふふ、可愛いね」


「―――全く、見掛けに判断できねぇな?」


ボワッ!


突如、第三者の声が聞こえたと思えば黒い炎に包まれた川神・F・ドラゴンズ


「っ!?なんだ、この炎は・・・・・!」


「力が・・・・・抜けていく・・・・・!?」


「それに脱出ができない・・・・・!」


「六大龍王ヴリトラの力はどうだ?」


「ヴリトラ・・・・・!匙元士郎か!?」


「へぇ、覚えてくれたんだ」


どこからか現れた一人の少年。


「久しぶりだな。改めて名乗るぜ、俺はシトリー眷属の『兵士』匙元士郎だ」


「くっ・・・・!」


「―――ゾラードよ!」


揚羽が呼ぶと手が光輝いて籠手を装着した。籠手にある宝玉から一瞬の閃光が放ち百代達は

その光に浴びた瞬間に黒い炎が焼失した


「・・・・・やっぱ、一番の強敵はお前等で間違いないか」


『お前達の攻撃は知っている。勝ち目はないぞ?』


「そんな事はこっちだって同じだ。―――俺達の『王』までは行かさないぞ」


ザッ!


匙の周囲に複数の人物が集結した。その中の一人を見てユキは口を開いた


「あっ、キミは・・・・・」


「お久しぶりでございますわ」


レイヴェル・フェニックス。以前、ユキを倒した彼女が再び現れた


「本来、私は『僧侶』なのですが、『兵士』として出て参りましたわ」


「6人・・・・・。6人で私達を戦うのか?」


「『王』のソーナさんの所にはまだいるんだ。これで十分だ」


「数と実力はこっちが勝っているのに?」


「・・・・・神器の事を忘れてはいないか?俺達も神器を宿しているんだ。戦い方次第で俺達は

勝つ事も出来る」


「・・・・・神器」


「それじゃあ始めようか!―――龍王変化!」


匙が黒い炎に大きく包まれた。次第に炎は広がり、巨大に膨れ上がって炎がいっそうに盛り上がった。

漆黒の炎は形を成していき、身体の長細い東洋タイプのドラゴンへと変貌していった


ジャァァァアアアアアアアアアアアアッ


巨大な黒いドラゴンが鳴く―――。百代達と真っ正面から対峙する。


「・・・・・ドラゴン・・・・・!?」


「あれがヴリトラの姿・・・・・」


「白いドラゴンに変化できるヴァーリ以外にもいたのか!」


「―――でも、こっちもできるんだよねぇ?」


燕が不敵な笑みを揚羽に向けた。揚羽は燕に頷いて右手に装着している籠手を握りしめ天に突き上げる


「・・・・・やるぞ、ゾラード!」


『ああ、何時でも良いぞ』


「―――幻想喰龍変化!」


そう言った瞬間、揚羽が光に包まれた。光は紫の空の雲を貫くほど発光して大きく成っていった。


『一誠、お前の技を我が使う事を許せ』


光が無くなると獰猛そうな巨大なドラゴンが人語を話していた


『・・・・・京都以来だ。中身はあいつじゃないけどあの時の借りを返してやるぞ!』


『我が分身よ。我が黒き炎で全てを燃やし尽くせ!』


『我等はお前達を打ち勝ち次に進む!全ては一誠と我等の日常の為にな!』


龍化となった匙と揚羽がぶつかり合った。一方


「せやあああああっ!」


「はあっ!」


「今度は負けない!」


「また倒してあげますわ!」


氷と炎の魔力を出して攻撃するユキとレイヴェル。


『留流子!由良!草下!巡!なるべく俺もサポートはするけど無茶はするなよ!一誠ぐらい強い奴が

そっちにもいるからよ!』


「元ちゃんも気を付けて!」


「無理しないでください!イッセー先輩のドラゴンは強いんですから!」


「―――随分と好きな男に応援するほど暇なようだな?」


百代が手のひらから気のエネルギー波を匙に言葉を掛ける二人に放った。そんな二人の前に一人の少女が前に立って手元に大きな盾を出現させて叫んだ


「広がれッ!我が盾―――『精霊と栄光の盾』よッ!」


その瞬間、盾から輝きが広がり―――巨大な光の盾と化した。バトルフィールドの半分を

埋め尽くしそうなほど大きな光の盾がまるでビームシールドのように百代の一撃を受け止めた


「っ!」


が、少しずつ後ろに滑っていく。少女は盾を反らして百代の一撃を紫の空へと流した。


「私の一撃を受け止めるどころか流すか。それも神器なのか?」


「・・・・・生憎だが、これは人工神器という代物だよ。アザゼル先生が作った人工の神器だ」


「あの人が作った神器?」


「あの男、神器まで独自で作れるのか・・・・・」


「一応は名乗るとするかな?私は由良翼紗。シトリー眷属の『戦車』だ」


「私は巡巴柄。シトリー眷属の『騎士』よ」


「シトリー眷属の『僧侶』の草下憐耶です」


「同じくシトリー眷属の『兵士』仁村留流子です」


「それにしてもさっきの一撃・・・・・本当に人間か?神器を宿した人間でもないのにさっきの一撃は

上級悪魔を凌駕する力だった」


「私は歴とした人間だ。これでも元は武神という異名を持っていた上に

四天王の一人と数えられていた程だから・・・・・なっ!」


猛進とまた百代は突っ込んで行った。そんな彼女に仁村留流子が向かって両足だけに鎧を纏っている足を


「―――嵐脚『脱兎』!」


思いきり振って鎌風を起こして百代に放った。ウサギのように跳びはねる鎌風は百代を襲う。対して百代は、

足を大きく振って風を巻き上げて嵐を生じる。留流子が放った跳ぶ斬撃は嵐によって掻き消されて

留流子にまで襲う―――。

-78-
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真剣で私に恋しなさい! Original Sound Track ~真剣演舞~
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