小説『真剣でD×Dに恋しなさい!『完結』』
作者:ダーク・シリウス()

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―――控室



『一回戦はすべて終了しました!ゲームもいよいよ中盤戦に突入です!』


『デビルーズと川神・F・ドラゴンズの試合が凄かった。デビルーズのメンバーの殆どは、

レーティングゲームを熟知して戦い慣れている悪魔達だが、それを打ち破った川神・F・ドラゴンズの勝利への

執着心がもの凄いという事か』


『ここで一気に準決勝です!梁山泊と風間ファミリーの試合です!』


「はぁー、疲れた・・・・・」


「力を使い過ぎたよぉ・・・・・」


控室でダラーンと疲労感を隠さずに川神・F・ドラゴンズは休憩していた。


「・・・・・流石に強かったな。徒手でもあの強さだとは」


「薙刀使いがソーナを薙刀で吹っ飛ばして無効化の結界から出された時はかなり焦ったな」


「僕達がドラゴンになってもあの人達は強かったよねー」


「というより、慣れていた感じでしたね」


「一誠の家族にはドラゴンがいるんだ。強く成る為にドラゴンと相手をしているに決まっている」


「だが、我等はそんな相手に打ち勝った。これは大きな戦果である。我等は一誠の家族と

渡り合えると理解した」


「今度は四大魔王と神と天使と戦ってみたいなぁー」


「百代は相変わらずの戦いたがり屋だな・・・・・」


「だって強い奴が一杯いるんですよ!しかも、悪魔と魔王、天使に神、堕天使にドラゴン、

英雄の子孫や末裔がこの世界に現れた!戦いたくない訳がないじゃないですか!」


「まあ、我も気持ちは解るが自制心をしっかり持てよ」


「解っていますよ」


『バトルフィールドは・・・・・なんと!梁山泊と風間ファミリーのメンバーが町中にうようよいるぞ!?』


『なんだ・・・・このバトルフィールドは?』


『特殊なゲームです。バトルフィールドにいる梁山泊、風間ファミリーは全て立体映像―――コピーです。

しかし、コピーは両チームの魔力や気と同じく持っているので探知をするのは難しいでございます。そして、

このバトルフィールドでのルールは得点を競いつつ「王」をチェックメイトする事です』


「得点・・・・?」


『「王」以外の駒は倒されてしまった場合は何度でも復活します。「王」以外の各駒を倒したチームは

1ポイントが入ります。ですが、間違ってコピーに攻撃をした場合はポイントがマイナスになりますので

ご注意ください。さらに、コピーは様々な動きをします。時には話しかけられる事もあるので

両チームはご注意して相手チームを探し撃破して下さい。制限時間は30分、「王」を撃破された瞬間

ゲームは終了です。また、制限時間が過ぎて得点が多いチームが勝者となります』


「うわ、本当に特殊なルール」


「相手の動きを読む事も難しいですね」


「建物の中にも入れるそうだから『王』はその中に制限時間まで隠れていれば勝算があるな」


「―――ようは、相手より多くのポイントを稼がないといけないゲームと言う訳か」


「モモ先輩の場合、相手を見つける時はどうしますか?」


「・・・・目だな」


「目?」


「ああ、じじいとルー師範代も相手の目を見て倒していくだろう」


『では!2回戦第1試合の開始です!』



―――風間ファミリー



「キャップ、お前は俺とモロと一緒にこの建物の中でじっと待っていろ」


「えー!俺もゲームに参加したいぞ!」


「『王』のキャップが撃破されたらゲーム終了だってば!」


「大丈夫だ!風である俺が負けねぇ!」


ドヒュンッ!


「あっ!」


「行っちゃったわね・・・・・」


「まったく、言う事を聞かねえリーダだな!」


「直ぐに追わなければ!」


「あの子は『王』の意味を解っておらんのう」


「これで負けたら困りますネ」


「取り敢えずキャップを探しに行こう」


「身勝手な行動は軍の敗北に導くと知りなさい」


風間ファミリーは建物から外に出た。しかし、風間ファミリーの『王』の風間翔一の姿は既に

見当たらなかった。


「げっ!コピーのキャップ達が動いているから本物が全然わかんねぇぞ!?」


「おじいちゃん、キャップの気を感じる?」


「むぅ、風間の気がコピーと同じじゃから区別ができん」


「コピーのキャップの表情と行動が一緒だから解らないな・・・・・」


「よっしゃー!風の如く行くぜぇ!」


「あっ、あれがキャップじゃない?」


「んー、何とも言えないぞ」


「というか、相手のチームも混じっているからコピーか本物か解らないよ」


「皆、バラバラに動くでないぞい」


「ですが、それでは自分達が本物だと明かすのでは?」


「寧ろその方が良いかもしれないヨ。探すよりワタシ達を見つけてくれたら向こうが攻撃を仕掛けてくル。攻撃を仕掛けた者が本物だと言う事だネ」


「なるほど・・・・・」


「だがよ、キャップはどうするんだ?」


「よぉ!お前達、敵を見つけたか?」


「・・・・・キャップだよね?」


「ん?何当り前の事を言っているんだ。・・・・・まさか、お前達のリーダである俺を忘れたのか!?」


「ねぇ、どう思う?」


「区別ができない・・・・・」


「確かめようがなさそうだしね・・・・・」


「キャップ、大和の好きなものは?」


「ヤドカリだろう?」


「私の好きな事は?」


「修行と鍛練」


「・・・・・本当にキャップかも」


「いや、私達のコピーだから記憶もコピーをしたのだろう。似て非なる存在だな」


「じゃあ、どうするんだよ?キャップを無視していく訳にも行かねえだろう」


「全員、キャップの姿だから見分けがつかないわぁ・・・・・」


「でも、こんなに大和が一杯いる。・・・・・幸せぇ」


そういって京は近くにいた大和に抱き付いた。―――だが、


「おい、それはコピーの俺だぞ」


「・・・・・え?」


「何言っているんだ?俺が本物の大和だぞ、そっちがコピーだ」


「えっ?えっ?」


「おいおい、俺が風間ファミリーの軍師、直江大和だ。京、分かるよな?」


「京、そいつは俺の偽物だ。さっさとキャップを探しに行くぞ」


「大和、俺はここにいるんだけど?」


「お前は偽物だろう?」


「なっ!俺がコピーだと言うのかよ!酷い、酷いぜ!俺は本物なのに!」


「・・・・・どれが大和なのか、それすらも解らなくなってきたぞ」


「右が大和だよ。ずっと京の隣にいたんだから」


「左にいた大和がそうではないのか?」


「おいおい、クリス。俺が本物の大和だって」


「違う、俺だ」


「だぁー!どれが大和なのか分かんねぇ!」


「こうなったら攻撃して本物の大和を探すしかないわ!」


「ちょっ!コピーに攻撃したらポイントが減るんだよ!?」


「1ポイントぐらい大丈夫よ!すぐに相手を倒せば元に戻るんだから!」


「・・・・・総代」


「すまん、ワシも見分けがつかん」


風間ファミリーは混乱に陥った。


「ワン子!それは真剣だろう!?」


「柄で攻撃するから死なないわ!」


「それでも俺は痛いんだ!」


「そうだぞ!コピーの言う通りだ!」


「おい、俺が本物だって何度言えば分かるんだよ!」


「俺が本物だ!」


「・・・・・ああ、二人の大和が私を取り合っている」


「「いや、取り合っていないから」」


「せやっ!」


「「うおっ!?」」


「あっ、大和のコピーも回避力が一緒なんだね」


「むむ。これでは本当に解らないぞ」


「大和!大人しくしてよ!」


「「できるかあああああああああ!」」


「中将、どうしましょうか」


「既に私達は混乱状態に成っている。下手に動いてはダメだな」


「―――こっちにとってはそれが好都合だよね」


ズバババババババッ!


『―――っ!?』


第三者の言葉と同時にモロ、ガクト、クリス、一子、京の体に傷ができた。


「はい、一気に5ポイント獲得っと」


『梁山泊に5ポイントが入りました』


腰まである水色の髪に二つの青龍刀を持った少女がそう呟いて光と化となっていく少女に攻撃された5人を

視界に入れる


「貴様・・・・・!」


「本当なら『王』を狙った方が早いんだけど、さっきから様子を見ていたら『王』じゃなさそうだったから

解っている『駒』を狙って正解だったね」


『攻撃されたメンバーはランダムに移動します。お互い確認し合って相手を倒してください』


「なにっ!」


「これはまずいのぅ・・・・・」


「ふーん、これじゃあ解らなくなったね。まあ、5ポイントも取れたから大丈夫かな?」


「いえ、直ぐに貴女を倒されると知りなさい!」


マルギッテは巧みにトンファーを使い、水色の髪の少女に向かった。


「『剃』」


ヒュンッ!


「っ!?」


「はい、6ポイント目だね」


マルギッテの背後に水色の髪の少女が移動して青龍等を背中から突き刺した。


『梁山泊に1ポイントが加算され合計6ポイント』


「マルギッテ!」


「中・・・・・将・・・・・申し訳」


最後まで言いきれずマルギッテは違う場所へ移動され、この場から消えた。


「さてと、欲張るのはダメだからここで退散させてもらうよ」


「おのれ!」


バンッ!


「おっと」


クリスの父、フランク・フリードリヒが激昂して銃を発砲するが銃弾を避けられてしまい、

背後にいたコピーに命中した


『風間ファミリーはコピーに攻撃した為マイナス1ポイントが入ります』


「くっ、しまった・・・・・!」


違う場所へと移動されるフランク。水色の髪の少女は既に去っていた


「・・・・・ちと、厳しい戦いになりそうじゃ」


「ええ、一子は百代と戦わなければならないというのにこれでハ・・・・・」


―――川神・F・ドラゴンズ


「・・・・・決めつけるのはあまりしたくないんだが、ジジイ達は負けたな」


「あの状況下でマイナス7ポイントもなっちゃったしね」


「キャップさんが倒されていないようですからまだまだ解りませんが本物のキャップさんとコピーは

酷似していますので見分けができません」


「トーマ、僕達もあの競技だったらどうするー?」


「目印となるものを身に付ける事ですね。そうした方がお互いオリジナルと解り、

余計な混乱をしなくてすむ」


「ですが、大和さん達はしていませんね」


「混乱をしているのですから直ぐには気付きませんよ。ましてや『王』が勝手に動いた為、

考える暇など無い」


「キャップの行動の所為と言う訳か・・・・・」


「彼はこのゲームの『王』に合わなかっただけです。『騎士』だったら大和君達は何時も通りだと

放っておく筈ですよね?」


「ああ、風のように突然に何処かへ行くからな。学校とか休日の日だったら問題がなかったが・・・・・」


「今回だけそうはいかないと言う事だ。風間、今回だけはお前の行動で味方を敗北の道に進ませたな」


「そういえば、一子ちゃんの件はどうなるの?」


「・・・・・今回ばかりはキャップの所為だろうが、約束は約束だ。あいつの夢はあのゲームで終わった」


『―――試合終了、風間ファミリーのポイントは5ポイント、梁山泊のポイントは12ポイント。

勝者、梁山泊』


「学長が居られるのに負けたか・・・・・」


「一誠の言った通りだな」


「ルールの場合と戦う場所によって強者が負けるって言っていたしねー」


「・・・・・結局、何もしてこなかったな」


「警戒はしていたが確かにそうだ」


「・・・・・もしかして一誠さんが何かしたのかな」


「いや、それは・・・・・否定できないな」


「まあ、何もなければいいではないか?それより次は私達だ」


「西の川神学園と呼ばれている学園だ」


「でも、私達の敵ではないよね?」


「ルールと戦う場所によってはそうかもしれませんが」


「それでも前に進むしかないで候」


「そうだねー」


「それではステージに行く前に少しだけ作戦を―――」



――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――



『二回戦第2試合に出るのは・・・・・西の川神学園と呼ばれた天神館の天神軍!そして、対する相手は殆ど

川神学園の生徒達が出場の川神・F・ドラゴンズ!東の川神学園と西の天神館、二つの学園のゲームが

いま始まろうとしています!』


『そして、バトルフィールドは・・・・・風間ファミリーと梁山泊と同じステージとなっている訳だ』


『これはお互い既にこのゲームの攻略を考えている筈です。両チームは一体我々にどんな戦いを

見せてくれるのでしょうか!』


『それでは2回戦第2試合を始めよう』


『この試合が終われば次は決勝戦です!試合開始です!』


天神軍と川神・F・ドラゴンズの戦いは始まった


「では、作戦通りに動きましょう」


「『王』を倒すよりもポイントを稼げばいいんだな?」


「ええ、こうして建物の中に入れるのですから探して苦労するのは火を見るより明らかです」


「このゲームの趣向はそんな感じだからね」


「―――ですので、町中にいるコピーがしないような事をして敵をおびき出して倒していくのですよ」


「違う服とか着てですか?」


「ええ、そんな感じです」


「・・・・・あの、このゲームの中に存在する建物にある服って着られるのですか?」


「いえ、何も服に着替えて戦うのではなく私達が本物だという証があればいいんですよ」


「あっ、そう言う事でしたか」


「でも、それは敵にも私達が本物だと教えちゃうねー?」


「魚を誘き寄せるのにエサが必要です。4人1組となって一人は囮となって敵を誘き寄せて倒して

いきましょう。そして、倒した後は囮を交代しその人が囮となって倒していくと繰り返していく。

それがこのゲームを攻略するカギです」


「1組だけ3人1組になるケド?」


「私と準、ユキで3人1組になりましょう」


「何時もと変わらないでメンバーで候」


「ずっと一緒にいた俺達だから動きやすいって事だよな?」


「そう言う事です。ですので、ウメ先生、伊予さん、由紀江さん、百代先輩が4人1組。揚羽さん、

燕先輩、矢場先輩、辰子さんが4人1組となって行動して下さい」


「ドラゴンに成っちゃダメ?」


「あれは身体が大きい上に攻撃範囲が広いですからマイナスポイントが入ってしまいます」


「倒し方にも気をつけなければならないのか・・・・・」


「間違って攻撃の余波でコピーまで受けたらマイナスポイントが入るかもしれないね」


「皆さん、気を付けて倒していきましょう」


「じゃあ、そろっと行きますか」


準が問い掛けると他の川神・F・ドラゴンズは頷いた。冬馬が指定した4人1組のメンバーが編成して

建物の中から出た。


「此処からは別行動です。会話は念話でしましょう」


「じゃあねー!」


「揚羽さん、『王』だから無茶しないでくださいよ?」


「倒されぬように動くさ」


「が、頑張って倒していきます!」


「わ、私も!」


「黛、大和田。良い心掛けだ」


「まあ、私が殆ど倒してしまいそうだがな」


「百代ちゃん、間違ってもコピーに攻撃しちゃダメだよ?」


「ぐぅ・・・・・ぐぅ・・・・・」


「寝ているで候・・・・・大丈夫で候か?」


「あ〜、大丈夫だよ〜」


「辰さんをカバーしないといけないかもね・・・・・」


川神・F・ドラゴンズは分かれながら同じ味方に声を掛けながら別れて行った



―――梅子、伊予、由紀江、百代組


「さて、気を探知してみれば私達のコピーどころか、天神館の奴等のコピーの気も全く一緒だった。

ジジイの言っていた通り難しいな」


「はい、探知するのは難しいです」


「それじゃあ冬馬先輩が言っていた作戦にしますか?」


「ああ、そうするしかないだろう」


「えっと、コピー達を見ると武器は持っていませんね」


「じゃあ、武器を持っているとしよう。コピー達には無いからな」


「囮は誰がしますか?」


「・・・・・メリアさん、お願いします」


大和田伊予が龍を模した金色の錫杖を呼びだして持った。


「最初は私がします」


「いいのか?」


「前の試合で私は何もしていませんでしたから」


「イヨちゃん・・・・・」


「大丈夫だよ。仮に私が倒されちゃってもまゆっち達が私を倒した人を倒してくれると信じているから」


「ああ、お前の行動を無駄にしない」


「はい、それでは離れます。―――後はお願いします」


伊予が百代達から離れ行動する


「さて、エサが食いつくまで私達は待機だ」


「なるべく他のコピー達と同じように動き回りましょう」


「大和田に視線を向けないようにな」


残りの百代達3人はバラバラになって伊予の周りを動き回る。


「(伊予ちゃん、どうですか?)」


「(ううん、まだ誰も)」


「(そのまま敵を探しながら歩むようにな)」


「(はい・・・・・)」


「(ふむ・・・・・)」


「(ウメ先生?)」


「(いや、天神館に椎名と同じ弓の腕が凄い一人がいたなと思い出していた)」


「(あー、名前だけは知っている。京と同じぐらい弓の実力者が参加しているのか?)」


「(多分な)」


「(と言う事は遠距離から攻撃をしてきますね)」


「(・・・・・なるほど)」


「(モモ先輩?)」


「(気は他のコピーと全く一緒だが、敵意だけは別と言う訳だ)」


そう言った瞬間、百代の姿は梅子と由紀江の視線から消えた。一拍して


『川神・F・ドラゴンズに1ポイントが入ります』


「えっ?」


「敵を倒してきたぞー」


直ぐに由紀江達の前に百代が現れた


「川神、どういうことだ?」


「視線ですよ。気はコピーと同じでも視線に敵意を籠めるコピーはいないですから」


「なるほど、そういう方法でも相手を探し出せるという事か」


「ウメ先生が言っていた弓の使い手がいました。見分けが付けるように跡を残して倒しました」


「うむ、まずは1ポイントだ」


「では、今度は私が囮に成ります」


―――冬馬、準、ユキ組


「早速、誰かが倒したようだな」


「油断はしませんよ。敗北に成りかねませんからね」


「それにしても僕が一杯だー」


「これが準の好きな小さな女の子ではなくて良かったです」


「おいおい、俺が幼女に攻撃するとでも思っているのか?」


「相手が小さな女の子だったら攻撃をしませんでしょ?」


「当然だ」


「そう言う事ですよ」


「あー、そういう事ね」


「準はロリコンだから役に立たないよねー」


「こら、そう言う事を言ってはいけません。それ以外だったら俺は倒すぞ」


「―――では、お願いしますね?」


「・・・・・はい?」


「やー、こんなに早くコピーの中から相手が見つけてウチは運がエエなー」


「・・・・・げっ」


「出会って早々に1ポイントもらうでぇ!」


巨大なハンマーで身体が太い少女が準に振り降ろした。


「うおっと!」


ドスウウウウウウウウウウウウウウンッ!


準は急いでハンマーから逃れると地面にハンマーがぶつかって軽く地面が揺れた


「ほー、ウチのハンマーから逃れるとは中々の強さを持っているんやな?」


「若!敵が近づいているのなら教えてくれよ!」


「はは、すいませんね」


「頑張れー!」


「ウチの話を聞いているんか?」


「あっ、悪い。聞いていなかった」


「・・・・・まあ、ええや。さっさと潰したるでぇ!」


「それも悪いな」


再び振り下ろされたハンマーを手で横にずらして軌道を反らして外させた。


ドオオオオオオォォォォォォォォォォンッ!


「へ?」


「くらえ!ロリ魂パンチ!」


何時の間にか相手の背後に回っていた準が背中に拳を突き刺した。相手はその衝撃に吹っ飛ばされて

冬馬とユキの方へ向かった


「ユキ、お願いします」


「はいはいほーい!」


ユキは地面に触れた。―――次の瞬間、もの凄い勢いで氷の壁が出来上がって吹っ飛んできた

少女を氷の壁に直撃させた


「あぅ・・・・・」


ドサッ・・・・・


「準、こっちに飛ばさないでください」


「そうだよー」


「悪い、この技はどうしても吹っ飛んでしまうんだよなぁ」


「出力調整がまだまだのようですね」


「だな、威力はあるんだが抑えるのが一苦労だ」


「変な技」


「うるさい!俺は気に入っているんだ!」


巨体の少女が光と化となって消えて行った。


『川神・F・ドラゴンズに5ポイントが入りました』


「おや、他にも誰かが倒したようですね」


「僕達も負けていられないね!」


「この中から相手を探し当てるのは大変だな」


―――燕、揚羽、ユミ、辰組


「うむ。他の皆も相手を倒しているようだな」


「私達も3人を倒したところだけどね」


「相手の『王』は何処にいると思うで候?」


「お昼寝が快適な所じゃないかなぁ〜?」


「やっ、それは辰さんだけじゃないかな・・・・・」


「もしかしたら一番高い場所にいるかもしれないで候」


「うーん、可能性としてはあるんだけど相手がどこに隠れているのかすらも解らないねぇ」


「地道に探すしかない。それに我等は4ポイントもあるのだからわざわざ王を探すことはない」


「そうだねぇ、のんびりと敵を倒して行こう〜」


『(皆さん、今は大丈夫ですか?)』


不意に、四人の頭に冬馬の声が聞こえた。


「(どうしたの?)」


『(5ポイントも入ったので一旦集合をしましょう)』


「(それは構わないが・・・・・何処に集合するのだ?)」


『(一番分かりやすい上空にしましょう)』


「(なるほど、翼がある私達しか出来ない集合場所だ)」


『(はい、そう言う事で私達も空に移動して待っています)』


冬馬の声が聞こえなくなくなり燕達は空を見ると冬馬とユキ、準が翼を羽ばたいて空に飛んでいるのを視界に

入った。燕達も翼を背中に出し羽ばたかせて空へと飛び冬馬達3人のところへ向かった。

同時に冬馬の話を聞いていたのか百代達も梅子を抱えて翼を出し空へ集合してきた。


「で、集合した訳だが何をするんだ?」


「―――このまま制限時間が終了するまで空にいましょう」


「確実に勝利を得る為か?」


「それもありますが無駄な体力を使いたくないのですよ。それにこの後は決勝戦、優勝すると一誠さんとの

戦いがあります。体力を温存するには5ポイントもあれば十分です」


「そうだね、あまり力を使い過ぎると後がキツイかも」


「アザゼル先生もそう言ってたしな」


「では、異論はないですね?」


冬馬の問いに川神・F・ドラゴンズはコクリと頷いた。川神・F・ドラゴンズの参加理由は兵藤一誠を

この世界に留まらせる事。自分達とずっと一緒に遊び、楽しみ、ふざけ合い、笑い合い、

―――幸せな日常を一誠と過ごす為に・・・・・。そして、冬馬達は制限時間まで空に佇み。


『試合終了です。川神・F・ドラゴンズのポイントは5ポイント。天神軍のポイントは0ポイント。

勝者は川神・F・ドラゴンズでございます』


―――決勝戦に進んだ。



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