小説『真剣でD×Dに恋しなさい!『完結』』
作者:ダーク・シリウス()

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『長らくお待ちになったでしょう皆様。―――いよいよ最後の決勝戦だぁ!』


「「「「「「「「「「わあああああああああああああああああああああああああっ!」」」」」」」」」」


『会場の皆様の怒涛の歓声がもの凄いですね。兵藤一誠さん』


『そうだな、どの世界も興奮する試合を見れば当然の事だろう』


『それでは決勝に勝ち進んだ二つのチームを呼びましょう!―――まずは、

中国から参加してきたチーム・・・・・梁山泊!』


「いよいよこの時が来た」


「今度は元四天王の武神かぁ〜、色々とコピーができそう」


「誰が来ようと天下無双のわっちの棒術で薙ぎ払う!」


『梁山泊は気合満々のようだ!それでは―――唯一、別世界から来たチームを倒した最後のチームが入場だ!

その名も、川神・F・ドラゴンズ!』


「この試合だけは何が何でも勝つぞ!」


「絶対に負けられない!」


「あと一歩、あと一歩で・・・・・!」


『このチームも気迫が凄い!』


『叶えたい願いがこの試合で勝ったチームがようやく叶えられる。全てはこの日の為に両チームは

修行をしてきたのだろう』


『試合を始める前に両チームの願いを聞きましょう。まずは梁山泊』


「はい」


『優勝したら三つの願いが叶えられるかもしれませんが梁山泊は一体どんな願いをお考えでしょうか?』


「私達、梁山泊の願いは―――兵藤一誠を梁山泊に迎い入れる事です」


黒い長髪の少女の願い事を聞いて百代達は驚愕の表情を浮かべた。


「後の二つは優勝してから申し上げます」


『兵藤一誠さん、梁山泊とお知り合いでしょうか?』


『少しの間だったがその三人とは師弟関係だ。―――見ない間に大きく成ったな。林沖、史進、楊志』


「はい、ようやく貴方とこうして近くでお会いできました」


「師匠から貰ったこの武器はちゃんと大事に使っているよ」


「今度は師匠から貰ったこの棒で倒す!」


と、各々武器を構え一誠に見せる。どの武器も不思議なオーラを纏い淡い光を輝いていた


『本気と言う訳か』


「本気ではないです。全力で優勝を目指しているのです」


『そうか、お前達の戦い振りを見させてもらうぞ。あれからどのぐらい強く成ったか俺に見せてくれ』


「そのつもりです」


『では次に川神・F・ドラゴンズ。優勝したらどんな願いをしますか?』


「ふっ、愚問だな」


「私達、川神・F・ドラゴンズは―――」


『兵藤一誠をこの世界に留まらせる事!』


川神・F・ドラゴンズの願いを真っ直ぐ一誠に向かって言った。―――その言葉に一誠の家族である

幽幻龍騎士団の面々の表情が真剣な顔に成った


「一誠さん!あなたは元の世界に返す訳にはいかない!」


「僕達とずっと一緒にいるって約束したもん!」


「それに恩をまだ返しきれていないのですから」


「俺達はこの願いの為に強く成ったんだぜ?」


「イッセー先輩、私達はイッセー先輩の事を好きなんです!」


「だから私達は優勝して一誠さん、貴方をこの世界に留まらせるで候」


『なるほど、それが川神・F・ドラゴンズの願いと言う訳ですね?』


「他にもありますけど、それは優勝してから言います」


『解りました。それでは決勝戦を行いましょう!両チーム、バトルフィールドへ移動して下さい!』


二つの移動用魔方陣がステージに出現して梁山泊と川神・F・ドラゴンズは魔方陣の上に移動して

バトルフィールドへと転移した。


『さて、決勝戦のバトルフィールドは・・・・・』


『おいおい、あれはないだろう』


一誠が呆れた風にして言った。何故なら―――


グオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオッッッッ!


白い空間すべてを震わせるほどの声量―――鳴き声とも言える咆哮が、そのものの大きな口から発せられた。

梁山泊と川神・F・ドラゴンズの眼前にいるのは、浅黒い鱗をした二本足で立つ巨大なドラゴン。太い手足、

鋭い爪と牙と角、スケールが違い過ぎる両翼を広げ、長く大きい尾をしている。

―――巨人型のドラゴンがいた。


『おい!どうしてあのドラゴンがいるんだよ!?封印した筈だろうが!』


『『『てへ☆』』』


『・・・・・グレイフィア?』


『すいません、私も知りませんでした』


『―――連帯責任として貂蝉と卑弥呼のライブを3時間だ』


『・・・・・お情けを』


『シャマルの料理と貂蝉と卑弥呼のライブ、どっちがいい?』


『・・・・・』


グレイフィアは冷汗を流し始めた。瞑目して料理とライブの天秤が上下に動き―――


『・・・・・お料理の方を』


『よし、シャマル!後でグレイフィアに一品だけ料理を作ってやれ!』


『はい!解りました!』


料理を選んだ。


『で、サーゼクス達。あのドラゴンがバトルフィールドにいるということはどう言う事だ?』


『その前に俺達はあいつらの歌を聞かないといけないのかよ!?』


『当たり前だ、流石に限度っていうものがある』


『でもでも、私達に任せるって言ったじゃない!』


『言ったが、勝手にあのドラゴンを封印から解くとはどういう事だよ!?それと、ルールは何だ!』


『ああ、単純にあのドラゴンを先に倒せばいいのだよ』


『あの巨大な相手に立ち向かえってか!?小型にしろ!小型に!梁山泊が戦える訳無いだろう!』


『むっ、それもそうだな』


不意にグレンデルと言う名の巨人族のようなドラゴンの体がみるみる内に小さく成って百代達と

同じ身長になった。


『あの、始めても良いので?』


『・・・・・しょうがない、続行だ』


『解りました。それでは!決勝戦の開始だぁ!』



――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――



―――川神・F・ドラゴンズ



『さーて、久々に外に出してもらったと思えば強い相手と戦わせてくれるって言うから大人しく

待ってみれば・・・・・何でお前等がここにいるんだぁ?ゾラードとメリア、サマエルにクソ神』


小型化となったドラゴンの問いに揚羽と百代、伊予の手甲に宝玉が浮かび上がった


『グレンデル・・・・・ッ!』


「えっと、知り合い?」


『―――「大罪の暴龍」グレンデル。戦う事と殺すしか興味がない邪龍です・・・・・。その昔、

主達はこの邪龍と戦い封印して保管していたのです』


『だが、こうして我等の前に立っているという事は封印を解いたという事だ』


『一誠も知らなかったようだね。こいつが決勝戦に出てくるなんて信じられないよ!』


『ははは!おら!全員纏めてかかって来な!久々に暴れるから存分に楽しむぜぇ!』



言うや否や、グレンデルが自分からまず、梁山泊の方へ翼を羽ばたかせて向かった。


「速ッ!?」


ドッ!オオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオンッ!


両チームはグレンデルから離れるとグレンデルの拳が白い空間の地面に突き刺さって巨大なクレーターを

作った。その威力を両チームは険しい表情を浮かべ畏怖を抱いているとグレンデルが憤怒の形相を浮かべる。


『避けるんじゃねぇよ!掛かって来いよ!殺し合おうぜ!俺と最高にハイになってお互い潰しあって

奪い合って殺し合って食うか食われるかの戦いをするんだよぉ!』


「こいつ・・・・・!?」


「同じ邪龍のヴリトラの方が可愛いと思うな・・・・・・っ」


「確かに封印する理由が解りますよ・・・・・」


梁山泊の方へ歩くグレンデルを見て冬馬は呟く。武器を構えて戦意の意を示す梁山泊は


「一人で相手にしようとするな!複数で組んで―――」


ゴシャッ!


林沖が指示をしようと口を開いた瞬間、一人の梁山泊のメンバーがグレンデルの拳に突き刺さって

吹っ飛ばされた。他の梁山泊が各々の武器でグレンデルに突き刺すが・・・・・。


『そらよ!』


「「「「「うわああああああああああああああああああああっ!」」」」」


剛腕な腕を振るい周囲にいた梁山泊のメンバー達を薙ぎ払った。


「くっ!」


「コピーをする事なんてできないね!」


「わっちの棒を味わえ!」


『はっ!たかが棒かよ!』


尻尾で史進を薙ぎ払うとグレンデルは―――川神・F・ドラゴンズの方へ飛んで行った


『今度はお前等だ!殺し合いをしようぜぇ!』


「百代より達が悪いドラゴンだな!百代のほうが可愛いぞ!」


「揚羽さん、何気に酷いですね・・・・・」


「大和田!お前は後方で待機しているんだ!矢場も後ろで援護射撃!」


「「はい!」」


「あのドラゴンの攻撃には気を付けて下さい!」


『おらぁ!』


「はぁああっ!」


ドゴンッ!


揚羽とグレンデルの拳が直撃した。すると揚羽の顔が苦痛の表情を浮かべる


「ぐっ・・・・・!?」


『そらぁ!』


身体を回転して尾で揚羽にぶつけ吹っ飛ばしたグレンデルは次の標的を定めて翼を羽ばたかせる


『次は―――そこのお前だ!』


「っ!トーマはやらせないよ!」


グレンデルは冬馬に攻撃を仕掛けた。が、その前にユキが庇うように立って魔方陣を展開した


『はっ!そんなもんで』


バギャンッ!


『俺の攻撃を受け止められると思うなよおおおおおっ!』


「―――っ!?」


『はっはー!』


ユキの魔方陣を砕きそのままユキに突きつけようと腕を伸ばした―――刹那


「させん!」


梅子の鞭がグレンデルの腕を巻いて動きを封じた。グレンデルの拳はユキの顔面との距離が数?。


『あ?』


「私は『僧侶』の駒だ。だからこうして魔法を使える」


鞭にバチバチと雷が帯び始めて―――


「―――雷鞭!」


ビッシャアアアアアアアアアアアアアアアアンッ!


『うおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!?』


グレンデルの全身に雷が駈け廻った。・・・・・しかし、


『そんな程度の雷が効くかぁあああああああああああああっ!』


逆に鞭を掴んで思いきり梅子を鞭ごと引っ張ると腹が膨張し始めたグレンデルは


『食らいやがれぇ!』


口から巨大な火炎球を吐きだした


「くっ・・・・・!」


慌てて梅子はグレンデルを巻いていた鞭を解いて―――背中にドラゴンのような翼を出して空に逃げた。


「えっ・・・・・?」


「先生も・・・・・ドラゴン?」


「はあっ!」


上空に鞭をリボンのように振るい、何かの形に仕上げる。すると塊となり梅子は鞭で

作り上げた塊―――ドラゴンはグレンデルを押しつぶした。


ドオオオオオオオオオオオオオオンッ!


「・・・・・」


「・・・・・ウメ先生、その翼は・・・・・」


「ああ、私もドラゴンに転生した。言おうと何度もしたがタイミングがなくて今の今まで言えなかった」


「そうですか・・・・・」


『このやろぉ!』


鞭でできたドラゴンを強引に蹴り飛ばして起き上がった瞬間に梁山泊が攻撃をする。

その光景を見ていた百代は漏らす


「ダメージがなさそうだな・・・・・」


「奴の鱗は予想以上に固いぞ」


「揚羽さん・・・・・?」


『その通りだ、大罪の暴龍グレンデルの鱗は滅んだドラゴンの中でも最硬クラスの鱗を誇っている。

―――生半可な攻撃力ではあのドラゴンを倒すことはできないぞ!』


「・・・・・なるほど、そこまでの防御力があると言う事か」


「なら、我等も全力で戦わないとダメと言う訳か」


「じゃあ、梁山泊の攻撃じゃあ・・・・・」


ドサッ・・・・・


『おらおら!もっと俺を楽しませろよ!』


「ぐっ・・・・・!攻撃が当っているのにしぶとい!」


「こいつの鱗が硬いんだ!」


「嵐脚―――鋭燕!」


ドシュッ!


楊志が呼び起こした鋭い鎌風がグレンデルの身体に直撃した。だが、青い血を大量に流しても

狂気の笑みを浮かべて嬉しそうに笑った


『はっはっは!あいつの技かぁ!?いいねぇ!いいねぇ!あいつとの殺し合いは最高だったからもっと

あいつの技をしてみろよぉ!』


「師匠はこんな相手に一体どうやって勝ったんだろうねぇ・・・・・」


『そらぁ!』


「剃!」


楊志がその場から姿を消した。グレンデルの拳が空を斬り視線を周囲に向けて楊志を探す。


「この技は魔力が無いとできない技だったけど今の私は『僧侶』。私の体に魔法が使うのに

必要な魔力が流れている」


グレンデルの背後に楊志が両手を開いて佇んでいた


「―――右手に気」


楊志の右手に気が発現した。


「―――左手に魔力」


さらに左手には魔力が出てきた。楊志はその気と魔力、二つのエネルギーを合わすように近づけて


「感卦法!」


カッ!


そう叫んだ瞬間、楊志が光に包まれて光を覆った。


「・・・・・見た事もない技だ」


「あれは一体・・・・・?」


「気と魔力のエネルギーを融合したようにも見えました」


「気と魔力・・・・・」


『おほっ!その技も使えるのか!』


「林沖、史進。悪いけどサポートをお願いできるかな?」


「ああ、分かった」


「ちゃんと勝てよな」


楊志の願いに2人は武器を構えた


『はははっ!そんじゃあ、殺し合いの再会だ!』



―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――



―――兵藤一誠



感卦法・・・・・楊志の奴、『僧侶』になったのはそういう事か。それにグレンデル相手によくあそこまで

戦えるな。小型化になったグレンデルは力と防御力はそのままの強さだと言うのにホント、

よく戦う・・・・・。


『(一誠)』


「(なんだ?)」


『(お前は本当に強い人材を見つけ育てるな。グレンデルを相手に普通の人間は一撃で終わっている。

なのに、あいつらは攻撃を見切って戦っている)』


「(元々の素質が良かったんだろう。あいつ等に稽古を付けたのは二、三ヶ月の期間だけだ)」


『(なるほどな・・・・・見ろ、ゾラード達が力を貸している人間達もグレンデルに攻撃を仕掛けた)』


ガイアの言う通り、モニターを見ると百代、揚羽、燕、準、由紀江、梅子がグレンデルに猛攻を

仕掛けている。―――それでもあいつは嬉々や狂喜の笑みを浮かべて楽しそうに戦っている。


『(むっ、あの籠手・・・・・サマエルか?)』


「(ああ、大剣としてではなく籠手にしたのか)」


『(サマエルの龍殺しはドラゴンを死に至らしめるほどだ。―――昔、我等もグレンデルを殺すのではなく

封印した)』


「(また甦らせて襲われたら面倒だからな。それにグレンデルは強いドラゴンだ。痛みが快感に感じるほど

あいつはヴァーリを超えた超戦闘狂。上手く手なずけて戦闘に出して戦わせればあいつも喜ぶだろう)」


『(殆どは我等が相手をしてやっているんだがな)』


「(あいつは俺達と殺し合う方が気に入ってしまったからなぁ〜。まあ、本気で相手の気持ちを考えず戦える

相手はあいつしかいない。グレンデルを小型にして戦えばより戦いの修行にもなる)」


『(さて、あいつを倒すには殺すか)』


「(封印するしかない)」


『「(あいつらはどれを選んで優勝するか楽しみだな)」』


―――川神・F・ドラゴンズ


『おらぁ!』


「サマエル!」


『うん!』


百代に飛びこむグレンデルに赤と黒の籠手の手のひらを突き出して黒いオーラを放出する。

そのオーラは飲み込まんとグレンデルの体に直撃する。


『はははっ!サマエルの毒は最高に痛いな!だが、これが生きている実感を与えてくれるだよなぁ!』


「おい!あいつはドラゴンだよな!?嬉々としてドラゴンを殺す毒を浴びながらこっちに来ているぞ!」


『それがグレンデルなんだよ!元々はテロリストが甦らせた上にグレンデルを強化したんだ!

聖剣の龍殺しで攻撃しても嬉しそうに戦うよ!』


「じゃあ、効かないって言うのか!」


『ダメージは確実に通っている!だがな、あいつは・・・・・頭のネジが元々はハマってすらいない

ドラゴンだ。ダメージを受けることすら楽しむドラゴンだからな』


「そんなドラゴンがいるの!?とても信じられないよ!」


『事実、目の前にいる。主と一対一で戦って我とサマエル、メリアの能力を持ってしても

数時間は戦ったドラゴンでもある』


「そ、そんな・・・・・イッセー先輩と戦ってそんなに時間を掛かって倒したんですか?」


『いや、本当なら直ぐに倒せる方法があるのに敢えて長期戦に持ち込んだんだ。主とグレンデル

似て似つかないのに何処か似ている。主はそれを感じてグレンデルが気が済むまでずっと戦った』


「直ぐに倒せる・・・・・その方法は?」


『―――黛由紀江、お前が持つその刀の能力だ』


「・・・・・ブラフマーさんの?」


『ドラゴンと蛇を最も嫌っている神。我等を封印するほどの力を持っている』


「あっ・・・・・」


『黛由紀江、そういうことだ。サマエルの毒でも直ぐに死なないのなら封印するしか方法がない』


『はははっ食らいやがれぇ!』


グレンデルが腹を膨張し口から巨大な複数の火炎球を吐きだした。ユキが魔方陣を展開して火球の一つを

凍らせて準が粉々に破壊する。揚羽がゾラードの能力で火球の一つを無効化にして消失し、由紀江が残りの

火球を全て切り払った


「なるほど、まゆまゆ!お前をサポートするからあいつを封印するんだ!」


「わ、私がですか!?」


『私を使いのこなしているのは現時点でお前一人だ。グレンデルを見ろ』


『グハハハハッ!いいなぁ!いいじゃないかぁ!最高だぜぇ!』


『サマエルの毒をアレだけ浴びてもあいつは尚も戦いと殺し合いを楽しんでいる。

邪龍はそう言うドラゴンだとそう思え』


「あの、それでは同じ邪龍のヴリトラは?」


『あれは別だ』


「はぁ・・・・・」


『とにかく、封印の仕方は解るな?』


「はっ、はい」


『では―――いけっ!』


ブラフマーが促し由紀江は一直線にグレンデルの方へと向かった


『おっ!真っ直ぐ来るか!』


複数の火炎球を吐きだしてきたグレンデルに対し由紀江は


「はぁあああああああああああっ!」


たった一閃で全ての火炎球を斬り払う。


『なんだよ!すげぇじゃねぇか!今のお前はあいつとそっくりだ!』


由紀江がついにグレンデルの前に立つ。しかし、グレンデルはもの凄い速さで腕を突きだしてきた


「っ・・・・・」


ガガガガッ!ギンッ!ギガガガガッ!


『足下がお留守だ!』


「っ!?しまっ―――」


『くたばりやがれぇ!』


ドッゴオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオンッ!


グレンデルの尾で由紀江の体勢を崩したところで一撃の拳を由紀江の腹部に突き刺した


「がはぁっ!」


「まゆまゆ!?」


赤い血反吐を盛大に吐き出した。―――しかし、瞳はまだ戦意を浮かべていた。


「くっ―――!」


ドッ!


『ん?―――っ!?』


肉を切らせて骨を切る。由紀江はドラゴンの一撃を食らっても一瞬の勝機を逃さず刀をグレンデルに

突き刺した。グレンデルは目を大きく見開いた。


『またお前を封印するぞ、グレンデル!』


「封龍!」


『なっ、ま―――』


刀が一瞬の閃光を発してグレンデルを包み込んだ。そして、光が止む頃にはグレンデルの姿は

見えない代わりに深緑の宝玉が白い地面に転がっていた。その正体は


『おい!俺を此処から出しやがれ!まだ俺は戦い、殺し合いが足りねぇんだよおおおおおおおおおおおっ!』


グレンデルの核、魂が入った宝玉だった。


「はぁ・・・・・、はぁ・・・・・、ごほっ・・・・・!」


『大丈夫か?』


「はぁ・・・・・ドラゴンの拳ってかなりの攻撃力があるんですね・・・・・」


『肋骨に罅が入っている愚か折れているな』


「・・・・・そうですね、自分でも何となく解りますよ」


「まゆっち!」


「まゆまゆ!」


「由紀江ちゃん!」


『決勝戦が終わりました。優勝したチームの名は―――川神・F・ドラゴンズです』


『『『『『『『『『『うわあああああああああああああああああああああああああっ!』』』』』』』』』』

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