小説『真剣でD×Dに恋しなさい!『完結』』
作者:ダーク・シリウス()

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「一誠さん・・・・・?」


『汝等、何のために我と戦っている』


「一誠さん、口調と声音が変わっているで候・・・・・」


『この状態はこの口調になってしまう。というより、汝もそうだろ?』


「・・・・・」


『汝等、もう一度だけ尋ねる。我と何のために戦っている?』


「それは・・・・・!」


『我をこの世界に留まらせる為であろう?なら、我を倒してみろと言ったはずだ』


「だが!今のお前を殺すか封印しないといけないではないか!」


『何かを得る為にはそれなりの代償が必要だ』


「そんな!一誠さん!その状態を解除して!」


『断る・・・・・シヴァ、セルベリア』


「「はっ」」


『悪いが退場してはくれまいか?汝等まで我の攻撃に巻き込みたくなどない』


「「断わります」」


『・・・・・』


「「我等は何処までも一緒にいます。あなたを守ると誓ってあなたと一緒に参加しているのです」」


『・・・・・なら、好きにしろ』


「「好きにします」」


「一誠ぃいいいい!」


百代が叫びながら一誠に飛び掛かった。


『ダメ!』


「っ!」


サマエルの制止の声に百代は思わず止まった。


『今の百代は僕の力・・・・・究極の龍殺しの力の塊だよ!一誠に直撃したらどうなるか

さっき言ったよね!?』


「くっ・・・・・!」


『・・・・・そっちが来ないのなら我から行くぞ』


フッ!


一誠の姿が川神・F・ドラゴンズの視界から消えた。―――刹那


ドドドドドドドオッ!


七人が一斉に吹っ飛んで巨大な岩に背中からぶつかった。


「がっ・・・・・!」


「鎧が・・・・・!」


「全部・・・・・破砕しただと・・・・・!?」


「み、見えない・・・・・!」


「違う・・・・・速過ぎるで候!」


『―――まずは汝だ』


音もなく辰の前に一誠が手を突き出した状態で現れて魔力を集束し―――撃ち出した。


ドオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオッ!


辰ごと岩が撃ち抜かれて辰の姿は消失した。


『川神・F・ドラゴンズの「戦車」1名リタイアです』


『・・・・・』


「っ!させるか!」


壊れた鎧を修復し終わった揚羽は一誠が次の標的―――ユミに手を突き出している光景を見て

瞬時で前に出た。―――が、一誠が徐に真上に魔力を撃ち出した。


「なに・・・・・?」


『龍星の流れ星』


―――次の瞬間、幽幻龍騎士団と川神・F・ドラゴンズの真上から数多の隕石が降り注いできた。

大きさも巨大で隕石が全員に襲いかかってきた。


「なっ!?」


「全員、全力で撃ち抜け!」


百代が膨大な気のビームを撃ち、次々と隕石を撃ち抜き、吹っ飛ばしていく。揚羽達も続いて魔力弾で

隕石を撃ち抜いていく。対して一誠、シヴァ、セルベリアは瞬時で隕石を避けながら百代達に近づいていく。

セルベリアがユキにランスを突き付け―――


「蒼炎龍!」


ボアアアアアアアアアアアアアアアアアッ!


蒼い炎を龍に変えて攻撃し始める。


「絶対零度の氷壁!」


ユキはセルベリアの攻撃に巨大な氷の壁で防いでいく。セルベリアは炎を放出しながら氷の壁に近づいて

ランスを持った腕を一度引いて瞬時で氷の壁に突き付けた。


「流石に絶対零度の氷壁・・・・・硬いが燃やし尽くす!」


突き刺したランスから蒼い炎が漏れ出して少しずつ氷を溶かしながらランスを押していく。


「はぁっ!」


「っ・・・・・!」


しかし、セルベリアの行動を燕が飛び蹴りした事に阻止された。セルベリアのランスが氷の壁に突き刺した

まま離れたセルベリアに燕はもの凄い速さで足と拳を突き出す。


「貴女を倒す!」


「仮に私が倒されても破壊神シヴァがいる。彼女は私より強いぞ?」


「それは皆で倒すよん!」


「ふっ、なら私を倒してからやってみるがいい!」


蒼い炎を集束し始めた。すると、炎の塊が形を成していき―――氷の壁に刺さっているランスへと変わった。


「ふん!」


背後に迫っていた隕石をランスで砕きそのまま身体を捻り燕の身体を薙ぎ払おうと横に振る。


「とっ!」


上半身を反らし8本の蜘蛛の足でランスの起動を変えて体勢を立て直しセルベリアに突貫する。


「遅い!」


瞬時で燕の背後に回りランスを突き付ける。が、燕はサマーソルトの応用でその場から飛んで

ランスの上に乗り体勢を低くして回し蹴りを放った


ガッ!


「はあっ!」


盾で足を防ぎ体中から炎を噴出した。燕は急いで離れるがランスの先端が蒼い炎を纏いながら顔に

近づいていた事に気づく。


「くっ!?」


「終わり―――!?」


が、自分の足が冷たさを感じ視線を下に向けた。そこには氷の膜がセルベリアの足を覆っていた。


「何時の間に・・・・・!」


「今だよ!」


ガシッ!


「っ!?」


「僕は氷を支配する!だから、―――絶対零度の氷縛!」


ユキが氷を身体に纏いながらセルベリアに抱き付き彼女の全身を瞬時で氷漬けにした。完全に氷漬けにした

セルベリアから離れてユキは警戒を解き、燕はユキに近づき口を開く。

何時の間にか巨大な隕石も降らなくなっていた。



「ユキちゃん」


「この人はもう動かないよ・・・・・」


「死んじゃっているの・・・・・?」


「多分・・・・・」


「・・・・・って!殺しちゃダメだよ!?一誠さんの家族なんだよ!?」


「で、でも!これぐらいしないとこの人は止まらないんだよ!?」


「そ、それでも一誠さんの家族を殺したら私達も一誠さんの家族に殺されちゃうよ!その上、

一誠さんに嫌われちゃう!」


「うっ、ううう・・・・・!」


―――バキッ!


「「――――っ!?」」


ビシッ!ビキッ!バッ!バキッ!


氷の表面に亀裂が入った。2人は信じられないものを見る目で絶対零度の氷に閉じ込められている

セルベリアに視線を向けた。―――次の瞬間


バリイイィィィィィンッ!


セルベリアを覆っていた氷が弾け飛んで彼女はフラつきながらも蒼い炎を身体に纏い続けていた。


「はぁ・・・・・はぁ・・・・・」


「嘘・・・・・僕の氷から脱出するなんて・・・・・」


「・・・・・見事だ、私を少しでも動きを封じるのは中々できない事だ。

お陰で体力が激しく減ったぞ・・・・・」


「流石、一誠さんの家族だけであってしぶといですね・・・・・!」


「だけど、もう一度あの技でやれば倒せる!」


「もう、あの技は食らわな・・・・・!」


セルベリアはランスを構えて戦意を示す瞬間、何処からか稲妻の如く一矢が飛来してきて

振り返ったセルベリアの腹を貫通した。


「がはっ・・・・・!」


「―――ナイスだよ。ユミちゃん」


燕の視線に遥か遠く、自分の体以上の大きさがある弓を持った矢場弓子が岩の上に立っていた。

セルベリアも視界に入ったのか信じられなさそうな声音で発した


「あ、あの距離からの・・・・・射撃・・・・・」


「ユミちゃんの神器『真弓の流星群』は例え、地球の裏側から弓矢を射ても目標を必ず目標に

命中させる能力なんだよ。例え、ユキちゃんの絶対零度の氷壁の中にある物だって貫くほどなんだから」


「くっ・・・・・私はもうここまでか・・・・・・」


矢が貫かれている状態のセルベリアの体が少しずつ光と化となっていく


「私達は一人、一人だと弱いかもしれない。でも、皆で団結すればどんな敵でも倒せると信じている」


「・・・・・一誠様は簡単に負けない。それがサマエルの毒に犯されていてもだ」


「・・・・・」


「だが、一人の女としてお前達を応援するぞ。その想いが続く限りもしかしたら一誠様を―――」


彼女は最後まで言い切れずにこの場から消えた


『幽幻龍騎士団の「騎士」、1名が戦闘不能によりリタイアです』



――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――



『セルベリアが・・・・・負けた・・・・・?』


尾で揚羽を叩きつけながら一誠は衝撃を少なからず受けていた。


「彼女は弱くはない。彼女も一緒に修行してきた家族だ」


『解っている』


「まあ、私の方が強いがな」


『そこで調子に乗るな』


「ふふ、了解」


由紀江の神速の斬撃を避けながらシヴァは微笑む。


「それにしても、お前の斬撃の速度は凄いではないか。これならベルゼブブと渡り合えるぞ」


「ブラフマーさんでないとダメですけどね」


「過小評価と謙遜するな。家族以外でベルゼブブと剣を交わせる人間はお前が初めてだ」


「そうなのですか・・・・・?」


『我等は人間以外の種族と戦う方が多い。身内の人間だとベルゼブブと渡り合えるが通常の人間では居合いの

一撃で負ける。対してお前はあの時、初見でベルゼブブの居合いの一撃を受け流した。これは凄い事だ』


「・・・・・」


『―――特別だ、本人も戦いがっているだろう。呼ぼうではないか』


一誠の目の前に魔方陣が現れた。光輝き一瞬の閃光を放った。


『我が声に応え現れるがいい。―――七つの大罪の一つ暴食を司る悪魔、蠅の王ベルゼブブ』


魔方陣からゆっくりと深緑の長髪の女性が腰に刀剣を帯剣して現れた。


「―――ベルゼブブさん」


「・・・・・一誠、その呼び名は好きではないから止めてくれ」


『悪い、以後気を付ける』


「久しいな、黛由紀江」


「はい、お久しぶりです」


「本来、私がメンバーではないのにゲームに参加したらルール違反に成る。が、お前と私が『余興』として

戦うのなら問題ないだろう」


「それでも問題がありますよね?」


「このゲームの主催者は我々『幽幻龍騎士団』だ。それにお前を倒してもそのままゲームに続行できるように

してある。完全回復した上でな」


「・・・・・」


「私と戦いたかったのだろう?なら、戦おうではないか。私も成長したお前と戦いたかったところだ」


ベルゼブブが腰に帯剣していた刀剣を抜かずに持った。由紀江はあの時の事を思い出して闘気を纏い

封龍刀を前に構える。


「・・・・・」


鍔を少し鞘から上げて刀身を覗かせると直ぐに鞘にチンと収めた。―――刹那


「っ!」


ガガガガガガガガッ!


見えない斬撃に由紀江は全て反応して防ぎ受け流した。その様子を見て口の端を吊り上げベルゼブブは

刀剣の柄を握った


「―――よかろう。私も刀を抜いて戦う。その資格がお前にある」


シュラン・・・・・ッ


「正々堂々と勝負といこうではないか」


「お願いします」


『黛由紀江、気をつけろよ。ベルゼブブは悪魔だが光の攻撃を無効化する。唯一、あの悪魔だけが

光の攻撃を食らっても生きていられる悪魔だ』


「大丈夫です。私は私自身の力であの人と戦います。弱点を攻めて勝っても嬉しくなどありません」


「良い心掛けだ。―――いざ」


「尋常に」


「「勝負!」」


ガキンッ!


―――そして、一誠達は・・・・・


「「はあっ!」」


揚羽と戻ってきた燕と戦いを繰り広げていた。


『遅い』


2人の拳を掴んで腕を左右に振って2人をぶつけ回し蹴りで吹き飛ばす


「あうっ!」


「ぐっ!」


「凍っちゃえ!」


『我には効かないぞ』


真上から吹雪を一誠に放っているユキに口から炎を吐きだして対応する。その隙に揚羽が接近し

拳を突き刺した。その瞬間、一誠の鎧が消失してドラゴンの体に成っている腹部に直撃した。


『・・・・・流石にゾラードの能力が敵に成ると面倒だな。鎧が解除されてしまう』


「では、こうすればよい事だ!」


揚羽が一誠に抱き付いた。


「こうすればお前は能力を使うどころか鎧を纏えない!」


『確かに使えないな。・・・・・だが』


「ぐっ!」


『能力が使えなくても、鎧が纏えなくても俺には肉体で戦う術がある』


揚羽の首を掴んで強引に身体から引き剥がして百代に向けて投げ放った。


「揚羽さん!」


「っ、大丈夫だ・・・・・」


『百代、さっきから戦っていないが戦う気はあるのか?』


「・・・・・っ」


『戦う気がなければこの場から去れ』


「一誠・・・・・っ」


『教えてやろう。唯一、我に勝てるとしたらサマエルとブラフマーだけだ。その究極の龍殺しの力を使えば

我を倒せるぞ?』


何処からか一矢が飛来してくるが首だけを動かして回避する。矢が飛来してきた所に手のひらを向けて

膨大な魔力を放った。一拍して轟音が聞こえて


『川神・F・ドラゴンズの「兵士」、1名リタイア』


ユミが撃破されたアナウンスが宇宙空間に流れた。


『汝がそのままだと汝の所為で次々と揚羽達が負けて行く。汝等の願いが叶えられなくなるぞ。

それでいいのか?』


「百代ちゃん・・・・・」


「百代・・・・・」


「私は・・・・・」


『我を想う心はその程度だというのか・・・・・?』


「イッセー!てやあああっ!」


ユキが巨大な氷塊を作り上げて一誠に放り投げた。一誠は氷塊に手のひらを突き付けて魔力を集束して放った


ドオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオッ!


氷塊を貫きそのままユキを飲み込んだ。結果、ユキも戦闘不能になってリタイアとなりこの場から消えた。


『残るは燕と百代、揚羽にベルゼブブと戦っている由紀江だけだ』


「一誠、私は帰るぞ」


と、ベルゼブブが一誠に近寄ってそう言った。


『どうだった?』


「まだまだ伸びる。これからの成長が楽しみだ」


『そうか・・・・・』


「それでは」


足下に魔方陣を展開してこの場から去った。


『シヴァ』


「うん?」


『我の戦いを見ていてくれないか?』


「ふっ、何を言っている。私は何時も見守っているぞ。大丈夫だ、―――手出しはしない」


『流石は我の姉だな、我の言いたい事を言わずとも理解してくれる』


「ハハハッ!当然だ、私は兵藤一誠の姉の破壊神シヴァ!弟の気持ちを理解できずに何が姉だ!

存分に戦って来い!」


『我、眼前の敵を倒すドラゴン。行くぞ・・・・・川神・F・ドラゴンズ。汝等も全力で

我を殺すつもりで戦え!』


ガアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアッ!


一誠は咆哮を上げて4人に飛びかかった

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