小説『赤いお部屋』
作者:DRSTV()

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キーンコーンカーンコーン
休み時間のベルが鳴り5人ぐらいの男子が田辺に近寄ってきた
「田辺ーお前さぁ、好きな奴いるんだって?」
「!!誰からそんな事・・・・・」
「とにかく!居るのかよ、居ないのかよ」
問い詰められる田辺はどんどん涙目になってきた
「おら、いえよ」
と怒鳴られた時ビクッと田辺の体が少し跳ねた
そして切れ切れに云った
「・・・・・・・いる」
「ヒュー誰なんだよ」
「い・・・・・云え・・・な・・・」
「ああ?お前なめてんのか?」
田辺は顎をつかまれ無理矢理目線を合わせられる
「ごめ・・・・なさ・・・・ふう・・・・ううぇっ」
田辺は本格的に泣き出した
その泣き顔に1人の男子が唾を呑んだ。そしていきなり腕を引っ張られる
「おい、田辺ちょっと体育倉庫に来い」
「ちょっ!いやっ!!!はなし・・・てぇ!!!!」
しかし力で敵うはずもなくあっという間に連れて行かれてしまった
その後はよくわからなかったが3時間目に田辺は保健室にいた
どうやら腹痛のようらしい
しかし原因は対外把握している
その休み時間俺は保健室に見舞いに行った
「田辺、大丈夫か?」
「!?日下部君!!」
「あいつ等なんだろ?」
「・・・・・うん、いっつ・・・・」
田辺は腹を押さえて蹲った
「おい!無茶すんなよ」
「大・・・・じょ・・ぶ・・だよ。だって・・・お見舞い来てくれたの・・・・日下部君だけ・・・だし」
田辺の額には汗が出ていた
「うっ・・・・やば・・・・日下部君、洗面器・・・吐きそ・・・・」
俺は急いで洗面器を持ってきた
「おええっっ・・・・げぼっげぼっ」
嘔吐物には血が混じっていた
田辺の口を拭いてやり水を与えた
すると田辺は俺にすがりついて大きな声で泣いた
「うああああぁ!!怖かったよぉ・・・・・」
「大丈夫。大丈夫だから。・・・・・な?」
キーンコーンカーンコーン
「あ、じゃあベル鳴ったから、俺行くな」
その瞬間田辺は俺の腕をつかんだ
「・・・・・・行かないで。今だけ僕の隣にいて・・・・お願い」
その目は恐怖におびえた目だった
そのお願いに俺は了解して1時間田辺の傍にいた
その後に田辺は「ありがとう」と言って眠りに就いた


















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