小説『赤いお部屋』
作者:DRSTV()

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俺はどうしても納得がいかない・・・・・

確かに、亜里沙が田辺に何もしない限り此処に連れてこられることはまずないだろう・・・・・
しかし・・・・普通なら俺に直接文句の一つでも云うはずだ
亜里沙は相手にガツンと言えるタイプだから俺に田辺の文句をくっちゃべる事だ

しかし、亜里沙は逆に田辺の事を「可愛いよね」とか「料理上手なんだね」と、まるで親友のように接していた
その亜里沙が何をしたと云うんだ
俺の見えない所で喧嘩でもしていたのか?
いや、その場合は真っ先に俺の方へ行くはずだ

俺は思い切って田辺に聞いた
「田辺!」
『ん?』
「亜里沙はおまえに何か言ったのか?云ったなら謝るから、何があったんだ」
『・・・・・・・日下部君はやっぱり鈍いなぁ』
田辺は俺をあきれたような態度を取った
その動作に俺は少しカチンとくる
「何があったんだ!云えよ!!!」
苛々した俺に気がついたのか田辺は少しビクッとした
『・・・・・・・・・だよ』
「はぁ!?」
『僕の日下部君に馴れ馴れしいからだよ』


















は・・・・・・・・・・?












こいつはなめているのか・・・・・?
俺は遂にブチ切れた
「てめぇ・・・・そんな理由で俺の元カノ殺すのかよ!!!!!!!!っざけんなよ!!!!!!!いい加減にしろよ!もうてめえにはほとほと愛想がつきたよ!!!!この 人殺し野郎!!!!!!!!」



小さな寂れた部屋に大きな罵声が響く
耳が少しキーンとしたがそんなことはお構いなしだった
モニターに映っている田辺はびっくりした顔で突っ立っていた


『・・・・・・なの?』
「あ?」
田辺は涙交じりの声で云った
『そんなにこの女が大事なの!?日下部君を知っているのは僕だけでいいの!!日下部君は僕だけ見ていればいいの!ほかのクズ共なんて視界に入れないで!!!』

『日下部君は・・・・・僕の一番最初にできた・・・・・大事な大事な人なの・・・・・』


俺は驚いた
まさかここまであいつがそんなに思っているとは思ってもいなかったから・・・・

『日下部君は僕の・・・・・大事な・・・・・・』
「田辺・・・・・・」
俺は優しく田辺に呼びかけた



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