「・・・・・さ・・か・・・・ん」
頭がグラグラする
身体は鉛があるように重い
「日・・・・下・・・く・・・」
起きないと・・・・
早く起きないと
亜里沙が・・・・亜里沙が殺されてしまう・・・・・
「・・・・・・っう・・・」
重い瞼を開け、左手に体の重心をかける
「あ、起きたぁ。よかった、死んじゃったかと思ったよ」
「誰が・・・・・簡単に死ぬか・・・・この野郎」
・・・・・・・・・・・・・・・ん?
なんだ?
生臭い臭いがする・・・・・
それも、あまりにも新鮮な鉄の臭い
「どうしたの?日下部君」
田辺が俺の顔に触れる
なにか、ぬるっとした生暖かいものが直に感じられる
まさかまさかまさかまさかまさかマサカマサカマサカマサカマサカマサカマサカ・・・・・・・・・・・・・
俺は、田辺の後ろにある モノ にきずいた
見覚えのある長い黒髪
見覚えのあるマニキュアの塗っていないピンクの爪
見覚えのある綺麗な白い顔・・・・・・・
白い?
そこにある モノ は爪は全部剥がされて、腕や足は変な方向に曲げられており、観れたものではない
俺は思わず彼女の名前を呼んだ
「亜里沙・・・・・?」