小説『竜から妖精へ……』
作者:じーく()

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46話 夢?






























そして……

その宴は、いつまで〜〜も……

いつまで〜〜〜〜〜〜も続き……… 苦笑

ついには、皆……





「「「「「zzz zzz zzz zzz zzz」」」」」





床で撃沈……。

その中には勿論、ゼクトも混ざっていた。

ミラやエルザ、そしてナツなどに囲まれながら…… 苦笑








「ははは………。」



その姿を見て笑っていたのは、マカロフとギルダーツ。

「しっかしのぉ……。ギルダーツ……。」

マカロフが、ギルダーツに話しかけた。

ほろ酔いだったはずの顔が……変わっていた。

真剣なものに。

「あん?」

ギルダーツもそのことには十分に気が付いていたようだ。

表情は真剣だった。

「……可愛ええもんじゃ…… ガキってやつは……。こんな子供を、邪険して 依頼してくる大人の気が知れんわい……。」

そうぼやく。

評議員たちのことだろう……。

「まぁ…な。その辺についてはオレも思うところはある……。奴らはちゃんと向き合わなかったんだろうな。コイツ……ゼクトは、向き合って話せば ちゃんとわかるだけの心は持ってると思うぜ?いきなり、攻撃……なんてことするなんて思えねえな。よっぽど初対面がまずかったんだろうな。印象ってか……無理やりの実力行使できたのか……。」

そう言って頭をかく。

「でもまあ、これからはウチのギルドの家族だ……。そう言うことはないだろうさ。あったとしても、黙っちゃいねえだろ?マスター。」

そう言ってみる。

マカロフは腕を組んで……。

「無論じゃ。ガキを守らん親などおってたまるかぃ。……こんなにフェアリーテイル……【我が家】を愛してくれているガキじゃぞ……?答えてやらんとな……。」

優しい表情で、ゼクトを……そして、その周りを囲むように寝ているほかのガキ達も見た。

未来…は安泰。そう感じた。

間違いなく……な。

「ゼクトは、光のようじゃ……。」

……そう呟く。

「………ああ。わかるさ。」

ギルダーツもうなずく。

……【光。】

その周りには自然と人が集まるものだ……。

それは、街でも……あり、そして人でも……。

ゼクトは、入ったばかりだと言うのに、殆ど全員を……笑顔にして、そして暴れて?もいる。

そう 出来る事でもないことだ。

積み重ねが信頼を生んでいくものなのだが……。

長年……連れ添った家族の様な光景だ……。

「さて……」

マカロフは、奥から毛布をとり……。


“ぱさっ……”


ガキ達……にかぶせる。

「ふふ……いい夢をみるんじゃぞ?」

「問題ねえさそれも…… 顔をみりゃわかる。」

笑顔の皆を見届けた後……。

ギルダーツは、外へ……そして、マカロフは、ギルドの奥へ入っていった。












マカロフ side





寝室にて……。

「さて……ワシも大分飲んだのぉ……そろ…そろ……寝るかぁ。」

そう言って、布団に入る……。

ものの数秒で、意識を外へ……。














そして……


マカロフは……宙に浮いているような感覚に見舞われた……。


そして光に……包まれる。


(うん…?夢……か?流石に早いような気がするが……それだけ、飲んだのかのぉ?)


夢だ。


そう感じてる。


だから、大して、意識はしてなかったのだが……。


(………礼を……。)


声?が聞こえて……。


(な……なん……じゃ?)


おきる事が出来ない……が、声は聞こえてくる。


(フェアリー……マスター……。礼を……)

声が……徐々に鮮明になっていった。


(なんじゃ…?)


マカロフも、目を開けることが、出来た。


声の主の顔……姿葉見る事ができなかったが……。


目の前にある光の中に何かがいるのはわかった。


(……いつの時代も良いものだ……。愛おしい……。)


声が……。


(時代?)


疑問をあげるが……。


(マスター・マカロフ……。フェアリーテイル ギルド・マスター……。)


(なんじゃ?光よ。)


マカロフは、普通に話す事ができた。


およそ、悪意といった類の魔力……そういったものは全く感じないからだ。


優しい光……なのだ。


(あの子を……頼む……。)


そう言う。


姿形は見えないのに……笑っている。


そう言う顔が目に浮かぶようだった。


(オレは……出…なかったが、この子は………。)


寂しそうな声が一瞬だけ……したが、


(何者……じゃ?子というのは、ゼクト……のことじゃな?)


そう判断し、そう言う。


そう言うと……。


(ああ………。)


返事が返ってくる。


(願った……願いに願った……。そして、こういった形……というのは、嬉しいものだ……。)


そう言うと……。


(愛おしいギルドの長よ……。もう一度……頼む。あの子をよろしく頼む……。)


(まかせろ。それはいいんじゃ、約束する。ゼクトのことはフェアリーテイルに任せてくれ。それよりもじゃ……主は一体何者……じゃ?)


そう光に聞くが……。


やがて、光は消え行く………。






「待てっ!」

手を伸ばした先には何も無い。

いつのもギルドの部屋だった。

光に手を伸ばしたはずなのだが……。

どこからが、夢でどこからが現実なのかもわからなかった。

「魔法……か?」

そうしか、考えられない……が、

空間のエーテルナノにも全く変わった事はない。

「……無関係とは思えんな。」

手を握り……そして開く。

体は全く問題ない。

それどころか、調子がかなり良い。

……あの光に包まれていた心地よさがあるからだ。

大いなる存在……母なる海……。

言葉では表現できなかった。

「ゼクトを頼む……か。」

そう言って、部屋を出……。

皆をみると、まだ眠っている。

ゼクトは勿論、皆可愛い寝顔だ。

「…………わかっとるわい。言われなくとも……もうこの子は。」

ゼクトの顔を見て。

「ワシのガキなんじゃからな。」

そう自然と呟いていた。










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