４話 ギルドとは…？
あの女性…メイビスと別れて数日が立つ。
メイビス…
妖精（フェアリー）…
一番あの女性に相応しい名だ。
無垢な魂…
穢れ無き人間だ。
とても…楽しかった自分がいたのだが…
『まだよくわからなからな。 混乱してしまった…』
そうなのだ。
喜怒哀楽…
その全てを学ぼう。
人を…知ろう。
人間とは… 何か？ずっと考えていても答えは出ない。
この答えを出すためには…
『彼らに関わるのが一番だな。直ぐ側でな。俺がここまで興味を持つのは初めてのことだ…』
そう言って自然と笑みがこぼれていた。
変わっていく自分を感じながら…
そして… 再び、竜の姿に戻る。
『｜妖精の尻尾（フェアリーテイル）を見てみるか…メイビスが長を勤めていると言うギルドとやらを…』
そして…ゼルディウスは再び、千里眼を使った。
見つけるのは さほど難しくは無い。
フィオーレ王国は決して狭くはないが…
探す作業というのは、本来なら苦になる作業だが…
心踊るようだった。
こんなのだったら、あの時、彼女のギルドの場所を聞いておけばよかったと。
後々若干後悔もしていた… 苦笑
暫くして…
ギルドを見つけた。
紋章…そして、名前… 全て一致する。
『北西の方角に…129.45km…だな。位置は。』
そう呟くと、翼を羽ばたかせる。
『さて… 行くか。』
大地を離れ…大空へ羽ばたく。
あっという間に
高度10,000mに達した。
この上空の世界に生き物は殆ど存在しないからだ。
スムーズに移動するにはもってこいだ。
そして、ゼルディウスは再び場所を確認すると。
北西… ギルドに向かって。飛び出した。
『…ついたな。 ちょうどこの真下あたりか…』
そこはまだ遥か上空のかなただが、
位置的には魔道士ギルド ｜妖精の尻尾（フェアリーテイル）の真上に位置する。
『さて…』
再び千里眼を使用。
ギルドの中をのぞいた。
｜妖精の尻尾（フェアリーテイル） Side
「リナ！お仕事どうだった？」
1人の女のコに仕事について聞いていたのは。
「あ！マスター！！ はい！
上手くいきました。それに とても楽しかったです！ 」
素晴らしい笑顔だった。
「そう… どう？ギルドは？」
メイビスも微笑んでいた。
「もちろん！とっても楽しいです！！」
とびっきりの笑顔で答える。
メイビスにとって…この笑顔が何よりも嬉しいみたいだ。
「ただいま。」「ただーいま！」「ういーーす！」
そして、また帰ってきたものたちがいた。
「おかえり、3人とも！ 無事でよかったわ！」
メイビスはそちらを見る。
リサも飛びつくように3人に駆け寄る。
「ああ、例の『妖魔』は姿を見せなかったのが、残念だったがな・・・ 達成はできてない。 もう 場所を移したようだった。」
少し悔しそうな顔で答える。
「話しのほうは聞いてますよ。スタイナー！ それは仕方ありませんよ。それに、依頼主の管理していた地区は安全になったんですから！内容は、妖魔退治…ですが、一番大事なのは笑顔を取り戻す事…でしょう？」
にっこりと笑う。
「ははは・・・･ 流石マスターだよ。」
不思議と安心できる…
さっきまでの悔しいような感情が… 消える。
そして、街の人たちが無事な事を改めて喜ぶ事も出来た。
俺たちは、力を誇示する為じゃない。
沢山の人たちを笑顔にするため…
依頼主を…笑顔にするために…それが 信条だ。
もちろん、冒険もあるが…
喜んでいる顔を見るのが何より好きだ。
マスターに似たんだろうな… 苦笑
「？？」
メイビスは首をかしげていた。
「貴女（マスター） には敵わないってことですよ。」
もう1人の男も…そう笑っていた。
「そーだよな！ははは！マスターの笑顔見てると…なっ！」
笑いが連鎖するようだった。
「なーにそれ！」
「あはははははは！」
メイビスもリサも笑う。
その笑顔に ギルドのメンバー全員が集まってくる。
酔っ払って暴れているものもシバシバ…
まあ…とても 素晴らしいと思うが…
第一印象は…
side out
『騒がしいギルドだな…』
1つの建物の中がまるで街中のように活気に満ちていたのだ。
騒がしい…の言葉が出たのは無理はないだろうな… 苦笑
『メイビス・・・・ のギルドだからな。納得…だ。』
見ているとどうしても笑顔になる。
暫く、上空でこの笑顔のギルドを見ていた。