8話 光より輝くギルド
メイビスは…真剣な顔を崩さない…
そんなメイビスを横目に。
「|遺構の門(ルーインズゲート)・・・主に採掘だとか探索を専門分野としたギルド・・・そいつらから聞いたんだよ。場所はそいつらのギルドじゃなく、酒場だったがな。」
ジャックはそう言って酒を再び飲む・・・
「お前さんが想い焦がしてる人間は・・・人間じゃねえかも知れねえぞ…? はっきりとした 確証は無いがな・・・」
ふぃー・・・っと赤みがかかった顔をしながらはきすてた・・・
言わない方がよかったかもな・・・初めから。
ジャックはそう考えていた。
思い出のままに・・・心に想っておくという選択肢もあるはずだった・・・
だが・・・・・・本人には告げておきたかったのだ。
知らなければ良いこともある・・・とは 言うが・・・ コイツにはあまり隠し事はしたくない・・・
というか、ギルドマスターだしな・・・ 苦笑
「・・・・・・・」
メイビスは黙っていた。
「どうした・・・?やっぱショックか?」
そう言うと・・・
「ショックなわけないじゃないですか・・・」
メイビスは笑った。
「何故・・・私が一目見ただけで見惚れてしまったのか・・・わかったような気がします。」
そして・・・途端に、笑顔に戻る。
逆にジャックが驚いていたほどだ。
「彼は・・・自分は変り種・・・と何度も言ってました、ひょっとしたら・・・竜たちは人間なんかに興味なく・・・彼だけが人間に興味をもってそして、降りてきてくれたのかもしれません。 そして・・・私の事も・・・また会おうとも言ってくれてました。私に興味を持ってくれた・・・ 彼の存在は・・・ひょっとしたら、竜の化身なのかもしれません。しかし・・・私はそんな彼に出会えたことを・・・偶然出会い、見惚れたことを・・・幸運に思います。」
メイビスは・・・ジャックの方を向きなおす。
「永遠の謎、そして冒険!ギルドの名の由来です。妖精も謎ですが・・・竜だって謎だと思いませんか?」
「・・・・・・・・ああ」
ジャックも笑う。
「確かに、支配していたと言う事実はあります、そして、人間の世界を滅ぼしたと言う黙示録もあります。しかし、私ははっきりと彼の目を見ました。・・・・・彼の目は・・・そんなことする目じゃなかった。・・・良いヒトだったんです! 」
メイビスは、残った酒を一気に飲み干す・・・
「はははははははは!!!!」
ジャックはついに堪えきれなくなって笑い出す。
「???どうしたんですか?」
少し不思議そうにメイビスは聞いた。
「そうだよな!?お前はそういう奴だったよな!? だから、俺はお前の作ったギルドに入ったんだったよ!はっはっはっはっはっは!!」
バンバン カウンターを叩き笑う。
正体をしって絶望するかもしれないと思った自分が恥ずかしい。
何年コイツと一緒にいるんだ?っと、
自分の女房より長い時間つるんでるのに、なぜ話する最初躊躇してしまったんだ?っと・・・
コイツに、絶望の二文字なんかさらさらない。
いつも前向きで・・・ 自分の思ったままに進む。自分の心に正直に従う・・・
そんなマスターだったよ・・・
だからこそ・・・このギルドはスゲーんだ。
小さいギルドながら、こんなにも輝いてるんだ。
光にも負けないほどにな・・・!
「いつまで笑ってるんですか???わたしそんなにおかしなこといいました?」
メイビスは笑っている意味がよくわからなかったようだ・・・
「っはっはっは!!!なんでもねーよ!そうやって思い続けていたら、その男に絶対あえるさ!間違いねえ!俺が保障する!」
メイビスの肩に手を回す。
「当たり前ですよ・・・ でも・・・根拠はありませんが・・・ 貴方(ジャック)の保障は・・・なんだか 安心しますね・・・」
メイビスは・・・回された腕を掴みながら・・・
そう言っていた。