目を開けると、真っ白な天井が目に映った
消毒の匂い、少し動かしただけで痛みが伝わる全身
嬉しさも悲しみもなく、その時はただ生きているという感情だった
「瑠樹、起きた?」
今後の命の恩人になるだろう鞠愛が優しくあたしを見ている
「ここは…?」
あたしはしゃがれた喉から声を絞り出そうとして声を詰まらせた
あちこちがボロボロになっているらしい
「病院だよ、動いたら痛いでしょ?何か欲しいものある?」
「水…」
鞠愛にペットボトルの水を少しずつ飲ませてもらう、しゃがれた声は少しずつ元の声に戻っていった
「本当に…ありがとう。どこからお礼を言えばいいのか、わかんないや、」
ううん、と鞠愛が切なそうな顔をして首を振る
真剣な表情で鞠愛が口を開く
「瑠樹が知ってること…話してくれないかな、どうして瑠樹はそんなに…怪我してるの?
今回の所だけじゃない……よね」
「分かった…話すから、鞠愛はあたしにこれ以上関わらないで」