まえがき
慶路はBBのPlastic Nightが似合うと思ったのは私だけでしょうか? ギターの感じがこう……。
因みに他のメンバーに似合いそうな個人的な曲は
ギャスパー
Simple Life<Bridget's Theme>
朱乃
└陰祭り<I-NO's Theme>
子猫
└Babel Nose<Jam's Theme>
木場
└Holy Orders (Be Just Or Be Dead)<Ky's Theme>
リアス
└Writhe In Pain<Millia's Theme>
一誠
└風雅<Anji's Theme>
慶路VS???
└Childish killer
???
└Awe Of She<Dizzy's Theme>
???(上のとは違うキャラ)
└blueーbloom
……ミギーの曲が好きなんです。本当はホーリーオーダーズは慶路が良いかなと思ったのですが……やっぱり木場だよな……。ゼノヴィアがホーリーオーダーズなら木場はスパロボのダークナイトかと思ったり……。ちょっと募集したいので意見が有りましたら是非コメントに……。
え? セラフォルー? ……Active Angelに決まってるじゃないですか……。
第八話
あの世界が変わった夜の次の日の放課後。
「や。どうも」
もう声からしてイケメンと判る。非モテ男のアンチイケメンセンサーは伊達ではない。
俺は半眼で訪ねてきた男子を見ていた。
目の前にいるのは、イケメン王子こと木場祐斗。
爽やかなルックスから放たれるこれまた爽やかな笑みで数多の学園女子のハートを射抜いている我らの敵。コイツがいるから俺たちはモテないんだよ!
「で、何のご用ですかね」
もう見ているだけでイライラする。早く爆発すれば良いのに。
「リアス・グレモリー先輩の使いできたんだ」
……なるほどね。先輩の使いか。
「OK。で、俺はどうすれば良い?」
「僕についてきてほしい。あと譲刃君も」
「了解。分かったよ」
イヤー!
女子達の悲鳴だ。
「まさかの三角関係!?」
「木場くんが兵藤と譲刃くんを……」
「いいえ! 兵藤が木場くんと譲刃くんをよ!」
「そんな! でも涙目で首輪を着けて懇願する木場くんと譲刃くん……決めた! 今年の夏はこれで勝負よ!」
女子達が背筋のゾッとするような会話が聞こえてきた。
俺は美少女は好きだけど男の娘は守備範囲外なんだよ! 万が一でも木場と慶路に欲情するなんてあり得ないね!
何とか言い返してやろうとしたが
「止めておいた方が良いよ。一誠。彼女達は既に鉛筆と消しゴムの攻めと受けについての議論を十年前に終わらせている人種だから」
「なん……だと……!」
慶路の言った衝撃の事実に言葉を失う俺。
そんなことあってたまるか!
「ついでに言うと、彼女達は擬人化無しでもイケる口らしいから」
「神は死んだぁぁぁぁ!」
なに!? なんなの! 擬人化無しってレベル高すぎでしょ!
俺ですらラッチューくんを素ではムリだぞ!?
「分かったよね? 彼女達は触れないでいるのが一番被害が少なくて済むんだよ」
「理解した……。慶路……」
少なくとも彼女達が遥かな高みにいるのは理解できた。
不用意な発言は身を滅ぼす。我々被害者にできるのはただひたすらに黙秘権を行使するだけだ……。
そんな感じで慶路と適当な話をしていると先行していた木場が立ち止まった。
「ここに部長がいるんだよ」
ふと目を向けると目の前に古い木造の建物が目に飛び込んできた。
旧校舎。
名前の通り今の校舎ができるまで使われていた施設で、戦時中の学童疎開とかをテーマにしたドラマとかに出てきそうな見た目をしている。歴史を感じさせ、七不思議や幽霊の噂が立つような建物だが、ガラスは一枚も割れていないし、壊れているところもぱっと見では見当たらない。それこそドラマのセットに使えそうだ。
司馬優太郎の丘の上の雲のロケもここでやれば良かったのに。
そしたらエキストラで俺もドラマに出て、その拍子でモテモテになれたかもしれないと本気で考えていると、いつの間にか木場が歩き出していた。
とと。ついていかないとな。
昇降口に入り、廊下を歩く。
中はキレイで、放置された故の埃っぽさは感じられない。
定期的に業者が掃除するようにしているのかもしれない。
床も大してギシギシしないし。
「ここだよ」
木場の声が聞こえて思わず戸に掛けられたプレートを見てしまう。
『オカルト研究部』
……よりによってオカルトねぇ……。
昨日ちょうどファンタジーな存在見ちゃったしな……。それに
「……」
隣の慶路を見る。
説明してくれるって言ってくれたしな。
「部長。連れてきました」
引き戸の前から木場が中に確認をとると、「ええ。入ってちょうだい」と先輩の声が聞こえてくる。
戸を開けた木場に続いて室内に入る。
「ようこそオカルト研究部へ」
「あ。はい。ありがとうございます」
リアス先輩の迎え入れに反射的に返したが、俺は部屋中に書き込まれた謎の文字に目を奪われていた。さらに中央には巨大な魔方陣がある。
「ぅ……」
慶路が額を押さえている。
「大丈夫か? 慶路」
「大丈夫だよ……。ちょっとあてられただけだから」
軽く顔をしかめながら返してくれた。
「あらあら。まだ慣れないようですね」
「……バケツ」
女性の声が聞こえた方に目を向けると
(友よ……。俺は今、猛烈に感動している……)
そこに居たのは二大お姉さまの一角、姫島朱乃先輩と、学園のマスコットこと塔城子猫ちゃん!
これだけで今日ここに来た労力の元は取ったね! この光景でご飯三杯はイケるよ!
「挨拶が遅れました。私、姫島朱乃と言います。以後、お見知りおきを」
「……(ペコリ)」
姫島先輩が微笑みを添えながら丁寧に挨拶をしてくれた。それに合わせて頭を下げてくれる子猫ちゃん。
「こ、これはどうも。兵藤一誠です。こ、こちらこそ、はじめまして!」
めちゃくちゃ緊張しながらあいさつをする俺。情けないが、こんな学園のアイドルみたいな人と接するのは、はじめてだから仕方ない。
挨拶を交わした俺達を見て「うん」と確認するリアス先輩。
「これで全員揃ったわね。さて。イッセー」
「は、はい」
「改めて、私たちオカルト研究部はあなたを歓迎するわ」
「え、ああ、はい」
「悪魔としてね」
うん。父さん母さん。僕は相当ヤバいところまで踏み込んじゃったみたいです。
さて。ここであのあとリアス先輩から説明されたことをまとめよう。
・俺は悪魔に転生したこと。
・俺を襲った連中は堕天使という輩で、あいつらの使う光は悪魔にとって猛毒であること。
・俺が襲われた理由は、俺が神器(セイグリッド・ギア)という稀に人間が授かる特殊能力みたいなものを狙われたらしい。俺は宝玉を埋め込まれた赤い籠手だった。(因みに持っているからといって絶対に狙われるわけではなく、俺の場合はただ単に運が悪かったらしいが)
・悪魔として修行を積めばハーレムを作れる。(これ重要)
「一通り話したようだね。そろそろ僕の立場について話しても良いかな?」
「ええ。よろしくね。ケイ」
俺の未来は明るいぜ……。
フフフ……
「それじゃ。話すよ? 一誠」
「メタルジェノ……「イヤらしい顔……」OK。話してくれるか。慶路」
危ない危ない……。子猫ちゃんの援護口撃が無ければ口に出るところだった……。うん。無表情で言われるとこたえるものがあるね。
「それでも微妙にアウトな気がするけどね……」
「ん? 何かいったか?」
「いや。何でも無いよ」
コホン。と咳払いをした慶路。
「まずはちょっと歴史の時間だ。さっきの話でかなりの数の悪魔が大規模な戦争で死んだという話は覚えているよね?」
「ああ」
「じゃあ何でそんな戦争が起きたと思う?」
「うーん……」
俺はバカだから考えるのは苦手なんだけどな……。
「ほらほら。頭は生きている内に使わないと」
「そうはいってもな……あれ」
そういや。なんで俺は昨日堕天使に襲われたんだ。神器狙いなら前ので終わったんじゃないのか?
それにあのドーナシークというヤツと部長は仲が悪そうだったな……。
「もしかして堕天使?」
「その通り。正確に言えば天使も含まれるんだけどね」
よく出来ました。と言わんばかりの笑顔だ。
「大昔、天使、堕天使、悪魔の三つ巴の戦争が在ったんだ。細かい事は置いておくけど、ここで更に質問。この戦争で一番犠牲者が出たの種族は何だと思う?」
「悪魔じゃないのか? だってわざわざ人間から悪魔に転生させてんだろ」
「不正解。ヒント。戦争に参加したのは別にこの三種族だけじゃない」
「……人間か」
「そう。一番被害を受けたのは人間だった」
慶路の顔から笑顔が消える。
「前々から人間は三種族に虐げられていたんだけどね。戦争でそれが悪化したんだ。天使、堕天使の誇るエクソシスト集団での戦死、堕天使による精神操作。悪魔による捕食や誘惑。それらによる身内での殺し合い。様々な原因で人間が死んでいった……。でも」
ここで一息
「人間も黙っちゃいなかった。彼らに対抗するために結束した集団がいた。それが僕の家、譲刃や御三家である影無や次無、糸無の始まりだ」
この場にいる全員が、慶路の言葉を黙って聞いている。
「そこでは戦術はおろか、様々な魔術や陰陽道。錬金術や風水等、人類の持てる叡智を結集して人以外の存在への対抗策が練られた。結果としてそれが身を結び、戦争での被害を抑えるだけでなく、三勢力と同等の立場を手に入れられたんだ」
とまあ。と
「歴史の時間はここで終わり。つまり僕の立場は人外に対する人間側のカウンターであり、人の生活を守る番人。と言ったところかな。だから……」
突如慶路が俺に頭を下げてきた。
「すまない。一誠。君が死んだのは僕の責任なんだ。」
君に殺されても文句は言えない。
頭をテーブルに擦り付けながら謝罪の言葉を述べてくる。
「いやいや! お前を殺すとか嫌だぞ!? つーか昨日助けられたからおあいこだ」
「だが……」
「気にすんなって! 確かに俺は人間としては死んじまったけどよ。でもこうやって悪魔になって生き返ったんだ」
「……」
「それに悪魔になったおかげでハーレムっていう男の夢を目指せるようになったんだ! むしろ悪魔になって良かったと思ってんだからな! だから気にすんな」
こうなったら意地でもハーレム作ってやらあ!
そしたら慶路も納得するだろ!
「……ありがとう」
慶路が泣きそうな声で返事をする。……あーもう!
「笑え! お前は笑ってた方が良いんだからな!」
「そ、そう? じゃあ」
フニャリ
まだ泣きそうな顔だけどコッチの方が断然良い。
「ヨシッ! 慶路も笑った事だし、リアス先輩! 俺に一人前の悪魔について教えて下さい!」
「良いわよ! しっかり頭に叩き込みなさい!」
「はいっ!」
そこから悪魔の心構えについてのリアス先輩の講義が始まった。
話している最中に慶路の顔を見ると
「(ニコッ)」
いつもの慶路がいた。
そうだ。泣き顔はもちろん。俺はもうあんな彫像じみた慶路は見たくない――
「こーら。ちゃんと話を聞きなさい。イッセー」
「スンマセンッ」
あとがき
ながっ!説明回なのに!
何故これが戦闘回で出来ないし。
慶路は責任感が非常に強い……というよりは……。これは彼の人格を形成する要因であり、物語を進める上で割りと重要な要因(よてい)ですので詳しくは書きません。
評価が4に……。戦闘描写ェ……。下ネタェ……。そもそもの文章力ェ……。
是非改善点をコメントにお願いします。
それではまた次のお話で。