「――――ちゃん・・・・・・――兄ちゃん!」
「・・・・・・ん、あ? 稔弘?」
目を開ければ、そこには稔弘の呆れたような顔。
いつの間にか、寝てしまっていたようだった。
目をこすりながら重い体を起こし、大きなあくびをする。時計を見れば、もう午後11時を過ぎていた。
そういえば腹も減った。
「ったく、なにやってんだよ兄ちゃん」
まったくだ。
なにをセンチメンタルになってるんだか。
「稔弘、夕飯は?」
「まだ食べてない。腹減った」
今日の夕飯は、カレー、だっけ。
いつも朝だけ叔母さんが来て作ってくれるご飯。僕らはいつもそれを温めて食べる。
できたてのご飯、なんて、何年も前に食べたきりだ。
僕はゆっくりと体を起こし、後ろに稔弘を率いてリビングに向かった。