小説『日常の中の非日常 2』
作者:つばさ()

しおりをはさむ/はずす ここまでで読み終える << 前のページへ 次のページへ >>




父さんがまた家を出ていった。


出ていった、なんて表現をすると、もう帰ってこないみたいに聞こえるけど、多分、今日の夜には帰ってくるだろう。



5ページも書いたんだ。今日はもう小説を書く気にはなれない。

気分も落ちている。


少し早いが、夕飯にしようかな?
でも、稔弘はまだ帰ってないからな。


あと、30分は帰ってこないかな。
あいつも、勉強好きなわけじゃないのに毎日勉強させられて可哀そうな奴だ。



「はぁ・・・・・・」



ため息をつきながらベッドに倒れ込む。ふわふわのベッドに体が沈みこむ。


こんな高いベッドじゃなくていい。

こんな広い部屋じゃなくていい。

パソコンなんかいらない。




父さんが政治家じゃなかったらって、何度思っただろうか。



-9-
Copyright ©つばさ All Rights Reserved 
<< 前のページへ 次のページへ >> ここまでで読み終える