小説『日常の中の非日常 2』
作者:つばさ()

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そこには、稔弘がいた。

顔に、白い布がかけられている。



嫌だ。



僕は半分無意識のまま、その布をめくった。



嫌だ。



そして、そこにあったのは。



嫌だ!




間違いなく、稔弘の顔だった。



「・・・・・・あ、あ・・・・・・あ」



言葉が出ない。

でも、唇が震えて、言葉にならない音を漏らす。



「あ、あ・・・・・・ア・・・・・・」



『兄ちゃん、おはよう』


『わかってるよ』


『小学生にこんなこと言わせんなよ、兄ちゃん』


『それじゃ、いってきます』



「のり・・・・・・ひろ・・・・・・」



涙が、頬をつたった。

温かくて、冷たい涙だった。













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