小説『日常の中の非日常 2』
作者:つばさ()

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どうして?



まだ稔弘は小学生だったのに。

これから、輝かしい未来に向かって歩いていく途中だったのに。

あんな風に、人のことを思える奴だったのに。



どうして、どうして、どうして、稔弘がこんな事になっている?




「学校に行く途中、トラックにはねられたんだ。病院に運ばれた時には、手遅れだった・・・・・・」
父さんが言った。か細い声だった。こんな声、久しぶりに聞いた。


「誰だ、よ・・・・・・」



稔弘を殺したのは。



「どこだ!」



父さんに詰め寄る。

どこだ。稔弘をはねたトラックの運転手はどこだ。



殺してやる。



同じめにあわせてやる! 殺してやる、殺してやる!

僕がこの手で!




「殺してやる!!」





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