そうして、どれくらい時間が経っただろう?
一時間か、二時間か。もっと長いかもしれないし、もっと短いかもしれない。
僕は腫れた目を冷やすために洗面所に向かった。
部屋の扉はすんなりと僕を通してくれた。
洗面所で顔を洗うと、なんだか少し気が引き締まったような気がした。
そのまままた部屋に戻ろうとして、立ち止まった。
稔弘の部屋の前で。
しばらく迷っていたが、僕はその部屋に入った。
この部屋に入るのは何年振りだろう?
壁には野球選手のポスターが貼ってあって、机の上には乱雑に教科書などが広げられていた。
汚い部屋だな。思わず笑みがこぼれる。
床は足を置く場所もなくて、ベッドの上にも漫画がたくさん置いてあった。
あいつ、こんな部屋で暮らしていたのか。