小説『日常の中の非日常 2』
作者:つばさ()

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そうして、どれくらい時間が経っただろう?

一時間か、二時間か。もっと長いかもしれないし、もっと短いかもしれない。



僕は腫れた目を冷やすために洗面所に向かった。


部屋の扉はすんなりと僕を通してくれた。
洗面所で顔を洗うと、なんだか少し気が引き締まったような気がした。



そのまままた部屋に戻ろうとして、立ち止まった。


稔弘の部屋の前で。



しばらく迷っていたが、僕はその部屋に入った。


この部屋に入るのは何年振りだろう?



壁には野球選手のポスターが貼ってあって、机の上には乱雑に教科書などが広げられていた。


汚い部屋だな。思わず笑みがこぼれる。


床は足を置く場所もなくて、ベッドの上にも漫画がたくさん置いてあった。



あいつ、こんな部屋で暮らしていたのか。






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