第十三話 地球へ、まずは挨拶だよね
俺達はブロリーと戦った星を出て地球へと一直線に来た。
着陸したのはユンザビット高地っぽいところ。ここに着陸したのは目立たないためだ。ホイホイカプセルの技術が手に入ったらここから動かそうと思ってる。
「ここが地球ね」
「ここは辺境みたいだからここらは岩と砂しかないよ。人の多いところ行けばそれなりの科学力もあるし人も多いみたいだし。まあ戦闘力はさっき見たけど低いね。ああ力加減には気をつけろよ、この星の人は平均的に3〜5ぐらいの戦闘力しかないから」
「うわー、戦闘力のコントロールを覚えてなかったらやばかったな。それにこの星重力が軽い、気をつけないと」
まあ重力に関しては惑星ベジータの10分の一だからしょうがない。
ちなみにこの星に来たのをセロリにはカカロットがいるからという理由と、ここなら銀河の端っこの辺境だからフリーザも暫くは来ないという理由だ。今となっては逃げるほど脅威を感じない敵だがせっかく来た平和な星だ、そこは気にしない。
適当な街に行き新聞を確認した、ついでに地図も買っておく。そして暦の確認、現在はエイジ747年の五月、ついでに記事の内容に面白い事が乗っていた。
「第20回天下一武道会の開催か……」
21回目の天下一武道会が悟空の初出場。今なら原作に関係なく出れるな。
賞金も一位が50万、二位が30万。ワンツーフィニッシュでいい軍資金になる。生活基盤を作るのにも金が要る。暫くは宇宙船で生活できるけど。
「ちょうど明日か……」
俺はセロリに天下一武道会のことをいう。勿論戦闘力をできる限り下げて出ろと伝える。セロリはまだ戦闘力を隠す事はできない、せいぜい300程度までしか下げられない。
俺は一応隠す事もできる。ここまで来るのに五年位修行してやっとだ。改めて悟飯の潜在能力とクリリンの気のコントロールの旨さを知った。この二人はナメック星編で戦闘力を隠して生活してたからな。
「そうだ、言い忘れてたけどこの星は月が出るから気をつけろよセロリ?」
「了解。だけどナスビのほうが気をつけたほうが良いだろう?」
セロリの言うとうりでもある。俺は下級戦士らしく大猿になると理性を失う。セロリはエリートなので理性は保てる。一応俺もがんばれば暴れない事もできるがギリギリだし、もしも攻撃されたりしたら理性を失い星を滅ぼしつくす自信がある。
尻尾は一応残してあるのだ。切っても良いが、サイヤ人は戦闘力が高かったり潜在能力の高い個体はしっぽが生えてくるのが極端に遅い。数十年単位で生えてこない場合がある。ないよりあるほうがいい、それに俺達は尻尾の弱点も克服済みだ。風呂に入って背中を洗うのにも役に立つ。
「まあ大会は明日だ、満月も暫くは大丈夫。とりあえず星を回ってみよう」
「飯も!」
「はいはい」
俺は苦笑しながら答えてやった。
俺達は世界中を飛び回ってみた。パオズ山ではカカロットっぽいのがいる。このときセロリはちょっと怯えてた。ブロリーのことがあったのでサイヤ人の子供のことを警戒したんだろう。
西の都では喧嘩でかったら10万というとってもいいゲームがあったので速攻でクリア。本日の軍資金はゲットした。
そしてカリン塔は二人でずるをせずに登った。ぶっちゃけ余裕。そしてカリン様に挨拶。
「おどろいたのう、おぬしら只者ではあるまい?」
やや警戒心を見せながらこちらを観察するカリン様。
「あー、俺達今日この星に訪れた宇宙人なんです」
「……嘘をついてる様子ではないのう」
とりあえず誠実に挨拶と自己紹介、そして俺達の星が宇宙人に滅ぼされてしまったので星星を転々として地球まで来た事、俺達は別に危害をくわえに来たのではなく移住したい事、この星の原住民にそれを言うと宇宙の恐ろしさを知らずに外に出てしまったり、実験動物にされるかもしれないのでこの星で一番力の強い者(神)がいる地点、つまりここまで来た事。それで挨拶に来た事。
「ここの上空に力の強い方がいるのはわかったんですけど、途中でここがあったので来たんです」
「ふむ、わかった。おぬしらが感じたのは神の宮殿の事じゃろう、ここの真上に地上を見守ってくださる方がいらっしゃるんじゃよ」
「そうですか、じゃあそこに挨拶に行っても?」
俺の問いにちょっぴり眉間にしわを寄せる。どう見てもニャンコです。
「ふむ別にいいんじゃが、上に行くは必要なものがあってのう」
「私達普通に飛べるんだけど」
「なら大丈夫じゃ」
上に行くのに必要なものとは如意棒のことだよな。よかったよ、持ってこいとか言われなくて。
そしていざ上に行こうとしたとき。ぐう〜とセロリの腹がなった。
「あー腹へったよナスビー」
「もうちょっと待てないか?」
「えー」
駄々をこねてくっついてくるセロリ、腹がへると幼児退行するんだよなセロリは。この10年で精神的にも肉体的にも成長したが空腹には弱くなった。
「ふむ、ちょっとまってなさい」
すると、見かねたカリン様が何かを持ってきた。手に持っているのは数粒の豆。もしや!
「これをたべるといい」
「豆?これじゃ足りないよ」
「どれ」
俺が一粒食べてみる。すると一粒でおなかがいっぱいになった。
「おお、腹が膨れた!」
「えー」
疑いながらも食べるセロリ。そしてカリン様が豆の説明をしてくれる。やっぱり仙豆だった。セロリの腹には感謝。
「おお、ほんとだ!でも実際に食べたわけじゃないから物足りない」
「ほ、そこは我慢せんか。ずうずうしい奴だのう」
「はははは、すいません」
セロリのずうずうしさにあきれるカリン様、俺は謝るしかない。ついでに仙豆を少し分けていただいた。
そしてカリン様に挨拶をし、セロリと俺はカリン塔の上空に飛んでいく。数秒飛べばもうすでに見えてくる。俺達のスピードなら当然だろう。
神殿に降り立つと肌が真っ黒でターバンを巻いたインド人のような格好(偏見です)の人が立っていた。
ちなみに俺はヤードラットでさまざまな超能力を習得した。そのときに読心術に対抗する術も覚えたのでミスターポポや界王神なんかに心を覗かれても大丈夫だ。
「あの俺達神様に挨拶に来たんですが……」
「ポポ、聞いてる、神様会うそうだ」
そしてミスターポポにも自己紹介をした。そしてふと、セロリが視線を神殿に向けた。気が近づいてくるのを感じたんだろう。
「な、ナメック星人!」
セロリが神殿の中から出てきた人にむかって言った。俺もそこを見る、どう見てもナメック星人なおじいちゃんが歩いてくる。あれが神か。
「ナメック星人が何でここに?」
「それはわからないな」
知ってるけどここでばらすのはありえないので黙っとく。
「ナメック星人……なにやら懐かしい響きだ。君達が宇宙から来たという人だな?」
「そうです」
ややえらそうな喋り方なのは仕方が無いだろう。神だし。
「それでこの星に移住するに当たってご挨拶にと」
「良く私の場所がわかったな」
「この星で一番強い気を感じたもので、ここにくればいいものかと思い来たらこうなりました」
「そうか、別に移住は好きにするがいい。地上を荒らさなければ問題は無い」
「それはもちろん!」
「ならばいい、それと君達の言っていたナメック星人というのは?」
俺はナメック星人のことについて説明してやる。俺達と同じ宇宙人だといったら驚いていた。自分が実は宇宙人なんだって知ってのんびりしてられるのは悟空ぐらいだよな。
そして俺達は神殿を後にし、自分達の宇宙船に戻っていった。
今は二人で俺の部屋にいる。もう風呂も入って寝るだけだ。
「ふう、今日は色々まわってつかれたな」
「そうだな……」
俺のため息交じりの言葉に同意するセロリ。
「なあナスビ」
「ん?」
「私達はこの星にすむんだよな?」
「そのつもりだけど、嫌か?」
「いや、そういうんじゃないんだ」
そう言ってこちらをやや潤んだ瞳で見てくるセロリ。なんとなく艶っぽい?
「つまりここでなら、安定した生活が遅れるんだよな」
「そうだな」
俺のそばに少しずつ擦り寄ってくるセロリ。なぜだか獲物を狙う猛禽類のような印象を受ける。あれ?獲物?
「もう良いんじゃないか?」
「……なにが?」
なんとなく言いたい事はわかるが、なんと言うか恥ずかしい。
「ここなら子供だってできても大丈夫だし、さ。だっ、だか……」
俺はセロリの口を指で塞ぐ。これ以上を女に言わせるのも男が廃るよな。何年も我慢させたんだしね。俺はいただきます!と心の中で思いながらセロリに覆いかぶさった。
あとがき
鳥山さんは恋愛シーンは恥ずかしくてかけないと発言したそうですが、なんとなく気持ちがわかります。
原作を見ると誰もかれもがいつの間にか結婚しているんですよね。それはそれで結構想像しちゃいますw