第三話 劇場版キャラの話
べジータ生誕から丸一年たった。俺も四歳だ。
重力装置が完成してからはかなりのスピードで修行が進んだ。ただサイヤ人(もともとはツフル人)の技術なら五百倍くらいの重力は作れそうだが、如何せん重力室を勝手に作るわけにもいかない。なので持ち運びが可能な簡易装置を作ってそれを修行場に設置する事でそこを簡易的な重力室としている。そのため結局100倍程度の重力にしかできない。この一年で100倍の重力になれた俺は現在の戦闘力は250万ほどはあると思う。いきなりなり上がりすぎかもしれないが、重力室→瀕死→メディカルルーム→飯→寝る→重力室のエンドレスの結果だ。ぶっちゃけメディカルルームが無かったら100回は死んでる。
ただ中々戦闘力を測る機会がないし機械も無いので正確にはわからない。一応惑星べジータには戦闘力一億くらいまで図れる大型のスカウターがあるが、それは下級戦士は使わせてもらえない。
結局、感でなんとなくの戦闘力しかわからないのだ。そのうち自前で作ろうと思う。
「おうナスビ!」
「セロリ!」
俺は正直変わり者のサイヤ人だ。戦いたがらずに鍛錬したり、もしくは機械をいじってる。どう見ても変人だ。なので悲しい事に友人と呼べる奴はいないのだ。唯一セロリのみが話しかけてくれるあいてだな。
「ナスビは機械好きだなー」
「まあ趣味だしね」
「ふーん、私は戦ってるほうが好きだけどな」
セロリも他のサイヤ人と一緒で戦いがすきなのはどうにならんかね。一応七歳の少女なんだけどね。この前戦闘力を測ったら3400だったらしいし、もうすぐで原作のナッパを超えるな。
そういえばべジータは生まれてからは現在まで戦闘訓練をしている。英才教育って奴だな。だが悲しいかな。ここの普通の設備では全く強くならんのだよ。それに才能にかまけて周りを見下してるしな。
ちなみに重力装置等を作るのには俺の給料二年分ほど使った。マジで食費が大変です。でもフリーザ様の仕事で星を手に入れてくるとかなりの給料が入る。ああ行っちゃおうかな〜。は!いかんいかん!
「そういえばナスビは戦闘力どれくらいなんだ?」
「今は九百くらいじゃない?」
「えーでももっと強そうだけどな〜」
「……どうしてそう思うの?」
「んーなんとなーく相手のもってる力を感じ取れるって言うかね。そんな感じだ」
「(おいおい自力で気を探るのを覚えたのか!)」
流石エリートサイヤ人!その戦闘センスには脱帽だぜ!
ああそういえば最近ラディッツが生まれた。ついでに生バーダックを拝んでおいた。つかもうこいつべジータ王より強いだろ。流石は未来の主人公の親ではあるな。
「そういや私こんど部隊が変わるんだ」
「へーどうして?」
「私以外の奴らが皆死んじゃってさ。それでちょうど他で一人を除いて死んじまったチームがあってね」
「へー、エリートの奴らの所?」
「いや、確かターレスとか言う下級戦士がいるところ。下級戦士はタイプが少ないから似ててわかりやすい奴で下級でも強いバーダックそっくりな肌黒の男でさ。こいつも下級にしちゃ珍しく6000くらいの戦闘力を持ってる奴らしいよ。」
「ターレスね……」
俺はドラゴンボールの世界に来てから覚えてる限りの事はメモした。日本語で書いておけば他の奴らには読めないし。なのでターレスの事も覚えている。確か神精樹の実とやらを食って強くなる映画の奴だったと思う。
これで劇場版のキャラが存在するのが確定してしまった。そしてそいつらが敵として出てきたとき、セロリなんて女サイヤ人はいなかった。という事はだ。
「(つまりセロリは結果的に死ぬという事か。……いや何をしようとしてるんだ俺は。結局は惑星ベジータの全員がフリーザに殺されるんだ。気にしたらだめだろう!でもサイヤ人で一番仲がいいのはセロリだ。飯を食う友達もいない俺に唯一優しくしてくれてるんだしな。こいつを脱走に誘う?馬鹿言え。フリーザにばれたらまずいのに……んー)」
「なに悩んでんだい?言いたい事があんならいいな!」
「……なあ、フリーザについてどう思う?」
「フリーザ?うーん強いけどむかつく奴だな」
「じゃあ、もしフリーザがサイヤ人を皆殺しにしようとしたらどうする?」
「そりゃあ戦うしかないんじゃあないか?」
「絶対にかなわないとしたら?」
「やってみなきゃわかんないだろ!」
「やっぱそうくるよなぁ」
そうだよな。サイヤ人が利口ならフリーザに殺されるなんてないもんな。少なくとも生き残る奴はもっと多いはずだ。
その分ターレスは利口だったといえるけどな。さっさと惑星ベジータを捨ててフリーザ配下の下で戦闘力を隠しながら神精樹の実を食って強くなろうとしてたんだし。ん?神精樹ぱくったら強くなれんじゃね?ああでもまだ神精樹は食べてないよなこの時期じゃあ。でも種ぐらいは持ってるかも?
「なあその部隊俺も入れるかな?」
「ん?いやー難しいんじゃないかな。最低でも戦闘力二千くらいは無いと……」
「そっか」
そうしてセロリと分かれた俺はすぐさま戦闘力を測りに行った。一応戦闘力検診みたいな形で戦闘力は一定期ごとに計ってくれるが今回は急ぎだ。
そうして俺は戦闘力を測ってくれる奴のところにいった。そして適当に気を高めて戦闘力を測った。
「戦闘力二千四百!?お前この前九百ぐらいだったじゃないか!」
「あははちょっと死にかけまして」
「ほー、まあ言いや報告しとこう」
「ああ、それでなんですけどね……」
そう言って俺はターレスの部隊ところに移転申請をしたのだ。勿論目的は神精樹!実があることを祈ろう。