「敬語なんか使うなよ。何か照れくさいじゃないか」
信二は顔を少し赤めながらいった。怒っているのではない・・・照れくさかったのだ。
「本当にいいでしょうか?」
「いいよ、気楽でいい。同い年と思って接してくれ」
信二がこういうのだから、俺は気楽に話すことにした。信二は今もニコニコと笑っている。さっきの暗い雰囲気とは違い少し明るくなる。これが話すという力なのだ。
人は1人では生きられない、いや生きることを拒む。これは1人で生きることが不安だからだ。その不安は人間には悪い影響を与え、精神を崩壊まで導く。
それが今。
1人にされ、暗いトンネルの中。誰も助けてもらえない、誰もいない。そんな不安がどんどん募っていく。
俺は信二と話をして少し安定を見せてきた。しかし、このゲームによって閉じ込められた人たちはどうだろうか?