「くそっ!!」
俺はすぐに信二の後ろに回り、首を絞めている人かげに向かってタックルをした。1度相手はよろけはしたがすぐに立ち直りもう1度首を絞めるためにこちらに向かって走ってくる。
ドンッ!!
俺はもう1度相手に向かってタックルをして倒れさせた。そのまま、馬のりになり動けないようにする。
「お前、いったい何をしてんだ!!」
今の俺は頭に血が上り、わけもなく相手を1度殴るつける。それでは収まらず2度目、3度目と殴りつけた。4度目に差しかかろうとしたときに俺の手を信二がつかんだ。
「もういい。そんなしなくても・・・俺は大丈夫だから」
信二は首をさすりながら相手の顔を確認した。相手は震えており、口からはさっき殴ったときに切ったのか血が流れ出ていた。
「ぼ・・・僕は怖かったんだ!!早くゲームをクリアしたかった!!だ、だから!!」
腰を抜かしている相手は信二の姿を見るやいなや、言い訳を言い始めた。俺は相手を開放して離れると、すぐに後ろに相手は下がった。
信二は相手が離れたので1歩と近づく。それに伴って相手も下がるのだが歩いてと引きずってでは差がありすぎてすぐに信二は相手に追いついた。そのまま、信二は腰を下ろし相手と目線を合わせる。
「俺もわかる。怖かったんだろ?誰だってこんなところに閉じ込められたら怖いよ。俺だって怖い。でもなぁ。ここでゲームにすがったらいけないだろ。そこで俺たちは人間を捨てることになる。それでもいいのか?名前はなんていう?」
「前田 隼人 (まえだ はやと)です」
信二は隼人の肩を強く握る。
「前田隼人!!必死に生きろ!!そしてあがけ!!人間を捨てては駄目だ。もし捨てたくなかったら、そんな勇気があるなら俺らに黙って付いて来い」