「信二さん!!」
信二の怪我はひどく、胸からはダラダラと血が流れている。俺はすぐに傷口を押さえ血を止めようとした。しかし、一向にも止まる見込みがない。クソ、クソッ!!何でだよ!!
「信二さん。死なないでください。まだ、生きられます。がんばってください」
必死に掛け声をかけ、信二の意識を取り戻そうとする。もう駄目なのか・・・・駄目・・・なのか・・・。
ピクッ!!
諦めていたその時、信二の指が少し動いた。
「信二さん!?」
信二の目が少しずつあき始める。目はにごっていて見えているのかわからないが、多分見えているのだろう。
「なんだ、悟か・・・どう・・・した?」
信二は俺の姿を見るや否や、しゃべる力も残ってないはずなのに俺の心配をしてきた。なんでなんだろう?信二さんにはしゃべってほしくないのにこの落ち着き・・・どうして、信二さんは自分よりも他人の俺の心配ができるんだろう。