小説『ワールドブレイカー(日本消滅)』
作者:真龍 白虎()

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「信二さん!!」

信二の怪我はひどく、胸からはダラダラと血が流れている。俺はすぐに傷口を押さえ血を止めようとした。しかし、一向にも止まる見込みがない。クソ、クソッ!!何でだよ!!

「信二さん。死なないでください。まだ、生きられます。がんばってください」

必死に掛け声をかけ、信二の意識を取り戻そうとする。もう駄目なのか・・・・駄目・・・なのか・・・。

ピクッ!!

諦めていたその時、信二の指が少し動いた。

「信二さん!?」

信二の目が少しずつあき始める。目はにごっていて見えているのかわからないが、多分見えているのだろう。

「なんだ、悟か・・・どう・・・した?」

信二は俺の姿を見るや否や、しゃべる力も残ってないはずなのに俺の心配をしてきた。なんでなんだろう?信二さんにはしゃべってほしくないのにこの落ち着き・・・どうして、信二さんは自分よりも他人の俺の心配ができるんだろう。

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