小説『ワールドブレイカー(日本消滅)』
作者:真龍 白虎()

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「でも・・・いくら人間が弱くても・・・あがくことはできるんじゃ・・・ないかな?お前と俺はそうしたじゃないか・・・。」

信二が俺の頭に手を置いてさする。もう力が残っていなかった。頭をさすっている手は頭に置いただけだった。

「俺はな・・・このゲームには必ず・・・裏があると思っているんだ・・・ゲームが始まったとき・・・そう感じた・・・でも、怖かった。・・・動けなかった・・・そんなとき、であったのは・・・お前だった・・・。お前の印象・・・最初は殺されるかと・・・思った・・・でも、俺と一緒で怖がっていた・・・いや、お前は違っていたな・・・常に前を見据えていた・・・助けると・・・。俺はお前を見て核心したよ・・・このゲームを終わらせるのは・・・お前だと・・・」

「・・・・・」

信二はにっこりと笑い、俺に話をかける。何も言うことができなかった・・・俺はそういう人間じゃないと言いたかったのに・・・信二は俺を信じていた。

「俺は・・・お前を・・・信じる!!未来を・・・託した!!・・・悟・・・俺を殺せ」

「信二・・・さん」

「もういいんだ・・・俺はお前に・・・未来を・・・託した・・・思い残すことはない・・・お前が助かるなら・・・」

信二が俺の腰からゆっくり拳銃を抜き、手に渡す。拳銃を確認し、信二の顔を見ると信二はうなずいた。

「撃て・・・」

ゆっくり、俺は信二に銃を構える。俺の目からは、1粒の涙が落ちた。

「頼んだ・・・後は・・・お前に・・・」

バンッ!!

俺は信二に向けて引き金を引いた。信二は死ぬとき、笑っていた。にっこりと・・・。その笑いはなんだったのかはわからない。ただ・・・わかっているのは・・・俺が人を・・・初めて殺したという真実だけだった。

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