「ギャァヒャヒャヒャヒャ!!!殺したよ。殺した。俺が殺したことにならなかったがこれはこれで面白い。ハハッ。人間の友情って案外脆いもんだな」
隼人が高笑いしながら俺を見る。あの脅えていた隼人の面影など一つも残されていなかった。いままで、俺たちを騙すための演技だった。
「違う!!信二さんは・・・俺のために、俺のために死んだんだ!!勝手に殺したことにするな!!」
「それは・・・どうかな?」
「なに?」
「本当はお前の中に殺して生き残りたい。家族を助けたいと思っていたんじゃないのか?」
ここで携帯にメールが受信する。間が悪い、追い討ちをかけるようなメール。
「いまのメールは信二が殺されたと告げるメールだね。見なくていいの?お前が殺したと・・・ちゃんと書かれているよ」
にやりと笑う隼人。俺の表情をみて楽しんでいるのだ。
「・・・・・・」
しかし、俺は一切の反発をすることはできなかった。メールも見たくないし、信二さんが本当に自分ために死んでくれたのもあやしい。それに・・・自分が家族を助けたいと思う気持ちはどこかに存在しているのが確かだった。
「ハハッ。なんで黙り込むの悟君。携帯も取らないで・・・ちゃんと現実を受け止めなよ。それとも僕が見せてあげようか?」
隼人は自分の携帯を開きさっき届いたメールを俺に見せ付けてきた。
『 東京代表 新道 悟(しんどう さとる)
ゲームクリア
広島代表 富士 信二(ふじ しんじ)
死亡
この結果により、広島県は日本から消滅します。
以上 』