小説『ワールドブレイカー(日本消滅)』
作者:真龍 白虎()

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『    神奈川代表 前田 隼人(まえだ はやと)
                               ゲームクリア
 
     福井代表  平田 美智子(ひらだ みちこ)
                               死亡

     この結果によって、福井県は日本から消滅します。

                                 以上          』

俺の手が振るえた。携帯を握っている手に力がはいっている。
あいつが・・・そう、あいつがクリアしたのだ。

【前田 隼人】

俺の目つきが変わった。部屋の空気が俺のせいでいっきに暗くなる。誰もが俺が殺意を発しているのを察しているのだ。もちろん、さっきまで話をしていた荒川たちも例外ではなかった。いままで、楽しく話をしていたのに一切話をしない。

「大丈夫か?」

荒川が心配をして話をかけた。俺は目をつぶり、必死に感情を抑えているため荒川の声は一切聞こえていなかった。

一時が立って、やっと感情を押さえることができた俺は荒川たちに笑顔を見せた。

「大丈夫か?」

再度確認を取る荒川。俺は短く

「大丈夫、今は落ち着いている」

と答え、壁に寄りかかった。

今は押さえることができている。でも、もし隼人にもう1度会う機会があったら、きっと押さえることができないだろう。

もう俺は心に決めている。

隼人を殺す!!

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