今日も空は快晴、文句なしの日本晴れだ。
しかし、俺の心は曇り空のようにどんよりしていた。
「ほら〜!!こっちこっち!」
そんな俺の内心も知らずに、あいつは二〇メートル先で元気よく右手を振っている。俺はため息を吐きながらあいつの所へ歩く。
「待ち合わせは一時じゃなかったか?」
「細かいこと言わないの!それに、私からお願いしたんだから待たせるのも悪いじゃない」
そう言ってにっこり笑う。心遣いは嬉しいが、なら今回の買い物の内容をもう一度考え直してほしい。
しかし、天真爛漫なこいつがそんなことを考えるはずもない。
「さあ!約束通り、今日はとことんつき合ってもらうわよ」
「もちろんいいさ。ただ……」
「よし!!それじゃあ、まずはあそこからね」
そう言い俺の手をぐいぐい引っ張る。
「ちょっ、人の話を最後まで……!!
「男のくせにごちゃごちゃ言わない!!さっさと入るわよ!」
そのまま俺たちは女性物下着専門店の中に入って行った。